明星山は南からやってきたサンゴ礁
まるで化石のかたまりだ


姫川から、小滝ヒスイ峡で知られる小滝川をさかのぼってみよう。ヒスイ峡の向こう岸におおいかぶさるようにそびえ立つのが明星山だ。この山は全体が石灰岩でできている。この石灰岩は、赤道に近い温かくきれいな浅い海にすんでいた石灰質の殻を持つサンゴとか貝といった生物の遺骸がたまってできたもの。ここからはたくさんの化石が出ていて、それらの進化の程度を調べてみると、3億5000万年前の石炭紀前世後期から2億5000万年前のペルム紀後世前期にいたる約1億年の間にかたちづくられたことがわかる。
 明星山の地質をもっとくわしく調べてみると、石灰岩の下には砂が固まってできた泥岩の層が重なっている。その中からは、石灰岩から見つかった化石よりも新しい時代のペルム紀の化石が出てきた。つまり、明星山は川原にころがっている石を大きくしたような巨大な一つ岩ということだ。
 また、石灰岩にくっついて、マグマが地上に出て固まった玄武岩や、火山灰が固まった凝灰岩を見つけることができる。
 こうした事実からわかることは、明星山はもともと数億年前に赤道近くの海底火山の上にできた大きなサンゴ礁で、それが海洋プレートにのって運ばれてきたということだ。それにしても、びっくりするくらい大きいね。

糸魚川市では、姫川沿いの明星山や青海川沿いの黒姫山の石灰岩を原材料として、セメント工業が盛んに行われているよ。