砂 防 施 設

(1)小滝護岸工
ヒスイの産地として有名なヒスイ峡は、 ヒスイの原石を見学したり、地形や地質、岩石の学習護岸としても整備が計画されています 。防災対策としては、新潟県が地すべり対策工、国土交通省・松本砂防工事事務所が川沿い の護岸工を施行、協力して護岸の整備を行っています。
(2)浦川スーパー砂防えん堤
日本三大崩壊地の 一つといわれる稗田山(ひえだやま)からの土砂をコントロー ルする役割を担う最新の施設です。通常時には、 土砂を下流にそのまま流し、大雨などで異常に土砂が出たときは、 一気に下流へ大量の土砂が流出しないように調節する機能を持っています。
(3)島々谷川砂防えん堤
上高地の徳本峠から流れる島々谷川は、 過去に大きな災害を引き起こしてきました。そのため早くから砂防施設の設置が始まり、 昭和21年には第1号砂防えん堤の建設に着手、同25年に完成しています。
(4)梓川本川上流床固工群
梓川には、焼岳からの大量の土砂が絶えることなく流入し続けています。砂防対策の一つとして、梓川本川の上流では床固工群が整備されています。上高地が国立公園内にあり、また年間200万人もの観光客が訪れる景勝地であるため、自然景観に配慮した整備がなされています。
(5)釜ヶ淵上流砂防えん堤
上高地が観光地として注目され、 多くの人々が訪れるようになった昭和7年(1932)、砂防工事が始まりました。昭和19年、高さ29m、 長さ79mの日本初のアーチ式ダムとして釜ヶ淵上流砂防えん堤が完成しました。上高地の玄関口に位置し 、膨大な土砂流出を調節しています。
(6)野麦峠流路工と栃洞沢流木止め
野麦峠から続く渓流に沿って、環境や景観に配慮した数kmにわたる長い床固工群が設置されています。上流や流れ込む沢には砂防ダムが各所に設置されているほか、がけ崩れ対策の工事も見学できます。また栃洞沢には景観に配慮した最新の流木止めもあり、さまざまな砂防施設が見学できます。
砂 防 施 設

(7)蒲原沢砂防えん堤
蒲原沢は糸魚川市と小谷村の境界に沿って流れ込む急流河川です。上流は崩壊しやすい地質であるため、昔からたびたび土石流が発生しています。現在は3ヶ所に砂防ダムが整備されています。
(8)松川流路工
松川は白馬岳、唐松岳を水源としています。松川はフォッサマグナ線上に位置し、崩れやすい地質であるため、下流部には広大な扇状地を形成しています。崩壊した土砂が川底を上昇させ、大雨による氾濫をたびたび起こしてきました。
(9)平川流路工
平川は北アルプスの唐松岳、五龍岳、などを水源とした急流河川で、土砂の流出も激しく、下流部には大扇状地を形成しています。河床の安定、流路の固定、洪水防止などの工事を実施しています。
(10)大冷第3号下流砂防えん堤
猫鼻砂防ダムの上流にある、スリットが入った砂防ダムです。ダムとして土砂をせき止めるだけでなく、少しずつ下流に土砂を流すことでより自然に近い形で下流に土砂を供給します。
(11)猫鼻砂防えん堤
高瀬川下流の川岸に多くあった森林が、 昭和時代に伐採されると、たびたび洪水が発生、その対策として高瀬川支流の鹿島川で最初の砂防ダムとして作られました。

(12)扇沢のスリット式砂防えん堤
スリット式砂防えん堤は、通常時は無害な土砂を下流に流して河岸、海岸浸食の防止に貢献し、有害土砂の調節を行います。また、スリット部が魚道として機能するものもあり、生態系にも調和した工法です。
(13)牛伏川フランス式階段工
大正期に作られた砂防施設で、19段の階段状の施設は急勾配の川の護岸と河床に割石を敷き詰めて作られたものです。周辺には十数種類もの多様な砂防施設があることなどから、砂防学習ゾーンとして整備されています。また、山腹に対する植林なども進み、自然豊かな景観を見せています。

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