糸魚川市立大野小学校
「下大野川がホタルの里になったらいいね」。糸魚川市立大野小学校は近くを流れる川にホタルを呼び戻そうと、ホタルのことを調べるだけでなく、ホタルのすむ環境についても調べる活動を行っています。さらにはホタルの幼虫の飼育まで実践しています。まだ小さな幼虫ですが、飼育が順調にいけば、児童一人ひとりの願いと努力が、小さいけれどたくさんの光になって飛び交う姿が初夏の川辺に見られそうです。
「あっ!何かいたよ」
ルーペで水槽の中を観察すると小さなホタルの幼虫が見つかります。
ホタルの餌のカワニナを飼育できるようになりました
みんなに知ってもらおう。ホタルの一生がわかった。
姫川の水質調べもしたよ。
大野小学校の4年生は、総合的な学習の時間に「ホタル」を教材にした学習を実践、大きな成果を上げています。
活動は、地域探検の中で見つけた貝(カワニナ)を教室で飼おうということから始まりました。初めは何の貝か分からなかった子どもたちも、図鑑で調べたりしているうちにホタルの餌だと知り、また自分たちの住む地域にはこの貝が多くいることを発見しました(ホタルやカワニナの生息マップ作り)。
しかし、カタツムリや金魚を飼うのと同じ感覚で飼育を始めたものの、相次ぐ貝の死滅という失敗に直面。どうして死んでしまったのかな。子どもたちは調べ、繰り返しチャレンジしました。そのたびにカワニナは汚い水では生きていけない、生きていくためには酸素や水温も関係していることなどを知り、そこからホタルはきれいな水がないと生きていけないことを知りました。川の水質を指標生物で判定することを知り、実際に調べました。
また、日本に生息しているホタルの種類やホタルの一生についても調べました。
この間、近郊でホタルの里作りをしている専門家から、ホタルについての話や飼育についての指導を受けました。子どもたちは専門家の情熱を知り、自分たちと同じくホタルを呼び戻したいという願いを持っている人がいること、そして地域の人々もそう願っていることを知りました。「ホタルの幼虫は大人になるまでに100匹のカワニナを食べる」ということにも関心を示し、そのためにはたくさんのカワニナがすむようにしないといけない、そういう環境を作らないといけないことにも気づいていきました。さらに自分たちにできることは何か、そんな探求も行うようになりました
授業の中で子どもがつぶやいた「あの川で拾ってきたあやしい貝のことから始まって、私たち今こうしてホタルや、カワニナ、川のことを調べているんだね」の言葉が子どもたちの成長を表しているようです。
活動のねらい
@ 餌であるカワニナやホタルを観察したり、調べたりする活動を通して、下大野川にすむ生物の環境について考える。
A カワニナのすむ環境を整えてホタルの里を作ろうとしている人々の願いや努力を知る。
B 水質調査をしてカワニナのすむ環境について調べ、考えたことを地域に発信したり日常生活に生かす
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