北陸の沿革
 北陸地域は、日本列島のほぼ中央部に位置し、南に北アルプス、中央アルプス、南アルプスと呼ばれる飛騨、木曽、赤石山脈などの3,000m級の秀峰を連ね、この急峻な山岳地帯から流れ出る日本一の流路延長を誇る信濃川をはじめ、231水系に及ぶ大小河川により形成されたものであるが、地形的には日本海沿岸部と山岳地帯に囲まれた盆地部に大別される。また、日本海に面した新潟、富山、石川の沿岸地域は、冬はシベリアから季節風の影響により降雪量が多く、内陸の盆地部では、概して内陸性気候で冬期は寒気がきびしい。
 歴史、文化面においては、北陸の名称は古代の律令制時代の地方行政区画である五畿七道の一つ「北陸道」に由来される。この北陸道は現在の北陸4県にあたる若狭、越前(福井県)、加賀、能登(石川県)、越中(富山県)、越後、佐渡(新潟県)の7か国から構成されており、各々独自の文化を有し、現在に至っている。
 現在、北陸地域においては、環日本海交流と日本海国土軸形成の進展、高速交通ネットワークの整備や自然と共生した質の高い生活様式を実現する舞台としての可能性など、新たな地域発展のための条件が次第に整いつつある。
 21世紀を迎え、地球時代、国際化時代の本格的な到来、自然環境への認識の高まり、高齢化社会の急速な進行など、わが国経済社会をとりまく環境は大きく変わりつつある。
 このようなことを背景に、北陸地域が21世紀の国土のなかで個性ある役割を担っていくため、社会資本整備のあり方が強く問われている。

図 北陸地域の国際的位置
資料:国土交通省北陸地方整備局