連携排砂実施期間が終了し、排砂量及び環境調査結果(速報)が出ましたのでお知らせします。
 今年度の排砂実施期間では、7月1日~3日に連携排砂、7月23日~24日に細砂通過放流を実施しました。連携排砂では、出し平ダムの目標排砂量16万m3に対し19万m3の排砂を実施しました。
 また、連携排砂、細砂通過放流時における環境調査の値は、概ねこれまでの観測結果の範囲内であり、特筆するような事象は確認されておりません。
1.出し平ダム排砂量と宇奈月ダム堆砂量の変化について
出し平ダムは、目標排砂量※116万m3に対し19万m3の排砂を実施しました。この結果は、想定変動範囲※2(約6万m3~約27万m3)に収まる結果となりました。
一方、宇奈月ダムの堆砂量は、目標排砂量を設定しておりませんが、平成26年排砂後から平成27年5月測量結果により約16万m3が堆積し、平成27年5月と同年7月排砂後の測量結果を比較すると約7万m3の減少でした。
これらの結果、宇奈月ダムの堆砂量※3は730万m3(堆砂率※460%)となりました。
【参考】
連携排砂が始まった平成13年から平成26年までの出し平ダムにおける年間排砂量の平均は約29万m3です。
※1:
目標排砂量は、平成26年排砂直後から平成27年5月までに堆積した土砂量としています
※2:
想定変動範囲は、上流より流入してくる土砂量を考慮し排砂量の変動範囲を推定したものです。
※3:
堆砂量は宇奈月ダム湖に堆積した土砂量
※4:
堆砂率は、計画堆砂量(1200万m3)に対する、堆砂量(730万m3)の進行割合を示すものです
2.主な環境調査(水質・底質)結果(速報)について
連携排砂の実施に伴い、SS値をはじめとして各調査項目においてダム貯水池、河川、海域ともに、概ね過去の観測結果の範囲内でした。なお、平成26年に宇奈月ダム直下のSS※1観測値が過去最大値(77,000mg/l)を観測致しましたが、今回のSS観測最大値は、26,000mg/lとなり水位低下速度を遅らせたことによる低減と思われ、同規模出水で行った昨年のSS値と比較しておよそ3分の1の値となりました。
なお、下流の愛本地点では昨年の約半分の10,000mg/lとなっています。
※1:
SSとは、浮遊物質量(Suspended Solidの略称)で、水中に浮遊している物質の量です
3.連携排砂時の流量について
今回、それぞれのダムピーク流入量は、出し平ダムで302m3/s、宇奈月ダムでは305m3/sでありましたが、これまで連携排砂を実施した中で、出し平ダム、宇奈月ダムとも最も少ない流入量から3番目の規模でした。
なお、この時の累計降雨量は、平野部に近い宇奈月ダムで49mm、山岳部の欅平では79mmと全体的にやや少ない雨量でしたが、連携排砂等の実施基準である出し平ダムの流入量が250m3/sを越えたことから実施に至ったものです。
4.今後の予定について
今回、お知らせさせていただきました主な環境調査結果の考察や水位低下速度の抑制等の取組効果については、今後11月まで予定している定期調査結果を踏まえてとりまとめを行い、その後の「黒部川ダム排砂評価委員会」(平成28年1月開催予定)で評価して頂く予定です。
(添付資料)
平成27年7月度連携排砂の実施結果について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 添付資料-1-①
平成27年7月度細砂通過放流の実施結果について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 添付資料-1-②
平成27年7月連携排砂及び細砂通過放流に伴う環境調査結果について(速報) 添付資料-2
なお、添付資料につきましては、国土交通省黒部河川事務所ホームページ
「宇奈月ダム・排砂関連情報」(http://www.kurobe.go.jp/cgi-bin/haisa/haisa.cgi
にも掲載しておりますので、そちらをご覧下さい。