黒部川Field Reports No.225
 

 
 黒部市生地の市コミュニティーセンターにおいて「ふるさと生地の写真展」が今月13日より開催されています。海岸侵食で姿を消した砂浜やかつての地曳網の様子、生地の街並みの写真等が展示されています。
 写真は市立図書館で保管してあった昭和20年代〜30年代に撮影したものや、生地公民館に寄贈されている昭和初期のものなど、約30点が展示されています。合わせて現在の海岸の写真も展示されており、比較すると生地浜の激しい海岸侵食の様子が見て取れます。
 昭和20年代に生地鼻灯台から撮影された写真からは、昔の生地浜には広々とした砂浜が遠く続いていたことがわかります。昨シーズン、著しい海岸侵食のため一時操業を断念していた生地地曳網も、かつては人々が賑わい活気ある様子で網を引いている様子がうかがえます。 
 
生地浜の今と昔の写真が並ぶ
 
当時の街並みや人々の写真
  
昭和26年 生地鼻付近の航空写真
(白い砂浜が続いているのがわかります)
昭和26年 生地の街並み
   
砂浜を歩く親子(手前右下) 地曳網の様子
(子供たちが手伝いをしています)
 
生地鼻透過型有脚式突堤(北側からの沿岸漂砂を出来る限り補足するとともに、漂砂の南側海浜への土砂供給に配慮し、波浪制御機能と沿岸漂砂を遮断しない機能を両立した構造としております。この突堤と緩傾斜堤、養浜等の対策を合わせた面的防御により越波を抑え当該地の安全を図っております。また海水交換が優れ水質保全を図るとともに、集魚性に優れ、魚礁としての効果が期待できます。)
黒部河川事務所で実施した養浜工事により、2年ぶりに復活した生地浜の地曳網の様子 捕れた魚たち
 
 下新川海岸は全国でも侵食の激しい海岸として有名です。
 黒部河川事務所では下新川海岸の侵食対策として、離岸堤、副離岸堤、緩傾斜堤及び人工リーフなど、箇所ごとに最も効果的な海岸保全施設を施工しています。生地鼻における侵食対策としては、平成14年度に有脚式突堤を完成しました。この生地鼻透過型有脚式突堤により海岸侵食が軽減され、また砂利を入れる養浜工事により、昨年2年ぶりに生地浜で地曳網漁が行われました。また地域からの要望としてH15年1月29日に生地振興会から生地海岸侵食対策事業継続の要望もされております。
 今後も、昔の美しい海岸線を取り戻すため、効果的な海岸の保全ならびに豊かな自然とふれあえる魅力ある海岸にしていくために一層努力していきたいと考えております。
 

03/08/18
報告 : 調査課 K.I