黒部川Field Reports No.164

 11月20日(水)、台湾水資源局の職員が「水環境の改善及び管理」研修の一環として、黒部川を視察されました。この研修は台湾政府の経費により3週間に渡り、日本全国の先進的な河川事業を視察し、台湾の河川行政に反映させることを目的としています。黒部工事事務所では、水源から河口・海岸まで視野に入れたバランスのとれた土砂の管理を目指し、様々な先進的な事業を行っています。これらの取り組みは、日本のみならず外国からも注目されており、視察に訪れる方も多いです。今後とも国際化社会の一助として当事務所は貢献して行きたいと思います。

○台湾について
台湾は沖縄の南西に位置し、北部が亜熱帯気候、南部は熱帯気候に属しています。
○台湾基礎データ
  首都=台北、 面積=3万6千平方キロメートル、 人口=約2200万人
  言語=中国語(北京語、台湾語、客家語)、先住民族語、日本語
  時差=日本時間マイナス1時間
○台湾の河川事情
 台湾は日本と同様に台風の通り道であり、洪水災害も頻繁に発生しています。特に2001年7月に発生した台風による洪水・土砂災害では、台湾全域に多くの被害を受けました。また、この台風は1999年の台湾地震により地盤が不安定になっているところでに大雨が重なったため、多くの土砂災害を引き起こしました。この悲惨な災害を教訓に、台湾では日本などの諸外国へ河川技術・管理などの研修に出向き、諸外国の技術を習得し、河川分野の発展に努力しているところです。

◎黒部川流域の視察状況
情報管理室において事業説明 IT事業(防災情報の管理)の説明

バス内からの河川事業の説明。

宇奈月ダムの事業説明。 専門的な内容は図にして説明。

大夢来館による各事業の説明 紅葉真っ最中の宇奈月温泉

音沢地区の魚に配慮した環境工事の説明 愛本橋からの黒部扇状地についての説明

園家山キャンプ場利用者へ配慮した養浜工 日本海側初の有脚式突堤を説明

名水の里黒部をPR!(生地の清水) 台湾の皆様。黒部川はここです!!


○あとがき
 現在、政府等で補正予算についての議論が行われています。財政構造改革の中、公共事業関連予算においては厳しい状況に置かれています。通訳の方のお話では、台湾においても日本と同じ状況のようで、現在の公共土木事業は高速鉄道の建設と地下鉄の建設以外はほとんどストップした状況のようです。黒部工事としても、このような厳しい状況の中、コストを抑え最大限の効果を発揮できるよう工夫して事業の執行にあたりたいと思います。
 さて、台湾の方と昼食をした際に、いろいろな話題になりました。黒部工事ではいろいろな国の人を受け入れるため、昼食の内容についてはそれぞれのお国事情に気を配っておりました。そのような話を台湾の方にすると、台湾の人は何でも食べるとのことでした。その返答にはユーモアを交え「4本足のものは机以外何でも食べる。2本足のものは人間以外何でも食べる。毛のあるものは歯ブラシ以外何でも食べる」と答えいただきました。昼食への気苦労をユーモアで和らげて頂き、午後の視察も和やかな雰囲気で行われました。
 そして天候も良く黒部には大変好印象を持たれて視察を終えられました。
02/11/21
報告 : 調査課 K.A.