黒部川でくろべ水の少年団が「水生生物調査」を行いました
黒部川では夏休み期間中に、黒部市内の小学5・6年生から構成される「くろべ水の少年団(団員31名)」により、黒部川の上流部から下流部までの水生生物調査を実施しています。
この調査は、多くの方々が河川に親しむ機会を提供し、河川愛護や水質浄化に関心を持っていただくことを目的に、昭和59年度から水生生物の生息状況を観察し、その生息状況から簡易的に水質状況を把握するものです。
水生生物の調査方法は、川の中の水生生物を網等で採取したり、石に付着している水生生物を採取し、指標生物の写真や説明と見比べ、確認や分類を行った後、『きれいな水』『少しきたない水』『きたない水』『大変きたない水』の4段階で判定します。
今年の水生生物調査は、7月1日(日)に黒部川下流部を、8月19日(日)に黒部川上流部・中流部の計3箇所に調査地点を設けて実施しました。
7月1日の黒部川下流部は、黒部市飛騨地先の四十八ヶ瀬大橋下流左岸にて調査を実施しました。
調査は6班に分かれて、先ずは調査時の川の状況を把握する為、水温、流速、pH、COD(化学的酸素要求量)などを計測した後に水生生物の採取を行います。
当日はあいにくの悪天候で、雷注意報が発令されていたため、子供たちが川で水生生物を採取するのは危険との指導者の判断で、指導者の採取した水生生物から水質の判定を行っていました。また、採取したカゲロウが丁度羽化するという印象的な場面もありました。
8月19日の黒部川上流部は黒部市宇奈月町鐘釣地先にて調査を実施しました。
黒部峡谷鉄道により鐘釣まで移動し、河原におりると、連日の暑さにもかかわらず周辺には河原温泉を楽しむ観光客が大勢訪れており、観光客を横目に調査を開始しました。
下流部と同様に川の状況を把握した後に水生生物調査の採取に取りかかりました。
上流部においても「きれいな川」の指標となる水生生物が沢山採取されました。
次に中流部の調査を実施するため、調査地点に移動しました。
黒部川中流部は黒部市内山地先の音沢大橋下流右岸です。
上流部と同様に川の状況を把握する為の調査を行った後、水生生物の採取に取りかかりました。
中流部でも「きれいな川」の指標となる水生生物が沢山採取され、また上流部の鐘釣地先に比べても多種多様な水生生物が採取されました。
今回の水生生物調査の結果として、上流・中流・下流部共にナガレトビゲラ、ヒラタカゲロウの2種が、見つかった生物の上位に入るなど、「きれいな川」の指標となる水生生物が沢山採取され、昨年の調査結果同様いずれの調査地点も「きれいな水」と判定されました。
また、上流部では「きれいな水」の指標となる水生生物しか見つかりませんでしたが、中流部では「少しきたない水」の指標となる水生生物も見られ、下流部では、タニシ、ヒルの「きたない水」の指標となる生物も見つかりました。
くろべ水の少年団は、黒部川の歴史や環境等についても勉強しており、河川・海岸愛護の意識も高く、7月1日に実施された荒俣海岸清掃活動に参加する等、河川・海岸美化の取り組みを実施しています。
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