「キャンプ砂防2007in黒部」を実施しました
平成19年8月20日(月)〜24日(金)の5日間に渡り、「キャンプ砂防2007in黒部」を実施しました。
「キャンプ砂防」は、全国の砂防に関心を持つ大学・高専の学生を対象に、砂防の意義と中山間地域及びそこで生活する人々に対して果たす砂防の役割を、生活や現場を通じて体験し、砂防事業への理解とその地域が抱える問題等について学ぶことを目的としています。
今回のキャンプ砂防では、全国から5名の大学生(広島大学、日本大学)らが参加し、一般に立ち入ることが難しい黒部川上流での砂防施設や荒廃地の現地調査及び工事関係者との交流を体験しました。
8月20日(月)
「キャンプ砂防2007in黒部」の開講式を経て、黒部河川事務所の事業概要及び砂防事業に関する講義を行いました。
また、黒部川の恵みである湧水群について、「生地まち歩き」によって体感していただきました。
8月21日(火)
午前中は、黒部峡谷ナチュラリスト研究会の協力を得て、黒薙川周辺の自然環境に関する講義を受講し、午後は小黒部谷及び祖母谷の砂防事業について現場体験を踏まえ学んでいただいたほか、現場技術者との意見交換会により山岳地域での工事施工の難しさなどを学んでいただきました。
8月22日(水)
午前中は、関西電力(株)の協力のもと、黒部川第四発電所から黒部ダムの視察を踏まえ、黒部川における大規模電源開発事業について学んでいただきました。
午後は、高瀬川(松本砂防事務所)における砂防事業や高瀬ダム(東京電力)などの視察を行い、河川に応じた事業の進め方を学んでいただきました。
8月23日(木)
午前中は、姫川(松本砂防事務所)の砂防現場を視察し、尊い命が失われた蒲原沢土石流災害(平成7年)慰霊碑に献花を行いました。
午後は、黒部川の中下流域におけるダム・河川・海岸事業について、現地視察を踏まえ学んでいただきました。
8月24日(金)
黒部川扇状地研究所運営委員より「黒部川のあゆみ」と題してご講演いただいたのち、5日間に学んだ事項をレポートとしてまとめ、成果発表会を行いました。
そして、5日間に渡って開催された「キャンプ砂防2007in黒部」の閉講式を迎えました。
学生の皆さんは、5日間の過密スケジュールで疲れが溜まっていたようですが、黒部河川事務所が行っている水系一貫の治水事業や黒部峡谷での砂防事業を目の当たりにし、治水対策には大きな危険と現場技術者らの大変な努力にもとに成り立っていることが理解してもらえたことが伺える成果発表となりました。
黒部河川事務所では、学生の皆さんが今回得た経験や知識が、研究や将来に役立つことを期待しています。
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