(委員A) |
・ |
過去の排砂実績において、例えば、最大となった平成7年の172万m3を排砂した方法は、今年度の計画と同じように自然流下時間を12時間として排出できたのか。 |
|
・ |
この場合、それだけの量を同じような条件で排出して、下流域に対して、何か具体的な影響とか被害が出ていたのかを教えていただきたい。 |
(事務局) |
・ |
平成7年7月に大きな出水が発生し、出し平ダムへ350万m3の土砂が流入したため、災害対策として富山県の協力を得ながら緊急排砂という形で平成7年10月に、洪水を伴わない状態で、自然流下時間を12時間として排砂している。自然流下時間という意味では現在と同じである。当時も同様に環境調査も実施しているが、下流域において、特段の被害があったという結果は出ていない。 |
(委員B) |
・ |
今回の計画の中で一番の大きな変化は、目標排砂量について幅を持たせたということである。 |
|
・ |
昨年は6万m3の目標に対して12万m3という実績で、そのあまりの大きな違いは連携排砂計画そのものの信頼性にかかわってくることから、目標排砂量に幅を持たせたらどうかと話しをした。今回32万m3に対して、27万m3から36万m3の間で幅を持たせているが、自然条件によって大きく変わることもあるようであるが、ぜひとも目標排砂量を計画どおり、その範囲内に入るように、さらに精度を高めていくことが大変大事であると思う。 |
|
・ |
また、昨年、黒部川が久しぶりに清流日本一になったことを喜んでいるが、これはあくまでも化学的な環境調査の結果だと考えている。しかし、この地域の住民の方々や関係団体の方々は、この黒部川の変化について、やはり実感として感じているものと思っている。 |
|
・ |
そういう意味では、黒部川の総合土砂管理において、上流部で7,000カ所の崩壊地から、多くの土砂が黒部川に流れているが、できるだけ自然の形で上流部から下流部にその土砂を流すということが大変重要であると思う。 |
|
・ |
現実的には、その土砂の循環がうまくいっていないことが、海岸侵食によって、今年2月に発生した高波などの影響が出てきていると思う。長年にわたる関係者の皆様方の大変大きな努力があるにもかかわらず、なかなかうまく総合土砂管理ができないというのが現実であり、この黒部川の管理が大変難しいことから、ぜひ引き続き国での管理をお願いしたいと思う。 |
(事務局) |
・ |
目標排砂量の精度を上げることについては、今回、過去のデータから想定変動範囲を設定した。洪水の規模によって大きく変わる要素を含んでいるが、排砂計画の中で想定した洪水と異なるものが発生した場合には、ある程度、そのようなものも織り込んだシミュレーションも試行していく考えである。 |
|
・ |
今後とも、精度向上に努めていく考えである。 |
(事務局) |
・ |
黒部川は、土砂の発生する量がとても多い河川であり、平成13年度から連携排砂を国土交通省と関西電力で実施してきている。実施機関としては、この黒部川の清流を守るために、このような土砂管理が難しい河川については、河川管理の観点からも、着実に連携排砂を実施していきたいと考えている。 |