海域底質調査項目用語集

No. 項目 測定方法 意味 参考値 参考文献
@ 外観:目視粒度組成 採泥時に試料を目視し、土の工学的分類体系に照らして近いものを試料の分類とする。 現地における底質の物理的な基本性質を把握することを目的として行うものである。 ※1
外観:目視泥色 採泥時に目視し、標準土色帖に示されている色見本に近いものを泥色とする。 現地における試料の一般的な理化学的性質の把握を目的として行うものである。 ※2
A 臭気 採泥時に試料の臭気を嗅ぎ、上水試験法で定められた臭気の種類に分類する。 現地における試料の一般的な理化学的性質の把握を目的として行うものである。 ※3
B 粒度組成 JIS A1204

(土の粒度組成法)
底質の物理的な基本性質を把握することを目的として行うものである。  
C pH

(水素イオン濃度指数)
海洋観測指針8.10.6

(ガラス電極法)
底質の酸性又はアルカリ性の程度を示す指標である。 ※7
D CODsed

(化学的酸素要求量)
環水管第127号(昭63.9.8)

(過マンガン酸カリウムによる酸素消費量)
底質中の有機物含量の指標の一つである。酸化剤で化学的に酸化したときに消費される酸素量を表す。数値が大きいほど底質中の有機物質の量が多いことを示す。 水産用水基準では、CODOH<20mg/gとされる。(※8) ※4,7
E T-N

(全窒素)
環水管第127号(昭63.9.8)

(インドフェノール青吸光光度法)
試料中に含まれる窒素化合物の窒素分濃度を表す指標である。窒素化合物には無機態窒素(アンモニア態窒素、硝酸態窒素、亜硝酸態窒素)と有機態窒素がある。

水質においては、富栄養化の指標として使われる。
ケルダール窒素(アンモニア態窒素+有機態窒素)では、砂質部分で0.5〜2mg/g、汚染度の高い泥質部分で6〜9mg/gとされる。(※4) ※4,7
F T-P

(全りん)
環水管第127号(昭63.9.8)

(硝酸−過塩素酸分解法、モリブデン青吸光光度法)
試料中に含まれるりん化合物のりん分濃度を表す指標である。りん化合物には無機態りんと有機態りんがある。

水質においては、窒素とともに富栄養化の指標として使われる。
底質中のりん濃度は一般に0.1〜1mg/gとされる。(※4) ※4,7
G ORP

(酸化還元電位)
ORP計による直接測定 水中の酸化還元状態の程度を示す指標である。ORPが+であれば酸化反応が、−であれば還元反応が進行することを意味する。 ※7
H 強熱減量

(IL)
環水管第127号(昭63.9.8) 底質中の有機物含量の指標の一つである。試料を強熱(約600℃)した際に生ずる減少質量で表す。加熱の時に失われる成分は、揮発性の有機物であり、強熱残留物の大部分は不揮発性の無機物である。
強熱減量は、富栄養化関連で藻類の発生量や底質中の有機物量(藻類の死骸に起因する)を推定する指標として用いられる。
※4,5,6
参考文献
※1:土質試験の方法と解説(社団法人土質工学会)
※2:標準土色帖(財団法人日本色彩研究所)
※3:上水試験法(社団法人水道協会)
※4:底質調査方法とその解説(環境庁水質保全局水質管理課編)
※5:岩波理化学辞典(岩波書店)
※6:科学大事典(国際科学振興財団編)
※7:水質汚濁指標について「水質調査の基礎知識
 平成8年2月」(近畿地方建設局近畿技術事務所)より抜粋
http://wdb-kk.river.or.jp/zenkoku/1003.html
※8:水産用水基準1995年版(社団法人日本水産資源保護協会)
 
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