(委員G) |
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資料12ページの臭気強度はどのように測定するのか、また、12ページの測線No.1のボーリングでは腐敗臭と表記しているが、13ページには微臭と表記している。この違いは何か。 |
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もうひとつ、測線No.1ボーリングの表層の腐敗臭は、そこで腐敗したものなのか、他の場所で腐敗したものがそこへ堆積したのか、3点について伺いたい。 |
(事務局) |
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においについては、環境測定士の指導を受け、一人の作業員で鑑定している。臭いの強さは5段階あるが、今回の調査からは一番大きなものでも5段階の内の2つ目であった。腐敗臭と微臭の違いについては、腐敗臭は臭いの種類として表記し、微臭は臭気強度2を表すものとして表記している。 |
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また、測線No.1ボーリングの表層については、シルト質となっているが、これは昨年の排砂後、8月22日及び9月7日の比較的大きな出水により流入してきたものであると考えている。 |
(委員B) |
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今までは平成6年12月の河床高を下回らないようにということを随分注意してきたが、今回の結果を見れば、少しくらい下回っても心配することはないと、少し安心した。今後、排砂を実施した結果、少しぐらい河床が下がってもそれほど気にしなくても良いという判断が得られ、大変参考になった。 |
(委員E) |
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20年度の排砂では、測線No.1の試料番号1の部分が排出されることになるが、そうすると多少は腐敗臭を持ったシルトや粘土が流出し、下流の河川敷や海へ流れ出ていくことになる。 |
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今でも、腐敗臭がほとんどないが下流の河床の礫の下面には、前年度の排砂によって堆積したシルトが付着している状態である。 |
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例えば付着藻類の付着にどの程度影響を与えるのかというように、別の観点から見ていく必要があると思う。融雪洪水で一旦なくなり、また次の排砂のときに貯まるということを繰り返すのかどうかを、一度調査していただきたいと思う。 |
(事務局) |
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融雪出水の前後となるが、5月に底質調査を行い確認したいと思う。 |
(委員F) |
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資料の7ページについて、測線No.1のボーリングコアにおける5mから6mの間に存在するシルト混り粘土は、平成3年の排砂後以降にたまったものと考えているのか。 |
(事務局) |
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測量結果として、平成3年12月の排砂が終了した時点では、河床の表面は砂礫となっていたので、平成3年12月以降にたまったものであると考えている。 |
(委員F) |
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平成3年の排砂時では、その当時、出し平ダムの貯水池内において、排砂する以前から堆積していた土砂が流れ出たものと思うが、今回の測線No.1ボーリングで得られた5mから5.5mの間のシルト混りの土砂は、排砂後にたまったものであると考えると、土臭程度の腐敗臭という説明が妥当であると思う。 |
(委員A) |
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資料の12ページにおいて、今回の測線No.1の一番表層の細粒分の土砂は、当然、昨年の排砂後にたまったものであり、昨年8月末の出水で堆積したものと考えることができる。 |
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堆積厚にして1m相当の量で細粒分土砂が堆積しており、平成20年度の排砂時に下流へ排出されることから、資料−1の9ページにあるSS値の予測でも、ある意味反映されている。 |
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8月の出水形態を考慮した場合、通砂が現実的に実施できるか疑問があるため、今後、このような出水が発生した場合、どのようにダムの操作を行うのが良いのかを検討する必要がある。今回のボーリング調査データからも、ある程度の規模の8月の出水により、細粒分土砂が堆積することが確認できた。その堆積土砂が翌年の排砂時にまとまって排出されることになり、ある意味、少し宿題を残した形で翌年の春を迎えてしまうことになる。従って、もう少し宿題を軽くするような操作が、8月の出水時点において実施できないものかと思う。 |
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現在決められている通砂の操作ではなく、例えば貯水位を低下させずに細粒分の土砂だけをダムを通過させるような放流操作を検討する必要がある。そのような操作が翌年の排砂時において、環境的なインパクトを軽くする意味で非常に有効であると思う。 |
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現段階で、実施機関で何か考えがあればお聞かせいただきたいし、また、平成20年度にいろいろ検討した上で、平成21年度に向けての検討を進めていただきたい。具体的には、細粒分土砂はダムの直上にたまりやすく、かなり密度が重い濁り水として貯水池内を流れていると考えられる。これを河川工学では密度流と称しているが、それら細粒分土砂をため込むのではなく、洪水・出水中に貯水位を低下させずに、流速を落さず細粒分土砂が沈降する前にダムから放流するような操作について、検討していただきたいと思う。 |
(委員B) |
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過去に1度、貯水位を低下させずにゲートだけ開けて、堆砂表面のものを流す操作を実施している。そのような考えも加味して検討すれば、より良くなると感じる。 |
(委員長) |
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過去には土砂変質抑制策を実施し、効果があったものと評価しているが、その辺を応用して実施する方法もあるのではないか。 |
(事務局) |
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排砂が実施できなかった平成12年には、排砂期間が終わった直後の抑制措置として、貯水位を完全に低下させないで、排砂ゲートだけを開けて、貯水池の底層に新鮮な水を循環させる措置を実施している。 |
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そのような状態の細粒分土砂が、移動するのかどうかも含め検討させていただきたい。 |
(委員A) |
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堆積したものを排出するのではなくて、まさに今の洪水で流入してきた流動している土砂を、そのまま流動し続けるような状態をつくり出す操作であることから、誤解のないようにしていただきたい。 |
(事務局) |
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わかりました。 |
(委員E) |
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下流へ排出される土砂量は出し平ダムに加えて、宇奈月ダムに堆積している土砂も考えなければならない。 |
(事務局) |
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出し平ダムからウォッシュロードとか浮遊砂のような状態のものを流すと、宇奈月ダムの貯水位が低下していない場合、ダム貯水池が成層化していると、どの水深部分に流入していくかによっては、宇奈月ダムに堆積してしまう可能性もある。よって、出し平ダムから流れてきたものをそのまま宇奈月ダムに堆積させずに通過させる必要があるため、もう少し検討を要すると思う。 |
(委員A) |
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洪水中に上流から流入してきた土砂については、流速と沈降速度の関係でダムにたどり着くかどうかが決まる。 |
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また、出し平ダムと宇奈月ダムの両方を土砂が沈降せずに通過してくれるかという2段階の制約があり、両ダムで流速を確保するためにゲート操作をどのようにすれば良いのかを検討する必要がある。当然、洪水中であるため、両ダムとも何がしかの水は放流しているが、問題は放流する高さである。高い位置から放流すると、貯水池の底部は流速が落ちるので土砂が沈降しやすくなる。底部の流速を確保することで、ある程度、土砂が沈降しつつも堆積する前に排出できるのではないかと考えている。両ダムの貯水池の特性、距離、深さも違うことから、出し平ダムで通過しても、宇奈月ダムで全部通過するかどうかは、検討が必要な部分である。連携操作として、どのような操作が効果的であるかを検討していただきたい。 |
(委員長) |
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今回の評価委員会では、目標排砂量等に関する件、調査地点・調査項目等についての見直しの件、出し平ダムにおけるボーリング調査の件と重要な3点を審議した。それぞれについて、各委員の方々に専門的立場からご意見をいただいた点を踏まえ、実施機関にて今後の取り扱いをお願いする。 |