(委員E) |
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セジメントトラップ調査は、海域にどのようなものが流れ出ているのかを把握するという面では、非常に画期的なことであると思っていた。中止する大きな理由の1つが、C地点において設置を維持するのが困難ということが最も大きな要因になっている。この点に関しては技術的な面でもあり、やむを得ないものと考えている。ただ、海域にどのようなものが流出しているのかといった影響の範囲や程度については、今後も観測していかなければならないと思う。また、平成18年度と違い、特に宇奈月ダムにおいては、自然流下状態にいたらない場合があることから、このような排砂方法を行うことになると、ダムから一部の水だけが流れ出ることとなり、DOの問題についても関心を持たざるを得ない。ダムでの排砂方法によってはDOへの影響も変化することから、測定する水深の層についても、DO等の現状が反映できる形での測定をお願いしたい。 |
(委員F) |
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セジメントトラップを3年間実施して、どのような成果があったのか、またなぜ中止するのか、もし調査を継続するのであれば、どのような条件なら続けられるのかといったことをもう少し詳しくまとめられれば、今後の参考になると思う。 |
(事務局) |
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セジメントトラップの件については、採取方法をいろいろ工夫して実施してみたが、技術的に難しいという問題が残った。平成16年から調査しているが、排砂通砂時及び出水時のデータや、底層・中層・表層といった水深別のデータを計測した結果、大きな差異が認められなかったことから、出水時と排砂時にかかわるデータ、成果が得られたと考えている。また、調査地点については、現在のC点がトラップする上で一番よい場所ではあるが、海底の傾斜が非常に急勾配なため、アンカーを設置しても流されてしまう。さらに沖合いに設置しようとした場合、船の出入り等にも影響することから、この地点での設置は困難と考えている。排砂通砂時には、従来から水質調査のための採水を実施しており、表層、中層、底層における調査を今後とも実施していく考えでいる。 |
(委員長) |
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これまでのデータを踏まえて、完全に中止するというよりも、一時期中止をするということがよいのではないか、効果的な方法が考えられれば調査を実施するということで、当面はSSの垂直分布を観測することと、それに付随するDO等の水質分析項目を実施することにより、セジメントトラップ調査に代わる調査となるのではないか。 |
(委員E) |
・ |
技術的に無理であれば、もう少しほかの箇所において影響の範囲を押さえることが重要である。SSを含めて、トラップによりものを捕捉するということは、例えば漁業への影響の有無を評価する上でも非常に有効なデータになるだろうと思う。 |
(委員長) |
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宇奈月ダムにおいて、自然流下状態にいたらない場合の排砂操作について詳しく説明を願いたい。 |
(事務局) |
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自然流下にいたらない場合は、ダムの一部の水しか流れ出ないのではないかということであるが、それに関して2点ほど説明させていただく。まず黒部川と宇奈月ダムの特性において、年間の流出量をダムの貯水容量で割った回転率という指標があり、この回転率が宇奈月ダムではおおよそ60となっている。これは年間60回ダムの水が入れ替わっているということを意味するものであり、宇奈月ダムでは水が滞留している状態にはないということが1点目として挙げられる。もう1点は、宇奈月ダムの放流設備は、高さ別にクレストゲート、常用洪水吐ゲート、水位低下用ゲート、排砂ゲートが設置されており、各高さから放流ができるようになっている。自然流下にいたらなくても、一番下の排砂ゲートを開けることにより、水位が低下している状態においても、ダムの水はほとんど全部流し出せると考えている。 |
(委員E) |
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特定のものが流れ出るということは考慮しなくてもよいのか。 |
(事務局) |
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考慮しなくてもよいと考えている。 |
(委員D) |
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海域の調査については、気象条件が厳しい場合での調査が多く、相当苦労されていると感じている。事務局とも相談したいと考えているが、水産試験場では160トン規模の調査船「立山丸」を保有していることから、調査場所や調査のタイミング等、調査船使用の調整は必要であるが、調査への協力が可能と考えている。海域に流れ出る土砂の影響を、まだ十分に把握できていないと感じているため、黒部川河口直下におけるSS状況の把握は必要と考えている。 |
(事務局) |
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調査のタイミングはあるが、今後、調査船使用に関して水産試験場と調整させていただきたい。 |
(委員長) |
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セジメントトラップは中止とするが、それにかわる調査、例えばSS等の垂直分布調査の実施を検討していただきたい。 |
(事務局) |
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代替案については考えていく。 |
(委員B) |
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アユの濁りに対する抵抗性を調査するということであれば、もっと別の調査方法もあるのではないか。 |
(委員G) |
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同様の調査は昨年、黒部川内水面漁業協同組合が実施をしている。このようなやり方にはいろいろと問題はあるのだが、排砂時の状況におけるアユの影響を把握する上では、例えば室内実験みたいな形での再現は、あまり現実的ではないと考えている。その意味で、排砂の影響をアユがどのように受けているかを把握するためには、やはり黒部川の中に何らかの形でアユを入れてみるのが一番妥当なのではないか。ただし、調査の実施においては条件等が比較整理されるよう工夫する必要がある。 |
(委員D) |
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抵抗力を把握するという目的であるが、その抵抗力を何の指標であらわすのか、お聞きしたい。 |
(事務局) |
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具体的にどの指標の数値であらわすのかは、難しいことと考えている。現在、アユの斃死数により判断をしたいと考えているが、斃死した原因すべてが排砂の影響であるのかを整理する必要もあるため、どの要因が影響を与えたのかを比較検討できるように調査していきたいと考えている。例えば水温、SS、DO、流速、濁度といった物理環境データの計測も考えている。また平常時、静水時においても同様の調査を実施したいと考えている。現時点においては、まだ検討中であるため、最終的には水産試験場、専門家の方々のご意見等も伺いながら計画を立案していく。 |
(委員D) |
・ |
アユは濁りで必ず何らかのストレスは受けているのだから、斃死数の調査だけではなく水の濁りが元に戻ったときにどのように回復するのかというところまでも、把握しておく必要があるのではないか。客観的にデータを計測する必要があり、単なるカゴの中にアユを収容して忌避できない状況の中で斃死数を調査するだけでは、あまりにも客観性が乏しいのではないか。今回、試験フィールドにおいても調査を実施するが、当然、そちらの方がより自然に黒部川の排砂時の環境を再現することができると感じている。より客観的にアユが排砂によって抵抗力的にどのような影響を受けたのかを数値化できる努力はしなければならないと思う。 |
(委員E) |
・ |
アユ調査の本来の目的は、河川にアユが根づけるような状況をつくり、一時的な排砂でアユがその後生息できなくなるような状態にはさせないということである。斃死数の指標も大事ではあるが、この試験後、生存しているアユがいれば、ある一定の期間、飼育を続け、その後の成長や摂餌に関する影響までを把握していく必要があると考えている。 |
(委員G) |
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排砂時にアユ自身がどこへ逃げ込み、排砂後にまた戻ってくるのかといった調査も、同時並行的に調べていく必要がある。 |
(委員B) |
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アユが待避できる場所を構造的に川の中や霞堤などにつくっていく方向に向かえばと期待している。 |
(委員G) |
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やすらぎ水路については、水さえ確保できれば十分機能すると思うが、どのようにして水を水路に残すのかということについては、課題があるように思われる。 |
(委員D) |
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黒部川河口直下の海底状況の変動については大変関心を持っている。水中テレビカメラの装置などにより、機会があれば海底の状況を撮影していただきたい。 |
(事務局) |
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水中テレビカメラ装置は保有しているが、経費も非常にかかることから、装置の使用についてはあまり現実的ではないと考えている。 |
(委員D) |
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装置の購入目的は、ダム湖の中の状況を把握するためなのか。 |
(事務局) |
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連携排砂が始まる頃に北陸地方整備局にて導入しており、導入の目的は、宇奈月ダムや出し平ダムにおけるダム貯水池の湖底調査と、海岸事業の関係において、海岸線の調査等にも使用できるようにと工夫してつくられている。当初想定していたよりもかなり経費がかかり、十分には活用し切れていないが、装置を有効に使用していきたいと考えている。 |
(委員D) |
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環境調査計画とは別に単独での調査をお願いしたい。調査の実施にあたっては河口海域も調査地点とされるよう考慮していただきたい。 |
(事務局) |
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平成13年度頃に、一度宇奈月ダムの湖底を調査したが、透視度が悪いために、あまり望ましい画像は得られなかった。使い方についてはいろいろと考えているところである。 |