(委員F) |
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資料2−@の3−24ページの海域の底質追加調査の分析項目に泥色があるが、泥色の判定に際しては色名帳を使うことを勧めたい。 |
(事務局) |
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色名帳に準じた記載とするようにしたい。 |
(委員F) |
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底質追加調査結果における地形による分析結果の比較については、海底地形と各指標との関係はみられなかったとのことであるが、一方では概ね水深が深い地点ほどCOD、強熱減量等は高く、ORPは低い値を示しているとしており、両者は矛盾する。 |
(事務局) |
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ご指摘のとおり、海底地形と底質の各指標との関係がみられなかったとすると、水深との関係とは矛盾するような文章表現であるため、尾根と谷で比較した結果違いはみられなかったというような表現が適切であった。 |
(委員C) |
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排砂実施機関による底質追加調査結果では12年と18年のCOD値を比較すると18年の方が低めであるという結果であるが、富山県水産試験場の調査で13年と18年を比較した場合、実施機関の調査結果とは逆に18年の方がやや高めであった。年度の違いもあるが、参考までに報告する。 |
(委員G) |
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底質追加調査における12年と18年の全窒素を比較すると、18年の方が高めとなっている。にもかかわらずCODは低めになっているが、このような傾向については、富山県水産試験場の結果とあわせながら、今後よくみていく必要があると思われる。 |
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なお、このような現象は、陸域からの負荷量といった視点も含めて、富山湾全体の問題としてとらえる必要がある。 |
(委員長) |
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全りんと全窒素については、以前は全りんが高く全窒素は少なめであったが、今回の調査においては全りんが少なく全窒素が多い。その辺の原因について、事務局側でさらに検討されたい。 |
(委員G) |
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海域Dでは多様度指数が高く、個体数も種類数も多いことから、生物にとっては良好な環境にあると考えられるが、河口から少し沖側の海域Bでは問題のない濃度であるが、窒素が高めな環境にある。海域Bでは水深が深いため、水の動きが弱く窒素分が溜まりやすい環境にあることも考えられる。ただし、海域Bがこのような状況にあることについては黒部川だけの影響ではないと思う。 |
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長崎大学の石坂先生が、リモートセンシングによる富山湾の生産量についての研究成果を海洋学会誌に発表されているので参考にされたい。 |
(委員C) |
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海域の底質については、水産用水基準を超える数値がこの海域で出ているということに着目して、きちんと今後も検討しておくべきである。 |
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底生生物と項目間の相関には、それぞれの数値の有意差もきちんと出したほうが結果を評価しやすいのではないか。 |
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海域の底生動物の種類数等について、水産試験場の調査結果と比較しているが、調査年数が多いと種類数は当然多くなることにも留意していただきたい。また、個体数がゼロとか湿重量がゼロになるということは、餌となる生物等が全くいないということであることから、大きな問題である。 |
(事務局) |
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底生動物の有意差検定については、次回の委員会までに計算し、ご報告したい。 |
(委員B) |
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海域底質の追加調査における、臭気についてはどのように調査しているのか。12年と18年と比べると、全体として臭気が増しているのではないか。 |
(事務局) |
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平成12年に底質の土臭をどのように分類していたのかこの場では分からない。 |
(委員H) |
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試験サンプル採取方法の違いによる分析値の比較においては、水深の影響のみで考察しきれるものか疑問が残る。 |
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今後も継続して、セジメントトラップによる調査を実施するのであれば、確実にデータが取れるように改善していただきたい。 |
(事務局) |
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セジメントトラップについては、これまで何回か改良しているが、地形的に急勾配の箇所に設置している関係で、洪水時に流されてしまい、十分な成果を得ることができなかった。 |
(委員I) |
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用水路の土砂堆積調査については、この程度の量であれば、一般的な用水路とは大きな違いはないと考える。 |
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今年度は、排砂の回数も多くなり、それに伴い排砂に要する時間が非常に長くなっていることから、利水者にとっては相当なストレスとなったものと思われる。このため、排砂操作については、全体時間を短くするような方策を検討すべきである。 |
(委員J) |
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今年のアユの調査結果から、アユは8月初め頃まで藻類をあまり摂餌していないためかほとんど成長していない。アユの餌として藻類以外では落下昆虫が考えられるが、絶対量としては非常に少ない。 |
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藻類がほとんどない中で、アユは本当に死んでいないものかどうか。もしかしたら、アユは餌不足から衰弱死し、調査で採捕しているアユの多くは新たに海から遡上してきているものかもしれない。 |
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黒部川において、付着藻類が生えない原因として、洪水によって礫表面から藻類が剥がれていく頻度が多いことだけではなく、今回の調査にあるような起源のよくわからない有機物が礫表面に付着しているため、藻類が侵入しにくい状況があるのかもしれない。そのあたりのメカニズムはこれから調べていく必要があるのではないか。 |
(委員長) |
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黒部川では、洪水や排砂によって礫の表面が洗われる頻度が多いことから、恒常的にアユの餌が少ない状況にあると考えられるが、アユは藻類がなくても他の有機物を摂餌することによって成長していることも考えられる。 |
(委員A) |
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評価委員会の目的として、1点目として、排砂や通砂のシステムがある程度確立してきている中で、排砂後の措置や試験通砂などの補助的な操作に関する取り組みについての評価や改善措置に関するアイデアなどについて議論することがあげられる。 |
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2点目としては、膨大なデータの蓄積がある中で、データの項目ごとに過去からの傾向に対して外れていない安全な範囲に入っているかどうかといった傾向管理をしていくという点がある。 |
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排砂後の措置の試行については、土砂の堆積調査の結果から、当年1回目の排砂である連携排砂によって有機物を含む細かい土砂がたくさん排出され、それを洗い流すという意味では効果を発揮しているのではないか思う。 |
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通砂後の措置の試行については、連携通砂時に排出される土砂が貯水池の中がだいぶ洗われたあとの砂なりシルト分といった比較的粗めのものであることから、そういうものを洗い流すことが本当に必要かどうか。調査結果ではあまり変化が見られないという報告であり、必ずしも必要ではないのかもしれない。 |
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排砂時には、貯水池の水位を下げることで土砂が急激に動くことがこれまでにも確認されているが、試験通砂を導入したことによって水位を下げる回数が増加し、その分だけダム下流へ多くの土砂が出たのではないかという解釈もできる。 |
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できるだけ排砂操作に必要なトータル時間を短くすることは、生態系や利水者に対する影響からしても大切なポイントである。排砂や通砂の回数とトータル時間についてはよく検討すべきである。 |