平成15年03月26日(水)10:00〜12:10
名鉄トヤマホテル 3階「清風の間」
1.平成15年度連携排砂計画(案)について
2.平成15年度連携排砂に伴う環境調査計画(案)について



評価委員会



[連携排砂計画(案)についての概要]
目標排砂量: 出し平ダム 目標排砂量約8万m3、宇奈月ダム 目標排砂量0万m3
◇◇◇期: 6〜8月で流入量が、出し平ダムで300m3/s、宇奈月ダムで400m3/sのいずれかを上回る最初の出洪水時に連携排砂を実施。
ただし、融雪や梅雨等により流量の大きい時期に限り、出し平ダム流入量が250m3/sに達した場合においても実施する。
排砂条件を満足する出洪水の発生がなく、排砂が行えなかった場合の対応策として、土砂変質の進行を抑制するための方法について、「事務局案」として資料−1のとおり提案。一方、地元の関係団体のご意見をお聴きするために、事前に「事務局案」を説明したところ、関係団体の方々から、「8月末等の期日を定めておき実施すべき」という意見を頂いたため、その旨を合わせて報告。

土砂変質進行抑制策とは、排砂期間において排砂の基準に必要な流量に達せず、排砂を実施できない可能性がある場合において、出し平ダム及び宇奈月ダムにおいてダム上部からの放流を行いつつ、排砂ゲートから主に 放流を行い、ダム貯水池底部の水を流動化させ、酸素を供給することにより、底質の変化を抑制しようとするものです。
詳しくは資料−1をご覧下さい
[環境調査計画(案)の概要]

環境調査: 平成8年度から継続的に実施している水質、底質、水生生物、地下水調査を精査し実施。
◇◇期: 定期調査(排砂・通砂期の前・後の平常時)と排砂・通砂中に調査を実施。
平成15年度連携排砂に伴う環境調査計画(案)について平成14年度からの変更箇所を中心に説明。
詳しくは資料−2をご覧下さい
[評価]
平成15年度連携排砂計画(案)については妥当と考えられる。
また、土砂変質進行抑制策については関係団体等と調整し、8月末等に予め期日を設定し、実施することが妥当と考えられる。
なお、土砂変質進行抑制策実施にあたっては、徐々に放流量を増加させ、河川流量の急激な変化を避けるよう配慮すべきである。
平成15年度連携排砂に伴う環境調査計画(案)については妥当と考えられる。

土砂変質進行抑制策の実施時期については、関係団体や評価委員会での評価を踏まえ、今後事務局案を修正したうえで、「黒部川土砂管理協議会」で協議・調整を図る予定。
[主な意見]
○平成15年度連携排砂計画(案)について(資料−1)
(事務局) 事務局としては、降雨がなくとも土砂変質進行抑制策は実施可能であるが、少しでも降雨がある場合に行うことがより望ましいと考え、少しでも降雨がある場合に実施するという案を提案している。一方、関係団体から、降雨にかかわらず8月末等の期日を定めておき実施すべきとの意見をいただいた。
(委 員) 土砂変質進行抑制策を80m3/s程度以上の放流を8時間行うとあるが根拠はなにか。出し平ダムと宇奈月ダムで貯水量が違うが、同じ放流方法でいいのか。
(事務局) 80m3/sは発電の放流量72m3/sを含めて設定している。8時間は平成12年に実施した土砂変質進行抑制策の実績から、ある程度の効果が確認されたため、これを踏襲している。土砂変質進行抑制策実施時には、ダムの堆砂面の上を水が流れる。よって、貯水量よりも貯水池の底の幅が問題となるが、両ダムに大差はない。
(委 員) 平成12年の土砂変質進行抑制策時の水質はどうだったのか。
(事務局) SS、DO等水質に問題となるようなデータは見られなかった。
(委 員) 土砂変質進行抑制策の具体的な効果は。
(委員長) 平成12年の土砂変質進行抑制策の結果、COD、強熱減量、窒素等底質環境は若干改善されたという実績があり、一定の効果があると思われる。
(委 員) 8月末に期日を決めて実施したほうがよいという地域からの意見に対して、事務局としてどのように考えているのか。
(事務局) 事務局としては、降雨がなくとも土砂変質進行抑制策は実施可能であるが、少しでも降雨がある場合に実施したほうがより望ましいと考えている。しかし地域からの意見をふまえ、8月1日以降で降雨が確認された場合に実施する案と実施時期をあらかじめ決めておいて実施する案の2つについて、評価委員会で審議していただいた後、今後地域と調整していく中で決定していきたい。
(委 員) 8月末の晴天時に急に川を濁らすことは、生物がどう予感するのか専門家でないのでわからないが、専門家の委員のご意見はどうか。
(事務局) 80m3/sの放流は、発電によりほぼ確保でき、雨の影響は大きくなく、また、10mm程度の降雨時の濁度も低い。平成12年の土砂変質進行抑制策時のSS値は、排砂時に比べて2桁ほど低く、魚類に対する影響は排砂時ほどではないと思われる。
(委 員) 土砂変質進行抑制策の80m3/sほどの放流であれば、魚が流されていくぼどではないし、影響は排砂時ほどではないと思われる。
(委員長) 土砂変質進行抑制策により多少の濁りはあるが、排砂に比べると環境に与える影響は微々たるものと考える。
(委 員) 多少なりとも降雨があるときに実施したほうがよいのではないかと考える。期日を決めて実施するのであれば、急激な変化がないよう、徐々に流量を増加させる等の工夫をしてもらいたい。
(事務局) ダムの操作運用については今後検討する。
(委員長) 土砂変質進行抑制策については、あらかじめ8月末等に期日を決めておき、6月から8月に基準を満たす出洪水が発生しなかった場合に実施することについて委員会として了解する。
○平成15年度連携排砂に伴う環境調査計画(案)について(資料−2)
(委員長) 河川水質調査として臭気の嗅覚測定、ダム底質調査として無機態リンの分析を実施してみてはどうか。事務局で検討してほしい。
(委 員) 環境調査案に関しては、合理的に調査を進めるため調査項目や地点数を減らすことについては特に異論はない。ダム湖の中において短期間でスメクタイトが生成されたという論文がある。この問題提起について調べられれば調べてほしい。
(事務局) 専門家に確認したところ、一般的にスメクタイトの生成には、地質年代的な時間が必要であり、数年のオーダーではスメクタイトは生成されないとのことだった。なお、スメクタイトに関しては現在調べているところであり、結果が出ればお示ししたい。
(委 員) 水生生物についてはわかっていないことが多い。今までの調査結果だと、後で回復していることぐらい。魚類の夜間調査を実施すればよりはっきりできると期待している。



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