北陸地方における下水道整備の現状と課題
前のページへ 次のページへ
北陸地方における下水道整備の現状と課題
(7)地球温暖化対策の現状と課題
地球温暖化対策の現状 地球温暖化対策の課題
地球温暖化対策の現状


 下水道事業では、電力、燃料(石油、ガス)等のエネルギ−消費過程や施設の運転に伴う各処理プロセス等で温室効果ガスの排出が見込まれるため、地球温暖化対策について検討することが重要です。下水汚泥は、バイオマスエネルギ−として高いポテンシャルを有していることから、代替エネルギ−として利用することは温室効果ガスの抑制効果が高いと考えられます。北陸地方では消化ガス発電や、下水や下水処理水を使い熱エネルギー利用する等、地球温暖化対策を実施しています。



a)汚泥余剰ガスの利用
新潟県長岡市のガスホルダー
 北陸地方では、新潟県長岡市、石川県金沢市、大聖寺川流域下水道の3箇所で汚泥消化ガスの利用が図られています。

 新潟県長岡市では、下水汚泥消化ガスの有効利用の一環として、これまで焼却していた消化ガスを都市ガスの原料として、ガス会社に供給しています。
 石川県の加賀市の1部と山中町の下水処理を受け持つ大聖寺川浄化センターでは、下水汚泥の処理過程で発生する消化ガスを燃料としたマイクロガスタービンの発電(60kw)により処理場電力の一部をまかない、電気代削減と省エネルギー対策を行います。
 マイクロガスタービンによる発電によって、処理場内電力の約20%をまかなうものと予測されます。(平成15年度完成予定)

図1-49.マイクロガスタービンによる発電のながれ
出典:新潟県資料、下水道統計

表1-4.下水処理場で消費される電力の割合
(単位:百万kWh)
年度 総電力量 下水処理場消費電力量 割合(%)
H9 926,458 5,304 0.57%
H10 934,661 5,482 0.59%
H11 957,335 5,747 0.60%
H12 982,066 5,831 0.59%
H13 977,700 5,956 0.61%

出典:日本の下水道(H15 年)



b)熱エネルギーの利用
 下水や下水処理水は、安定した熱エネルギーを持っています。
 富山県の魚津市浄化センターに隣接している“ありそドーム”は、魚津港周辺地域のスポーツ、レクリエーション機能を備えた産業交流施設です。この施設の冷暖房熱源は、下水処理水の熱を有効利用しています。

図1-50.ありそドーム下水処理水の熱利用のながれ