北陸地方における下水道整備の現状と課題
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北陸地方における下水道整備の現状と課題
(6)下水道の現状と課題
下水道経営の現状 下水道経営の課題
下水道経営の現状


 下水道事業に係る費用負担の考え方は、汚水処理に係る経費は私費(下水道使用料)、雨水処理に係る経費は公費(税金)で負担することを原則としています。また、整備費については、その相当な部分を地方公共団体の起債により賄っており、現在、全国の累計で、約33兆円程度も積み上がっており、その償還が今後大きな課題となります。

(1) 汚水処理に係る経費
 下水道の汚水に関する事業(建設費)は地方公共団体が行いますが、その建設には多額の費用が必要であり、かつ緊急に整備することが国家的見地から必要であるとの認識から、地方公共団体と国(補助金)が負担しています。
  しかし維持管理費は、下水道の利用者が多大の便益を得ており、またその範囲が明確であるため、費用の一部を下水道使用料という形で個人負担をお願いしています。
(2) 雨水処理に係る経費
雨水に関する事業は、建設費、維持管理費とも国(補助金)と地方公共団体が負担しています。
図1-45.下水道事業に係る費用負担の考え方
出典:「H14日本の下水道」国土交通省



 平成13年度における下水道管理費と使用料との関係は、下図のとおりであり、汚水に係る下水道管理費(維持管理費+起債元利償還費)に対する使用料の割合は、全国で約6割に対し、北陸地方は約5割となっています。
図1-46.全国の下水道管理費と使用料(H13年度)
出典:国土交通省



 下水道の供用を開始している北陸地方の市町村154(H13末現在)のうち、供用開始後間もない市町村(供用開始3年以内)を除き使用料収入で維持管理費(汚水のみ)を賄えていない市町村は36市町村と全体の約24%を占めます。その理由としては、「下水道への接続率が低い」といったことが挙げられます。下水道への接続率が低いと使用料収入を得ることができず、その結果、維持管理費を賄えないといった財政赤字を招く一因にもなっています。
図1-47.維持管理費が賄えていない市町村
出典:北陸地方整備局資料

大都市と比較すると、北陸地方の下水道使用料は高い状況にあります。

図1-48.各地の下水道使用料(H13年度末)

一般家庭の1ヶ月の使用料を20m3と想定。全国平均はH12年度実績
日本の主な都市、各県の県庁所在地、及び各県毎に料金の高い順、低い順に2つの自治体の下水道使用料金をグラフ化した
北陸平均は、世帯員数に関係なく使用料金が設定されている市町村のみで算出した

出典:下水道統計、日本の下水道