北陸地方における下水道整備の現状と課題
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北陸地方における下水道整備の現状と課題
(5)施設の維持管理の現状と課題
施設の維持管理の現状 施設の維持管理の課題
施設の維持管理の現状
 
├─ a)集合処理と個別処理のメリット・デメリット
├─ b)浄化槽の検査状況
└─ c)下水道と浄化槽の役割分担について


a)集合処理と個別処理のメリット・デメリット
 汚水処理形態には、下水道など地域でまとめて処理する集合処理と、個々の家に合併処理浄化槽を設置して処理する個別処理があり、それぞれには、以下のメリット・デメリットがあります。
(下水道の雨水処理の役割は、以下では考慮していません。)
表1-3.集合処理と個別処理のメリット・デメリット
処理形態 集合処理 個別処理
汚水処理施設 下水道
農業集落排水施設
合併処理浄化槽
概要 ・下水管により、汚水を下水処理場に集めて処理する方法です。
・自治体が維持管理を行います。
・各戸に浄化槽を設置して、汚水を処理する方法です。
・各戸の庭などの空いたスペースに設置し、個人で維持管理を行います。
処理水質 メリット ・安定的な処理水質が得られ側溝の掃除がなくなるなど公共衛生が保たれます。
 

デメリット
  ・タンク内の清掃は個人に任されているため、適切な維持管理がなされない場合は所定の処理水質が得られません。
経済性 メリット ・家が密集している地域では、1 人当りの整備費用が安くなるため経済的です。 ・家と家との間が離れている地域では、浄化槽設置費用の方が経済的です。

デメリット
・家と家との間が離れている地域では、下水管の敷設延長が長くなり不経済です。 ・家が密集している地域では、不経済です。
整備にか
かる時間
メリット ・家が密集している地域では効率的な整備が行えます。 ・設置の申請を行えば、比較的早い時間で設置できます。
デメリット ・広範な地域では、整備が完了するまでに時間がかかります。 ・設置は個人の意志に左右されます。
図1-43.集合処理と個別処理の説明図