北陸地方における下水道整備の現状と課題
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北陸地方における下水道整備の現状と課題
(4)資源利用の現状と課題
資源利用の現状 資源利用の課題
資源利用の現状
 
├─ a)下水汚泥の発生状況
├─ b)下水汚泥の有効利用
└─ c)処理水の有効利用


b)下水汚泥の有効利用
1)下水汚泥の有効利用
 下水汚泥は、汚水を下水処理場で浄化したときに発生する汚れや微生物の固まりで、工場排水も受けることから、産業廃棄物となっています。これまで、その多くは埋め立て処分されていましたが、埋立処分場の逼迫(ひっぱく)や有効利用の観点から、下水汚泥の減量化・再利用を推進しています。
図1-33.全国の汚泥再利用状況(H14年度末)
出典:国土交通省資料


2)北陸地方での下水汚泥の有効利用
 北陸地方の下水汚泥の有効利用用途は、セメント原料が最も多く、次にコンポスト、土壌改良材となっており、これらで全体の約8 割を占めています。
図1-34.北陸地方の下水汚泥の利用用途と再利用率(H14 年度)
出典:3県の実績

図1-35.北陸地方の下水汚泥利用用途内訳
出典:3県の実績(H14年度)
図1-36.北陸地方の下水汚泥の最終処分地の残余年数
出典:3県の実績(H14年度)



【新潟県安田町の下水汚泥を再利用した吸水性陶管】
 新潟県安田町は、これまで下水汚泥を産業廃棄物として処分してきましたが、処分費用の増大や処分先の安定的な確保が課題となりました。このため、平成15年度より下水汚泥を炭化炉で約800℃に燃焼させ炭化物を生成し、この炭化物を地場産業である吸水性陶製品(陶管)に全て再利用しています。炭化物を使用した陶管は、燃焼工程で気孔率を上げ、陶管の吸水性を向上させます。
図1-37.下水汚泥の有効利用事例



【下水汚泥の溶融スラグ化:小矢部川流域下水道】
 全国に先駆けて小矢部川流域下水道の二上浄化センターに設置された汚泥溶融炉は、汚泥を約1,350 ℃で燃焼溶融するものであり、ガラス状の溶融スラグは化学的にきわめて安定しています。この溶融スラグは、路盤材などの建設用資材やコンクリート製品などに有
効利用されています。
図1-38.溶融炉による汚泥再利用の事例〜富山県高岡市二上浄化センター〜
二上浄化センター
汚泥溶融設備
溶融スラグ
溶融スラグを利用したコンクリート製品



【汚泥の利用用途】
図1-39.汚泥の有効利用用途
出典:日本の下水道(平成15年)、下水汚泥処理基本計画(富山県)