『様々な角度から見た白山について』

 思えば私がこの砂防特派員として活動しようとした理由に2005年2月に1市2町5村が合併して新しい白山市が出来る事が決定し何か記念になることはないかと思って白山砂防の勉強をしてみようと申し込ませていただきました。
 いろいろお話をきいているうちにひとことに砂防といってもとてもむつかしくてまだまだよくわからない事がいっぱいです。
 地殻の変動や風雪により白山は日々少しずつではありますが、変化しています。そこに住む動物や植物はそれをごくふつうに受け入れ今も営みをつづけています。いくら砂防施設の建設が進み、監視カメラや計測機器などがあってもそこに山があり、今回のような大量の雨が降ったり地震などがあれば、それを越える土砂災害が起こるのは自然のことです。
 現に5月中旬にありました、あの別当谷のつり橋崩壊現場を見た時、自然の大きさを知り、こわくなりました。
 白山は美しくその大自然を子々孫々まで残していくことが私達にとって大切な事であり、自然をこわさないという前提のもと砂防事業に関心を持ち続けたいものです。
 この白山登山を通してそういう事に気づいただけも幸せに思いました。




『第4回白山砂防女性特派員研修会(白山登山)に参加して』

 7月20日〜21日、手取川源流域地形の調査研修を目的とした白山登山に参加をした。毎年白山には登っているが、違う目的をもっての登山なので、興味津々でした。当日は、梅雨も明けていなかっとこともあって登山口から雨衣を着用しなければならないあいにくの天候となった。加えて予定されていた中飯場から砂防新道を登って5月の土石流の爪痕、砂防事業を見学するルートも使えず、少々きつい観光新道の登りとなった。登山口の別当出合に新しい吊り橋がほぼ完成、長年甚之助谷で行ってきた砂防工事によって、5月17日の大きな土石流被害を最小限に防いだことは多くの人々の理解を深めたのではないだろうか思った。
 観光新道はガスが多く視界も悪く、足元がぬかるんでいたが、多くの高山植物に慰められ、5時間ほどで室堂に到着した。室堂では就寝前、事務局の方々から新潟・福井の想像を超える記録的集中豪雨の話や、気象のこと、川の堤防の話などがあり、素人の質問に一つ一つ答えてもらい興味深かった。翌日は、出発時降っていた雨も途中から上がり、岐阜県側平瀬道はブナ林が美しくコバルトブルーの白水湖を時折眺めながらの下山となった。平瀬道のカンクラ雪渓のある白水谷は、火山灰が堆積した地形でいまだに土砂が流出する甚之助谷と違って4500年くらい前に崩壊した後は土砂崩れもないという説明で、緑に覆われた安定した地形をみせていた。下山後、帰路は深い谷をつくる尾添川(蛇谷)沿いを通りながら硬い岩盤の地形は大きな砂防事業が必要ないことが見て取れた。
 また、鮎釣り好きの家族の話で同じ白山山系を源流とする手取川と九頭竜川とでは大雨のあと川の水の澄むのが早いのは九頭竜川だと言っていたが、これも地形、地質の違いからだろうかと思った。  悪天候の雨の中ではあったが、特派員の親睦も深まり、全員元気に白山登山が達成できて大変良かった。




『白山登山』

 登山初日は雨と霧がひどくって砂防新道変更観光新道を登山。砂防施設はまったく見る事が出来ませんでした。室堂到着、でも霧と小雨でほとんど外に出れません。  2日目、平瀬道から下山、今日も小雨、霧。下山はかなりきつかった。岐阜県側には砂防施設がほとんどない。何百年も前の地すべりの跡が見える所もある。  尾添川流域はすごく切り立っている。川が合流するあたりからゆるやかになる様子が分かる。
 今回の登山は雨と霧にはばまれたけれど楽しい2日間でした。もう少し砂防施設が見れたら良かったと思いました。




『白山登山から感じたこと』

 今回、私には、はじめての本格的な登山でした。初めの1、2時間くらい、登山道が急で、特に歩きにくく疲れました。このまま、後どのくらいあるのかなあと思っていましたが、半分くらい登った辺りからは、比較的歩きやすく、その後にはお花畑も見られ、最後の方は岩などが多い道で歩きやすく、なんとか登りきることができました。
 私たちが登った観光新道からの登山ルートについて地質図を見てみました。別当出合から始めの方は、崖錐堆積物・崩壊土、「別当崩れ」岩屑なだれ堆積物等の分布になっていました。大昔に、白山が崩れたその上を自分たちは歩いて、息を切らしていたのかと、少しおかしく思いました。殿ヶ池ヒュッテからは、地すべり堆積物、手取層群(砂岩・頁岩互層)、弥陀ヶ原から室堂までは、溶岩・火砕岩、火砕流堆積物の分布となっていました。手取層群は、今から一億年以上も昔に堆積した、礫岩・砂岩・頁岩からなる地層のことで、安定した地盤であるとしたら、自分の登山した時の気分と、白山の地質の成り立ちが類似していたと感じます。  復路、平瀬道は、手取層(砂岩優勢層)、崖錘堆積物・崩積土の分布となっていました。下山の時は、景観もよく白水湖を眺めながら山の尾根を歩いていたかと思うと、所々、ひどく崩れている部分があったりと、自然が残っている地形と感じました。
 帰路、通った白山スーパー林道沿いは、白山の中でも深い急峻な谷が続き、谷の横断面はV字谷になっていて、柱状節理が見られる場所と聞きました。そのため、滝も多く、その滝は岩質の違いから2種類あり、「ふくべの大滝」「しりたかの滝」など垂直落下で流れ落ちるものと、斜面上を広く流れ落ちる「姥ヶ滝」などがあると知りました。また、丸石谷・中ノ川、蛇谷流域は、この白山スーパー林道沿いよりも、さらに急峻で河川の水も濁っていると聞きました。尾添川流域と手取川ダム側では、河川の災害対策についても違い、尾添川流域では土砂を流す対策、手取川ダム側では土砂を止める対策を行っているそうです。  普段、私は日本海側、手取川の下流で生活しているため、その様な方向から白山を見ることが多く、どうしてもこれが白山の顔と思っていました。その頂上、その裏側がどうなっているのか、あまり考えたこともありませんでした。福井県側、岐阜県側など様々な方向から、また山にもっと近づいた時の景観の違いや尾添川流域と手取川ダム側での河川の違いを知ることから、いつも見ている山と川だけが白山なのではないと、感じるようになりました。




『第4回研修会 白山登山に参加をして』

 第4回目の研修は7月20日、21日「白山登山」でした。今回のテーマは石川県側と岐阜県側の地形を勉強することで、観光新道登りで平瀬道下りでした。 私は石川県解説員研究会に所属をしている関係で室堂での解説活動の後に合流となりました。7/17〜18日にかけての大雨による大雨洪水警報また白峰〜市ノ瀬間の通行止め、福井での川の決壊など6月の土石流の時を思い出すような天候に実施する側の方はとても大変だったと思います。
 6月の土石流に始まり今年の夏は例年になくお天道様の虫の居所の悪い厳しい天候だったように感じています。それでも白山の上では例年通り高山植物はいっせいに咲きそろい、お花を目当てに全国から来てくださったお客様でいっぱいでした。砂防新道が通行止めにもかかわらず・・・です。
 当日は皆さんの登ってくるのを今か今かと待っていました。雨の中登ってきた皆さんの顔は満足度120%の笑顔でこちらまでうれしくなりました。 登りの話は聞けませんでしたが下りの岐阜県側の山の形、崩壊の度合などを比べてみますと石川県側の崩壊がひどいように感じました・・がなぜでしょう? 歩きながら色々話をしてくださるんですが、あまり理解は出来ませんでした。細い登山道で歩くので精一杯のところがあり又まえと後ろには届かないですし・・・。形だけの研修会でしたらそれでも良いんですが・・・。
いつも思うんですが研修会のテーマに対して見てどう感じるかも大切ですが、予備知識としてのレジメを作るとか又事後学習をするとかしてほしいと思います。私のような理解するのが遅い者は感想を書けといわれても何も書けません。・・・というのが本音です。私自身の資質に問題があるのかもしれません。 一期の方たちは仕事との関係での参加が多いように思いますのできっと理解がしやすいんでしょうね。話を聞いていても役所とのつながりがとても太いように感じます。場違いの参加に思える時があります。
砂防に対しての良い点ばかりを目につかせるような勉強ではなくて色々な面から、またいろいろな考えかたを尊重できるような勉強がしたいと思っています。「自然は私達のものだけではない」ということを心の隅におきながら今後の研修に参加をしたいと思います。
ありがとうございました。




『室堂への上り下り』

 予定はあくまでも予定であるという実証そのものの白山登山日となってしまった。視界10m前後。雨。風。霧の中。ただ、ただ前へと進む山道歩き。雨と汗で湯立った身体。
 白山砂防科学館の出している「超ワイド白山 どこを歩く? なにを楽しむ?」の写真にある砂防風景が眺められない最悪の登山。(昨年の人達は写真で見る限りでは可能だったみたい。)
 初めての観光新道を楽しむ気にもなれない。余裕のない山道歩き、室堂でもなにも見えなくて楽しみもなくただ乾燥室通いと身体を休憩させることのみで終わる。  天候がはっきりしない下りを平瀬道にとって朝8時出発。  白水湖が眺められるようになって雨も上がり雨後の道を下ること計5時間大白川着、親友からの「ひるがの牛乳」のおいしかったこと。出迎えに大感激大感謝。その日からピノキオ歩きをしながら5日間、遠い日の出来事のような感じになっている。
 岐阜県側は急傾斜の山々が重なり合って白山山系へと続いている様に思った。大白川への道はいくつも細い尾根を歩いたしそこには地滑りが起きていた。近い将来尾根が切断される可能性があるのではと不安感を持つ。自然は刻々と変化していく。人間の時間概念を越えた次元でである。
 雨の中の岐阜から石川へのスーパー林道、初めてのコース体験でした。  この深い山々の林道を切りきざんでまで作る必要性があった道なのだろうか?もちろん紅葉も新緑も枯山水の景色も美しいけれどもである。川々を集めて流れる蛇谷川の岩肌と滝の数々、眺めるにはすばらしいと思う。だが―――。砂防新道から登り大規模土石流の残した姿を観察したいという望みを果たすことが出来ずの残念な2日間になってしまいましたが名山白山の世界遺産の声が実現される日を祈念します。




 『白山登山報告書』

 石川県側から見る山の崩落後や崖くずれと岐阜県側から見るそれを実際状況を目でみて掴んだり、納得する研修だったと思う。
 登山初日(7月22日)はあいにく雨とガスが濃く予定の砂防新道からは危険も有り、急遽観光新道に変更。ガイドさんもベテランのようで安心した。先だっての台風の集中豪雨(5月17日)被害別当谷土石流による天狗橋(吊り橋)流出現場を登山口のところから見る。結構高い位置の吊り橋だったのに、アレを流したのだから大変なものだったろう。年中砂防工事をやっていても大自然には一溜まりもない。4月の白山砂防科学館の模型ですが、土石流流失実験を思い出す。これで砂防堰堤群がなかったらどんな大きな被害になっただろうか。ぞっとする。これまでなんの関心もなかったが特派員になり大きく関心を持つようになったのは確かだ。観光新道から砂防新道の覗き当たりガスの中だったが、土砂の崩れがよくわかる。  天候は殿ヶ池ヒュッテ過ぎた頃から晴れだしお花畑は、ニッコーキスゲ、松虫草、母子草、みやばきんばい、あざみ、からいと草、など、等、高山植物が咲き乱れひとときを楽しませてくれた。室道もガスの中、でもくろゆりは今が一番といった感じで可憐に咲き乱れて私を満足させてくれた。就寝の間のちょっとした時間職員の方々と交流出来、傍目で見るより大変な仕事なんだと改めて知る。新潟三条市の洪水、福井市の洪水の話題から広がり中国出張の体験談と国際的になり、面白く、楽しかった。
 翌日、岐阜県側に下る。手取川の源流とでも言える川で喉も潤し白川ダムを眼下に大白川へ下山岐阜県側の斜面は崩れが少ない。
 それは、帰りのバスから尾添川との合流点ではっきり分かった。流れる水の色が全然違う尾添川は濁った茶色だ。考えてみれば当たり前かもしれないが、こんなに違うのか、これだけ石川側は戦いがあるのだ。手取川の戦いはずっと昔からというのに妙に納得した。
 帰りのお風呂は少々狭かったがお湯は良かったし、昼食事はとっても良かったです。大変楽しく、大白川の方へはなかなか下山出来ないので、とてもよかったです。しかも全員元気に下山できたことが何よりでした。お世話いただいた皆様細かなところまで配慮していただき、本当にありがとうございました。深くお礼申し上げます。