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第2回鶴来緑化懇談会

2.指摘事項

5 植栽樹種の検討

1)自然植生の確認

 下図の原植生を参考にしながら、石川県植生誌(1997)を引用し県内平野部の主な自然植生を確認すると以下の通りである。

・タブ林(イノデ−タブノキ群集)

標高50mまでの海岸に近い斜面や土壌の発達した水分の多い沖積地に分布し、冬の季節風を強く受ける風背側に「オニヤブソテツ亜群集」と風衝側に「ケヤキ亜群集」がある。

「オニヤブソテツ亜群集」
高木層:タブノキ
亜高木層:ヤブツバキが優占し、モチノキ、シロダモ、ヤブニッケイなど
低木層:ヒメアオキ、トべラなど
「ケヤキ亜群集」にはケヤキ、ヒサカキなどが含まれる。

・シイ林(ヤブコウジ−スダジイ群集)

ヤブコウジ−スダジイ群集
ヤブコウジ−スダジイ群集
(羽咋市気多大社社叢林)

標高0〜200mの沿岸部丘陵地が分布域となっている。比較的土壌が堆積した斜面の下部に「モチノキ亜群集」、乾燥した尾根筋に「アカガシ亜群集」がみられる。

代表的な羽咋市気多神社(モチノキ亜群集)の樹木
高木層:スダジイ、タブノキ
亜高木層:ヤブツバキ、ヤブニッケイ、モチノキ、ネズミモチ、ヒサカキ、シロダモなど
低木層:ヤブニッケイ、シロダモ、ヒメアオキ、ヤツデ、ヒサカキなど

・ウラジロガシ林(ヒメアオキ−ウラジロガシ群集)

標高40〜250mがおおよその植生域で、ヤブコウジ−スダジイ群集より高いところにある。代表的なのは金剣宮の社叢林。

高木層、亜高木層:ウラジロガシ、ヤブツバキ
低木層:ヒメアオキ、ヤブツバキが優占し、チャボガヤ、ハイイヌガヤ、シロダモ、ムラサキシキブ、コシアブラ、コバノガマズミ、クワミズザクラなどが混生
■原植生図

※「原植生」とは、人間活動が開始される以前の植生。「石川県原植生図」(里見編(1995)から引用)

里見編(1995)から引用
名称を一部変更



●ヤブツバキクラス域
シイ林(スダジイ-ヤブコウジ群集)
タブ林(タブ-イノデ群集、オニヤブソテツ群集)
タブ林(タブ-イノデ群集、ケヤキ亜群集)
ウラジロガシ林(ウラジロガシ-ヒメアオキ群集、モミ亜群集)
ウラジロガシ林(ウラジロガシ-ヒメアオキ群集、ケヤキ亜群集)
ケヤキ林
クロマツ林
ヨシ群落
ツルヨシ群落
砂浜植物群落(ハマグルマ-コウボウムギ群集)
砂浜植物群落(チガヤ-ハマゴウ群集)
●ミズナラ-ブナクラス域
ブナ林(ブナ-チシマザサ群集)
サワグルミ林(サワグルミ-ジュウモンジシダ群集)
山地高茎草原(ヤマヨモギ-クロバナヒキオコシ群集)
ヒメコマツ-クロベ林(クロベ-シャクナゲ群集)
●亜高山帯
チシマザサ低木林
ダケカンバーブナ林
ダケカンバ林
ダケカンバ-オオシラビソ林
オオシラビソ林
ミヤマハンノキ低木林
●高山帯
高山高茎草原
ハイマツ低木林(ハイマツ-コケモモ群集)
雪田植物群
ガンコウランハイデ
アオノツガザクラ群落

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