金沢河川国道事務所

 第2回活動--令和5年6月1日(木)

 第2回活動は、土砂災害防止広報キャラバンの出発式を、金沢河川国道事務所長及び石川県土木部長出席のもと、県庁前で行いました。
 次に、香林坊大和前へ移動し、一般の方に土砂災害に対する注意の呼びかけとビラ配りを行いました。
 その後、キャラバン隊長の2名は白山市役所や鶴来支所・各市民サービスセンター(吉野谷、尾口、白峰、鳥越、河内)へ土砂災害の防止に関する広報キャラバンに出発しました。
 キャラバン隊長以外の特派員は、手取川および海岸(美川工区・松任工区)の工事完了現場の見学を通じ、河川・砂防・海岸の流域としての繋がりを学びました。

★参加人数★
  8名

★現場見学箇所メモ★

《旧加賀一ノ宮駅》 七ヶ用水と手取川
 七ヶ用水は、富樫、郷、中村、山島、大慶寺、中島、新砂川の七つの用水が合併したもので、明治36年に設立された。農業用水だけでなく、発電・防火用水・融雪用水などにも利用されている。
 旧加賀一ノ宮駅には、七ヶ用水合口事業に伴い築造された「大水門」や、大水門の開閉や取水水量の調節などの管理施設としての機能を果たす「白山管理センター」などが隣接する。

《川北大橋付近工事現場》 河川の側方侵食対策
 河川は水の流れによって自然に蛇行する形状をとり、侵食されやすい箇所が常時変化する。
 侵食され、堤防が決壊することを防ぐため、弱部となる箇所についてはコンクリートによる補強を実施している。

《辰口橋付近》 S9氾濫箇所および霞堤
 昭和9年に発生した手取川大洪水では、手取川下流域の広い範囲で河川の氾濫被害が生じた。
 現在では、河川氾濫対策として「霞堤」が築堤されており、霞堤の開口部から氾濫流を河道に戻すことにより、被害の軽減を図っている。

《石川ルーツ交流館》 石川県のルーツ
 石川ルーツ交流館は、明治初期に県庁が置かれていた旧美川町の様子や白山手取川世界ジオパークについて紹介する総合学習施設である。
 石川県の名前のルーツは石川郡美川町の「石川」という郡名に由来している。

《美川工区》 人工リーフ
 海岸堤防や消波工といった従来の工法で砂浜の回復等を図ってきたが、景観や砂浜へのアクセスのしやすさに配慮し、海岸堤防を緩傾斜堤に改築、消波工を人工リーフに転換することでよりよい海岸環境の創出を図っている。

《松任工区》 松任C.C.Z
 昭和62年度に全国で先駆けて海辺のふれあいゾーン整備計画(C.C.Z整備計画※)の認定を受け、親しみやすい海辺づくりを目指した海岸保全施設の整備を行っている。

※C.C.Z:コースタル・コミュニティー・ゾーンの略。国土の整備・保全を図るとともに、人々が海と親しみ、集い憩える海浜地域を整備することを目的とした事業。


  • 土砂災害防止広報キャラバン
 
キャラバン隊出発式
 
答礼をするキャラバン隊長(左)とキャラバン隊出発(右)
 
 
 
街頭広報活動(金沢市香林坊)
 
 白山市役所・鶴来支所・市民サービスセンター訪問

  • 現場見学
七ヶ用水(左)と大水門(右)について解説を受ける特派員
 
河川整備(左)と霞堤(右)について解説を受ける特派員
 
美川工区(左)と松任工区(右)にて解説を受ける特派員
  
活動報告  女性特派員の代表的な感想
     
【M.K】
 県庁前で土砂災害防止広報キャラバンの出発式では私たち砂防女子代表二名のキャラバン隊長の力強い宣言はとても素晴らしかったです。
 その後私たちは香林坊に移り災害に対する注意を呼びかけビラを配りました。ビラを受け取る人が多く災害に気を付けることに理解をもっている人が多いなと感じました。
 その後、私たちは暴れ川であった手取川、手取川扇状地の扇頂部(鶴来町、古宮公園)から扇端(美川町、松任CCZ)へと砂防について説明を聞きながら車移動で下っていきました。歴史上の信玄堤に興味があり、霞提は以前から気になっていた場所でゆっくり見ることが出来て良かったです。昔から水害に悩まされて水害対策が行われていたのを実感しました。
 松任海岸公園には護岸提と人工リーフの二種類があることを初めて知りました。高波に対する防護機能があると知りました。
     
【A.K】
 6月1日から30日は土砂災害防止月間ということで土砂災害防止広報キャラバン出発式に参加させていただきました。出発式では白山砂防女性特派員一日隊長のお二方の答礼を聞き身の引き締まる思いになりました。その後香林坊大和前にて土砂災害についてのチラシを配布させていただきました。近年では地球温暖化による気候変動によりいつ起こってもおかしくない土砂災害について知ってほしい、日頃の備えや早めの避難の重要性、土砂災害の前兆現象をひとつでもわかってほしいとの思いで学生の方やご年配の方などに声をかけさせていただきました。
 その後は七ヶ用水、手取川流域、美川港近く、松任CCZへと順番に移動し河川空間の利用や整備について学ばせていただきました。
 河川空間を広場や田畑などにし地元住民が利用できるように整備されており土砂災害から流域住民を守るだけでなく、住民の楽しみへとつながるような整備の工夫に感心するばかりでした。
 本日は気候も良く楽しく学ばせていただきありがとうございました。
 
【T.S】
 6月は、国土交通省が定めた「土砂災害防止月間」です。
 今回の白山砂防女性特派員の任務は、土砂災害防止や被害の軽減を目的としたPR活動「土砂災害防止広報キャラバン」に参加すること。コロナで休止もありましたが、ようやくフル稼働できました。
 今回私は、キャラバン隊長を務めさせてもらいました。まず、石川県庁前での出発式で、キャラバン出発に向けての宣誓を行いました。緊張はあまりなく、むしろ思いきり声をだせたせいかスッキリして、その後の活動もスムーズに取り組めたように思います。
 キャラバン隊はそのあと、香林坊アトリオ前に移動してチラシ配りをしました。平日の昼前は人通りもそう多くはありませんでしたが、立ち止まって聞いてくれたり、頷いてくれる方もいて、やりがいを感じました。
 午後は、白山市役所で再び宣誓をしたあと、市内の各支所をまわり防災広報の協力をお願いしました。初めての経験ばかりでしたが、充実した一日を過ごすことができました。
 今回の活動で思い出されるのは昨年8月の豪雨災害です。白山麓にも多くの傷跡が残りました。土砂災害の危険はいつも身近にあること。日頃の備えを怠らず、もしものときは早めの避難を心掛ける意識、それが自分の身を守るのだということをこの機会に思い出してもらいたいです。
     
【T.N】
 第2回活動は土砂災害防止広報キャラバンでした。キャラバンは、「土砂災害に対する県民の理解と関心を深めるため、県内を広報車で巡回し、土砂災害による人命、財産の被害の防止に資することを目的とする」ということで、土砂災害を自分事として受け止める注意喚起のためのキャラバンだと、私は受け止めています。
 県庁でのキャラバン出発式の後、香林坊大和前にチラシ等の配布による広報活動を行いました。その後もキャラバン隊長は、午後まで役場や市民サービスセンター等を回って防災広報活動を行います。
 今回、私は県庁での出発式と香林坊大和前の広報活動に参加しました。出発式には、金沢河川国道事務所の職員さん、私たち女性特派員以外にもたくさんの県・市の機関の方や防災士、山地防災ヘルパーの方などが参加されていました。
 がけ地対策室や山地防災ヘルパーなど、私は初めてそういう部署、団体があることを知りました。県内にはさまざまな視点から、業務やボランティアの一環として防災に携わる部署や団体があり、土砂災害防止や農地・林地防災のために協力していることを実感しました。
 自分事として捉えると言いながら、私自身も、近所でそうそうすぐに土砂崩れなんか起こらないんじゃないかと、日常の平穏を過信してしまうときがあります。しかし、土砂崩れが起こるような危険性が高い、激しい雨のときは、土砂崩れだけではない危険も身近に多々あるので(マンホールからの水の噴出や道路の冠水なども)、改めて防災月間であることを、自分事として過ごすことを意識しようと思いました。
 お昼前までの香林坊大和前のチラシ等の配布は、バス待ちの学生さんの世代(当日は、高校総体期間だったので、午前下校の学生さんたちが多かった)にはなかなかPRできず、通行人のどういう層にお声がけするか少し迷いました。
 「土砂災害だって」とつぶやいた高校生数人にチラシだけお渡ししたのですが、災害についてちょうど学校で取り扱ったところだと言っていました。小学生は、遠足や課外学習で白山砂防科学館に来ることもありますが、なかなか中学生や高校生に向けて砂防をPRする機会はないですが、興味を持っている子は必ずいると思うので、今後、何かしらPRする場があったらいいのになと思います。
 一般の方も快くチラシを受け取ってくださったり、興味を示してくださる方もおられましたが、「土砂災害防止月間のご案内です」と言うこちらも噛みそうだし、受け取ってくださる方も、すぐに土砂災害防止というのがすぐぴんと来ないようでした。感染症で中断時期を経て、今後地道にPR活動を継続的に続けていくことが大切なんだろうと思います。
 梅雨の時期は年間を通して見ても土砂災害の可能性が高い時期だということは、県庁のご挨拶でも聞きましたが、まさにキャラバンの夜から雨が降り出し、翌日にかけて降り続き、大雨警報や土砂災害警戒情報も発令されていました。自分自身も、チラシを受け取られた方々も、この雨は土砂災害を起こすかもしれない、災害から自分の命を守るために何をすればいいかということを少しでも考えるきっかけになればと思います。

【S.N】
 都合により午後の部、鶴来町〜美川町(手取川扇頂〜河口)に参加しました。
 道の駅の対岸には七ヶ用水大水門、安久濤ヶ淵、白山神社古宮跡の公園には枝権兵衛さんの顕彰碑もあり、とても興味深く思いました。
 その後、左岸堤防から辰口大橋を渡り右岸堤防へ。橋を渡って直ぐの所から見える白山は絶景でした。二重堤防(霞堤)の付近には水辺プラザ(左岸)、運動広場(右岸)があり共に桜を植栽してあります。桜が枯れ始めたときに堤防の強度が落ちるのではないのかな?素人目に気掛かりになりました。
 工事中の現場にある巨大な消波ブロック、海岸にあるものに負けない程の大きさに驚くと同時に護岸工事の大変さを思いました。
 手取川大橋辺りでは川底が高く、これまた気掛かりです。
 白山眺望と水辺の景観を楽しみながらの研修会、ありがとうございました。

【Y.B】
 6月の土砂災害防止月間を、県民の理解と関心を深めるためのキャラバン隊の一日隊長として本活動に参加しました。
 天気も良く、県庁の正面の広場は暑く感じました。出発式の式典が始まり、やや緊張した空気の中、激励の言葉に対する答礼を行いました。その後すぐに車に乗り込み、キャラバン隊の車3台が、最初の広報活動場所の金沢市の中心部、香林坊に出発しました。
  香林坊では、一般の方へ声掛けしながら、啓発のチラシと粗品のタオルを手渡し。デパートから出てくる中高年の女性や、バスを待つ高齢男性を中心に、幟旗を片手に積極的に活動する。耳を傾けてくれる方や、質問をしてくれる方、ハザードマップを見直しておくわね、と言ってくれる方もいて、土砂災害については結構意識が高いのでは?と思う節があった。粗品のタオルも豪華で○!観光している外国人には、突っ込まれたら答えられないのでなかなか声を掛けづらかった。街頭での声掛けは、タイミングが一番難しかったように感じた。
 その後、昼食後、白山市役所へ。市役所玄関にて、今から白山市内の支所に出向く旨伝え、すぐに出発。それぞれの支所への道中、車窓から眺める白山市の自然は、本当に美しく豊かに見えたのだが、ふと山肌を見ると、土砂崩れの爪痕が残っていたりする。自然との共存とは・・土砂災害防止を訴えに出掛けているせいもあり、考えさせられた。無事に全行程を終了し、本日のキャラバン隊長の任務が解かれました。石川県の土木課の方々は翌日以降も県内を回られるとのこと、最近頻繁に起きる地震で不安な能登地方、土砂災害防止月間の呼びかけをするのも、大切な仕事だと思いました。どうか、大きな災害が起きませんようにと、祈るばかりです。

【A.Y】
 数年ぶりに参加した「土砂災害防止広報」。この広報活動を通して、たくさんの方々に土砂災害の危険性と命を守るための行動を知ってほしいと思いました。「日頃の備え」と「早めの避難」。何度も聞いている内容ですが、改めてパンフレットを読み返し、自分自身も、自分の命は自分で守るようにしたいと思いました。
 午後からは手取川下流〜松任海岸までを見学しました。
 まずは、鶴来「旧加賀一ノ宮駅」に。金名線、白山比盗_社のお話からはじまり、七ヶ用水の給水口についても詳しく教えていただきました。明治時代に造られたものが現在も使用されており驚きました。
 その後、手取川の河口に向かって進むと見えてきたのが河川横の道路に書かれた謎の数字。上空から、河口から何メートルと確認できるように書かれていると初めて知りました。
 美川海岸では、堤防や消波堤から人工リーフへの転換事業が行われており、安全安心だけでなく、美しい砂浜の創生を図っていることを知りました。とても内容の濃い1日でした。ありがとうございました。

【S.Y】
 県庁での土砂災害防止広報キャラバンの出発式に初めて参加しました。金沢河川国道事務所長、県土木部長出席のもと、また土地改良連合会や県森林組合連合会をはじめ多くの方々との出発式は緊張しました。ヘルメットを被り整列した時気持ちが引き締まりました。
 その後香林坊に移動し土砂災害の注意喚起の声掛けとビラ配りをしました。ビラ配りをしたのは初めてであり、見知らぬ人に声かけするのは勇気がいりました。声をかけても足早に行く方が多く、ビラも配ることができず、自信を無くした時もありました。何かコツはあるのかな、周りの人はどうやって配っているのだろうと考えながら配りました。
 うまく配れなかった時、一人の女性が立ち止まって私たちの話に耳を傾けてくださいました。「土砂災害は怖いね。私は千葉に住んでいたけど地震があって怖かった」と言われました。一人でも土砂災害の怖さや関心を持ってもらえたことが嬉しかったです。ビラを受け取ってもらえなかった方も私たちが土砂災害のことを口にしたり、ビラ配りした広報活動を気に留めてもらえたらいいなと思いました。
 私は仕事の都合で午前までの活動だったのですが、午後からの七ヶ用水や美川工区・松任工区の工事現場見学も素晴らしい学びがあっただろうと思いました。次回また機会がありましたら是非見学したいです。キャラバン隊の方々も一日、白山市役所や各市民サービスセンターへ広報活動をしてお疲れ様でした。一人でも多くの方に土砂災害や砂防のことを認知する良いきっかけになったと思います。
 今回はキャラバン隊の出発式と香林坊での広報活動は日常では体験できない貴重な機会となりました。また来年も機会があったら是非活動したいと思いました。