金沢河川国道事務所

第5回活動--令和元年9月20日(金)

 第5回活動は、牛首川流域で行われている砂防事業の現場見学をしました。
 秋の足音が少し近づく、清々しいお天気の中、市ノ瀬砂防堰堤、赤岩砂防堰堤、柳谷中流砂防堰堤、甚之助谷地すべり排水トンネル等を見学しました。
 また、既設の集排水ボーリングを、高圧水で洗浄する工事の見学もしました。

★参加人数★
   7名

★白山砂防施設メモ★

《市ノ瀬砂防堰堤》
 昭和29年完成の市ノ瀬砂防堰堤は、老朽化や石積みの損傷が著しいため、堰堤下流側への厚さ1.5mのコンクリート腹付及びアンカー工による改築により、堰堤の機能保全と強化を図っています。
 土石流や大規模土砂流出を抑制し、白峰集落や迂回路のない県道白山公園線などの保全対象を土砂災害から守ります。

《赤岩砂防堰堤群》
 平成9年の手取川大水害では市ノ瀬地区において高さ50〜60mの天然ダムが形成され、下流の白峰地区等に甚大な被害をもたらしました。大規模な土砂流出への対策として、赤岩砂防堰堤群(3基)のスリット化への改築を行い、土砂調節機能の強化を図っています。
 大規模な土砂流出を抑制し、白峰集落や迂回路のない県道白山公園線などの保全対象を土砂災害から守ります。

《柳谷中流砂防堰堤群》
 
牛首川上流の柳谷は、渓岸の崩壊及び侵食が著しく、河床には土石流などによる土砂が堆積し、既設堰堤の一部は損傷しています。柳谷中流部において4基の砂防堰堤(第33〜36号)を整備し、渓岸の侵食や河床の不安定土砂の流出を防止するとともに、土石流を捕捉、減勢します。
 年間5万人が訪れる白山登山の拠点である、別当出合の登山施設及び下流の白峰集落等を土砂災害から守ります。

 
    ★白峰砂防出張所管内(市ノ瀬砂防堰堤改築工事)現場見学★


★白峰砂防出張所管内(赤岩砂防堰堤群改築工事)現場見学★

 
工事概要説明を聞きます。
歴史ある既設砂防堰堤と、最新の技術の新旧が確認できます。


★白峰砂防出張所管内(赤岩砂防堰堤群改築工事)現場見学★
ドローンを使用した3次元測量の実演を見学しました。着地もぴったり。
レーザースキャナーによる出来形管理を確認します。
最新の技術にびっくりする特派員。



★白峰砂防出張所管内(柳谷導流落差工)現場見学★

市ノ瀬休憩所にて昼食。

 
 柳谷砂防堰堤群を見学。 
 

★白峰砂防出張所管内(甚之助谷地すべり排水トンネル)現場見学★


 
排水トンネルの中に入りました 。
  
 
集排水ボーリングの洗浄について、実演を見学しました。

 水の迫力に歓声が上がります。 
活動報告

小林】【山口(敬)】【山岸】【國田】【餅井

小林
 秋晴れの素晴らしい日。まだまだ紅葉には早かったが、市ノ瀬堰堤を近くに見れました。昭和26〜29年にかけて完成した堰堤の老朽化の強化工事。1.5mの石積模様のコンクリートを貼り付け、30mほどの長さのアンカーを100tの力で引っ張り止める。そのポケットのようなものが、沢山取り付けられていた。これで50年位、保たれるとのお話。自然の力に耐えて下さい。
 赤岩砂防堰堤では、ICT施工。ドローンを飛ばし、30倍にも写る映像を見させて頂きました。使い方でいろいろなことに利用できる。人間がやれば、沢山の時間、労力が必要な測量を正確にできる。人が行けないところを見ることも難なくやれる。なんと素晴らしい。
 甚之助谷地すべり排水トンネルの内部を見せてもらい、ビックリ。円形のトンネルが歪み、足場も崩れ、バクテリアが酸素に触れ、茶色くなっている。それが詰まっているところがあり、その掃除の仕方を見せてもらいました。管の先にいろんな方向に飛ぶ、穴を開けたノズルを変えながら、水圧を増してゆく。虹も架かりきれいでした。うまく成功してほしいです。
 いつも現場の皆様、ご苦労様です。
 
山口(敬)
 今回の活動は、白峰砂防出張所管内工事箇所の見学で、牛首川流域を上流にたどりました。午前中は、市ノ瀬砂防堰堤、赤岩砂防堰堤を見学しました。以前にも行った事があったので、その進捗状況や別の箇所の工事だったりと、比較できたのも大変勉強になりました。
 その中で、昭和の時代に造られた石を切り出しての歴史ある美しい堰堤が、老朽化に伴いリニューアルされて、今後は見られなくなるとのことで残念に思いました。
 又、測量は、今はドローンを活用しているとのことで、実際に目の前で飛ばして頂き、その威力を体感しました。
 午後は、中飯場の柳谷導入落差工の所を、ほぼ直下近くで見れたのは圧巻でした。いつもは砂防新道の登山道から、遠くに不動滝を一緒に見ていたので、丸い円筒型の型枠にも触れ、さらに、甚之助谷の川の流れの色までも直下に見れて(女性特派員の特権かな?!)良かったです。
 甚之助谷地すべり排水トンネルにも入って見学しましたが、地すべりの影響を受けているのを見て、地すべりの深刻さがわかり、施設の維持が簡単ではないことを実感しました。

山岸
 今回の活動は天候にも恵まれ、多くの現場に行き、いろんな技術を間近で見学することができました。
 まず、市ノ瀬砂防堰堤改築工事でのグラウンドアンカー工には、驚かされました。既存堰堤の強度を出すには、上流側に非常に厚い腹付けコンクリート(この場合既設の副堰堤までの距離が近すぎるため無理がある)を施工するか、そういう状況の中グラウンドアンカーを挿入し、100tの力で引っ張った状態を維持して堰堤の強度を高める、一体、この工法はどんな風にして考え出されたのでしょうか?!専門家の方達は、すごい工法を編み出すものだと関心させられました。
 挿入されたグラウンドアンカーは、50年はもつという話でしたが、それを脅かすような土石流が発生しないことを祈りたいと思います。
 次に印象に残ったのは、甚之助谷地すべり対策工事の排水パイプの洗浄工です。
 パイプは多少錆びることはあっても、パイプの中があんなに不純物で埋まっているとは思ってもいませんでした。そして、その洗浄を専門に行う業者さんがいることも知りませんでした。逆に考えれば、専門業者さんがいることはそれだけ排水パイプが詰まることがあるということです。パイプを傷つけないように、パイプに空いている穴自体や外側も洗浄出来るよう、水圧・水の出る角度・水の出る方向などを変えながら洗浄していく技術はすごいと思いました。
 通常は排水トンネルの中で行われている作業を、外の明るい場所で見るという貴重な体験をさせて頂きました。現場の施工で忙しい中、わざわざセッティングして頂き、どうもありがとうございました。
 今回も盛りだくさんの活動で、充実して時間を過ごさせて頂き、感謝しております。
 今後の活動にいかしていかなければと思いました。

國田
 前回活動では、万才谷排水トンネル工事の状況を見学し、高地での凄い工事に驚かされた。今回見た甚之助谷の地すべり排水トンネルは、老朽化し詰まりかけた配水管、すっきり排水しきれない
集水井、今後復旧するための作業が計画されているところだった。数年前に見学したトンネルとは随分様相が変わり、そのことで、山の動きが想像出来るようだった。地すべりという動きとのエンドレスな取り組みに挑む工事だった。専門の技術者による詰まった排水管の修復がまさに行わようとしていた。
 市ノ瀬砂防堰堤では、既設の砂防堰堤をありのままの様相で残す事に配慮しながらの機能保全と強化が行われていた。空中幅広くに泥柳の綿毛が舞うその中で受ける説明は、現実の世界とかけ離れた感覚でありながらもリアルな現実に心が躍った。
 歴史的砂防堰堤は、実際に見ることで評価が納得できた。今年度の事業計画について実地箇所に出向いて担当の方々に説明を聞いたり、実際に測量するドローン空撮情景を見学するなど、盛沢山な中身の濃い研修だった。ありがとうございました。

餅井
 工事現場に到着すると、ケサランパサランのようなふわふわした乳白色のものが、優しく舞っていました。一体この浮遊物体は何だろうと訪ねましたら、泥の木の種子とのこと。とってもロマンチックなシチュエーションでした。
 工事現場内でのドローンの飛行を見せて頂き、コントローラーであっという間に上空へと飛んでいき、下界の様子が一目で解る状況に、砂防堰堤の状況が即把握出来て、さぞかし工事がスムーズになるだろなと思いました。
 甚之助谷地すべり現場では、排水トンネルに溜まっているきれいな色(スカーレットカラー風)の水は、バクテリアが酸化したとの事。驚きでした。
 排水トンネル見学の後では、外に出て、ホースをつないでのシャワーショー等があり、山中でのシャワーに映し出された、小さなレインボーの一コマは、忘れる事の出来ない感動になりました。
 ありがとうございました。