金沢河川国道事務所

 第3回活動--令和6年6月3日(月)

 第3回の活動は、早朝に起こった能登地方の地震(震度5強)により、午前の土砂災害防止広報キャラバン出発式と香林坊大和前のビラ配りは中止となりました。
 午後からは、土砂災害防止広報キャラバンとして、白山市役所や鶴来支所・各市民サービスセンター(吉野谷、尾口、白峰、鳥越、河内)へ、特派員(キャラバン隊長)の2名が訪問しました。
 キャラバン隊長以外の特派員は、手取川および海岸(美川工区・松任工区)の施工中または整備された現場を通じ、砂防・ダム・河川・海岸の治水事業の必要性を学びました。

★参加人数★
  6名

★現場見学箇所メモ★

《手取川十八河原公園》 自然再生事業
 昔の手取川は、広大な石の河原が広がっていたが、手取川ダムの完成や砂利採取などにより、一部区間で岩盤が露出していた。
 手取川扇状地の特性を踏まえ、バランスのとれた河川環境の保全が図られるよう配慮しつつ、石川県の由来となった手取川の原風景である石の河原の復元に取り組んでいる。

《川北大橋付近》 急流河川対策
 河川は水の流れによって自然に蛇行する形状をとり、侵食されやすい箇所が常時変化する。
 侵食され、堤防が決壊することを防ぐため、弱部となる箇所については、盛土による補強(前腹付け盛土工)を実施している。

《西川・熊田川合流点処理》 樋門設置工事
 西川と熊田川は、手取川と海岸砂丘に囲まれた低平地形に位置するため、手取川の水位が上昇すると自然排水が困難となり、合流点付近では過去に何度も内水による浸水被害が発生している。  また、合流部が閉じていないことから、計画規模の洪水が発生した場合には浸水被害が発生する恐れがある。
 手取川からの外水氾濫を防止するため、西川と熊田川に樋門を設置する工事を実施している。

《美川工区》 人工リーフ
 海岸堤防や消波工といった従来の工法で砂浜の回復等を図ってきたが、景観や砂浜へのアクセスのしやすさに配慮し、海岸堤防を緩傾斜堤に改築、消波工を人工リーフに転換することでよりよい海岸環境の創出を図っている。

《松任工区》 松任C.C.Z
 昭和62年度に全国で先駆けて海辺のふれあいゾーン整備計画(C.C.Z整備計画※)の認定を受け、親しみやすい海辺づくりを目指した海岸保全施設の整備を行っている。

※C.C.Z:コースタル・コミュニティー・ゾーンの略。国土の整備・保全を図るとともに、人々が海と親しみ、集い憩える海浜地域を整備することを目的とした事業。


  • 土砂災害防止広報キャラバン
 
 白山市役所(左)・鶴来支所(右)・市民サービスセンター訪問

  • 現場見学
手取川十八河原公園について解説を受ける特派員
 
河川整備について解説を受ける特派員
 
美川工区(左)と松任工区(右)にて解説を受ける特派員
  
活動報告  女性特派員の代表的な感想
【Y.B】
6月の土砂災害防止月間に行う広報キャラバン出発式。昨年は、この行事に、広報キャラバン一日隊長として参加させていただいた。 今年は、当日の朝に緊急地震速報が鳴り響き、そして震度3の地震が発生した。能登の方では震度も大きく、傾いた家屋が倒壊してしまったという報道も聞いた。 私自身は、その日キャラバン隊には出席せずに、昨年行けなかった手取川河口の事業の見学に参加予定だったので、予定変更はなかったが、朝から準備していた担当部署の方々は少々戸惑ったことと思う。 予定通り、昼過ぎに皆さんと合流して、一緒に研修活動ができた。最初に行った、手取川十八河原公園はよく通っているので、馴染みがあるが、知らないことが多くあり驚いた。 自然再生事業として、人工的に自然復元、再生していたとは。実際に河原に降りてみると、石が横一列に並んでいて鎖や鉄骨で固定してあるのを見ることができた。 次に訪れた、三反田地区急流河川対策では、アキグミと、絶滅危惧種のクロツヤヒゲナガコバネカミキリの関係、それを保全する事業について教えていただいた。 手取川沿いの堤防道路は、サイクリングを趣味としている私は、何度も通ったことがあり、川を眺め、風に向かったり、背を押されたりしながら楽しんでいるのだが、何も考えずにただペダルを漕いでいたのが恥ずかしいほどだ。 その後に行った、西川・熊田川樋門工事現場も、川沿いのサイクリングの終盤で通る場所で、何の工事をしているのだろうという疑問はいつもあったが、今回の研修で、そういうことだったのか!と知ることができた。 門柱レスの樋門が完成した暁にはまた是非見てみたいと思った。最後に、美川工区と、松任工区の日本海に面する事業場所に案内してもらった。 どちらもごく身近な場所であるにもかかわらず、人工リーフを作っていたことや、砂浜指定されたことは知らずに今まで過ごしていた。 今回の研修に参加したゆえに、知れたことがたくさんあり、実り多き活動だった。お疲れ様でした、そして、ありがとうございました。

【T.S】
  梅雨に入る6月、この時期に毎年開催される「土砂災害防止月間広報キャラバン」 今年は、早朝(6:31)の地震が影響して、出発式は中止となり、午後から手取川で実施されている河川工事の現場見学に参加しました。 最初に訪れたのは、鶴来の十八河原。春は桜の名所、一般には河原の芝生広場を利用してキャンプができたりアウトドアを楽しむ人々で賑わう場所ですが、目の前を流れる手取川には人工的に石積みがなされているんですね、初めて知りました。 手取川ダムができ、堆積土砂が溜まりにくくなった手取川では「河床低下」が起きています。岩盤が露出している光景は、個人的には愉しいものですが、川のあるべき姿からみたらどうなんだろう、ということで、再生へのさまざまな取り組みがなされていました。 実施後は、魚や底生動物の個体数が増え、河原の原風景が戻ってきているようです。 手取川中流域でも、絶滅危惧種の“クロツヤヒゲナガコバネカミキリ”を生かすため、産卵・生育の場である“アキグミ”群落を守り育てる施策(盛土・移植)であるとか 下流では、手取川支流の熊田川・西川に“樋門”をつくり、逆流しないようにする工事(施工中)が行われていました。 最後は、手取川の終着点にある美川と松任の海岸に行きました。砂浜の復元に向けた整備が、片山津・小松・根上工区とともに行われていて、離岸堤や人工リーフなど石川の海岸線を守っていること、その内容について説明を受けました。 砂防と手取川というと、つい災害に対抗するものという意識が先行しますが、豊かな自然や環境の保全・再生も大切なことですよね。車中から何気に見えている河川工事の実態にはこんな優しい一面もあること、もっと知ってもらえたらいいなと思いました。 ありがとうございました。

【M.M】
  土砂災害防災月間の広報キャラバンに、今年は隊長として参加しました。 当日早朝の地震のため、午前中の出発式や街頭での広報活動が中止になり午後から白山市役所でのご挨拶から各支所への広報活動のご挨拶となりました。 挨拶文は事前に用意をしていただき、もうおひとりの隊長さんとふたりでご挨拶と広報グッズをお渡ししましたが、自分の中でしっかりとご挨拶のイメージができておらず反省しています。 出かける前に流域対策課の方とロープレなど、していただければよかったと思いました。何ヵ所か回るうちに慣れてきましたが、その頃に挨拶回りも終わってしまい残念でした。