山の日制定前に管内の流域調査を実施しました!
山の日制定前の8月某日、近日の降雨による流域の荒廃状況の確認と、tec-force派遣時や現地調査時における技術力の向上と合わせて、管内に豊かな恵みをもたらす山々への感謝の意を込めた登山道の清掃を行うことを目的に、管内の流域調査を実施しました。
今回の調査実施にあたり、元山岳救助隊隊長(現NPO神通砂防 理事長)の竹腰さんのご協力を得、実戦と通じながら技術的なご指導をいただきながら実施しました。※写真-③
また、技術的なご指導をいただくとともに、高山ならではの植生や山岳救助についてお話を聞きながらの調査となりました。
点検日時:平成28年8月某日
天候:くもり時々晴れ
調査箇所:蒲田川上流小鍋谷(こなべたに)流域
1.流域の荒廃状況の確認
小鍋谷上流域では、火口岩質の岩塊が多く散在し、比較的新しいと思われるガリー浸食が見られました。
2.竹腰元山岳救助隊隊長からの指導内容
【指導内容】
☆小股で歩く ☆べた足が基本 ☆特に岩場では足を揃えない(バランスを崩す)
☆休憩は小休止(休みすぎると逆に疲れる) ☆ペース配分を守る
【植生のお話】
☆5枚の葉がそろわないと開花・結実しない不思議な植物「御前橘」※写真-⑥
☆山の季節、開花時期はあっという間に過ぎ去る
【山岳救助のお話】
☆チョコレート事件(女性が雪山で遭難し、二日間チョコレートのみで生還)
☆けが人やご遺体を人力で下山させたこと
☆奥飛騨の山岳救助隊は二次遭難が一度もないこと
☆登山ルートの中でも滑落・事故が発生しやすい箇所等
3.登山道の清掃
登山者はマナーが良く、故意にゴミを捨てる人はいないそうですが、ポケットやリュックに入れたゴミがふとした拍子に落ちるらしいです。※写真-⑧今回の流域調査で収拾したゴミ
<あとがき>
今回の流域調査では、流域の荒廃状況が確認できた他、竹腰さんの丁寧なご指導により、山の恵み、楽しさ、厳しさを改めて実感できました。また、北アルプスの大自然を前に、世界に誇れる自然を守り、きれいな北アルプスを次世代に残していかなければならないと思いました。
※写真・「File Data」ボタンをクリックすると拡大写真・データを見ることができます。