建設機械の無線遠隔操縦技術
開発・実施に至る経緯・背景
豪雨、地震、噴火などによる災害が発生した場合、人命や財産が脅かされるばかりでなく、交通、通信施設などへの被害によって社会経済活動に大きな影響を与えることから、迅速な救援、復旧活動が必要になります。
災害
しかし、災害の現場では二次災害の危険のため活動が制約される場合が多く、迅速な災害復旧活動を展開するうえで支障となることが多くありました。
この課題を解決する方策として、建設機械の無線遠隔操縦技術を開発し展開を図っていますが、遠隔操縦専用の建設機械は全国的に普及台数が少なく、また各地に分散して保有されているため、迅速な対応が困難な状況にありました。
遠隔操縦専用の建設機械による施工
開発・実施に至る経緯・背景
過去の災害復旧活動などを踏まえ、二次災害を防止しつつ災害復旧活動を迅速、かつ安全に行う技術の確立を目的に、一般に市販または保有されている汎用建設機械に簡単に取付可能なユニットを装着することにより、遠隔操縦が可能な技術の開発を行いました。
開発機の全景及び取付状況
- 一般に市販または保有されている汎用建設機械(バックホウ、ブルドーザ、クローラダンプ)に簡単に着脱が可能な無線遠隔操縦システムです。
- 共用変換器を取り付けることにより、1台の送・受信機で機種・メーカの異なる建設機械の運転が可能となります。
- 遠隔操縦用の無線は免許が不要で、操作距離も約150mまで可能です。
- 画像支援装置を追加することで目視操縦不可能な場所においても画像による遠隔操縦が可能です。
地域との関わり(接点)
汎用建設機械に事前改造を施すことにより、緊急時には1時間以内で遠隔操縦対応型建設機械となるため、二次災害を防止しつつ迅速かつ安全な災害復旧活動が可能となります。
よって被災者の迅速な救助と、災害地域の早期復興に役立ちます。
これまでの主な災害
北陸では急峻な山岳地帯を背景に、豪雨時に上流部から流出する多量の土砂が大きな土砂災害を引き起こすとともに、下流部の治水機能を著しく阻害します。 また、北陸地域には河川の氾濫危険区域に人口の64%が集中しており、市民生活が常に危険と隣り合わせていることを示しています。
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北陸災害マップ