湿潤式凍結防止剤散布車の開発
開発に至る背景
北陸のような積雪寒冷地域では、冬になると道路の路面が凍結することがあります。
車にとって凍結した路面での走行は、タイヤスリップなどによる事故が起こりやすくなり、非常に危険です。
こうした道路の路面凍結を防ぐ方法はいくつかあります。中でも低コストで効率の良い方法として「凍結防止剤」を路面に散布する方法があげられます。
このため、「凍結防止剤」を路面に散布するための「凍結防止剤散布車」が開発されました。
しかし従来の散布車は、横風による車線外への散布や路肩への飛散など散布ロスが多いという課題を抱えていました。
雪道での事故
技術の内容
そこで散布ロスを軽減するために、新型の散布車の開発が行われました。この散布車の特徴は大きく3つあげられます。
① ------------------------------------------------
凍結防止剤(乾燥塩)を塩水であらかじめ湿らせてから散布(湿潤式散布)することによって、薬剤が路面に付着しやすくなり、車線外への飛散が減少しました。(図1)
図1.湿潤式散布の概念図
② ------------------------------------------------
散布作業時の横風によって、凍結防止剤が路肩や車線外に散布されるのを防止する対策として、散布装置を風上にスイングする機能が加わりました。(図2・3)
![]() |
![]() |
図2.横風調整装置 | 図3.スイングのイメージ図 |
③ ------------------------------------------------
散布円盤の回転速度や向きを可変制御することにより、多車線道路散布が可能となりました。
(図4)
図4.多車線散布(3車線)・側方散布(2車線)図
地域との関わり(接点)
湿潤式凍結防止剤散布車の導入により、効率よく経済的な散布作業が可能となり、薬散コストの減少と、路面凍結の抑止に大きく役立っています。
皆さんが冬期間も安全に走行できるような、「冬期間も安心して走行できるような路面の確保」に役立っています。
湿潤式凍結防止剤散布車