中学生の部 銀賞作品 「豪雨と私たちのくらし」 割田のどか 須坂市立墨坂中学校

 私たちの市には千曲川が流れています。今年の七月は、私の今までの記憶にないくらいの豪雨が続き、日本列島の各地で被害をうけました。特に熊本・長崎・長野の被害がひどく、死者や行方不明者が多くでました。
 私たちの市でも千曲川の水が増え、付近の町が被害をうけました。私の通っている中学校でも全校が早く下校し、千曲川付近の町の生徒は親と連絡がとれるまで待機をしていました。しかし、ある小学校では、一・二年生を下校させたが、家の人は仕事に出ていて家にいなくて、親と連絡するのに困ったという話を聞きました。このようなときの対策の仕方をもっと考えなければいけないと思いました。
 私の中学校の体育館は避難所になっていて避難してきた人がたくさんいました。浸水してきた家も何軒かあり、千曲川の土手にあった畑やサッカー場も水びたしになってしまいました。私の家は大丈夫だったけれど、私の市や町で水が浸水したというのを聞いて驚きました。なぜなら、こういうのはテレビやラジオで見たり聞いたりしただけだったからです。
 私のお父さんは、長野県でも被害がひどかった岡谷市にボランティアに行ってきました。たくさんの物が土砂に流されて泥まみれになっていたそうです。泥まみれになっていたものを洗う作業をしたそうです。どんなに汚れていても、それはその被害に会った人の大切な物かもしれません。だから簡単には捨てられません。被災地はみんなこうなのだろうかと思いました。私も、もう少し大きくなって時間がつくれるようになって、もしこのような災害があったら、被災地にボランティアに行きたいと思いました。
 市や県の豪雨災害後の対策は、土砂災害の恐れがある十一河川の下流域七百十六世帯にそれほど激しくない降雨でも避難準備情報や避難勧告が出せる新基準を定めました。対象河川の上部には大型土のうを設置しました。しかし、これは応急処置にすぎませんでした。また、県は災害現場上部の谷や沢で砂防ダムなど恒久工事に早急に着手する予定だそうです。しかし完成まで一年はかかる見込みです。
 豪雨災害の発生から十九日で一ヵ月です。岡谷市湊市川地区では、住宅地に流出した大量の土砂や倒木が撤去され、家屋の修繕も進んでいるそうです。しかし、再び土石流に襲われる不安は消えず、生活再建の支援策も十分とはいえないそうです。被災地住民の中には、貴重品や着替えを入れたリュックサックを枕元に置いて寝たり、家族の人数分の懐中電灯を用意する人もいるそうです。雨が降るだけで怖いというのは、被災地の人達にとって精神的につらいと思います。早く砂防ダムが完成してほしいです。そして、早く被災地の人達が安心して元のように生活できるようになってほしいです。
 私たちが健康な生活をおくるうえで、大切な水。とても大切なものだけれど、今年の豪雨で、私たちの町をのみこんでしまうほどのとてもおそろしいものなんだな、と実感しました。でも、やっぱり水・川はとても大切なものだから、きれいに保たなければなりません。そのためにはどうしたらよいか考えなければいけないと思います。
 私の中学校の横に百々川という川が流れています。その川の土手でランニングをしたり散歩をしている人がたくさんいます。また、私たち生徒も写生会などで川の絵を描いたりしています。夏は涼しい風が校舎に入ってきます。そんな私たちの生活になくてはならない川を汚しておくわけにはいきません。PTA作業で草刈りをしたり、委員会活動などでゴミ拾いなど清掃活動をしています。百々川は千曲川まで流れているので、百々川から千曲川、信濃川そして海へ、きれいな水が海まで流れていってくれるとうれしいです。
 今年の豪雨で改めて私たちの身近な川や水について考えることができました。大切な資源、しかし私たちをのみこんでしまうほどの怖い存在ということを頭において、これから生活していきたいと思います。
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