小学生の部

銀賞作品 「千曲川のために」 池田 志織 松本市立寿小学校

 
 私が住んでいる野沢温泉村のとなりの飯山市に、千まがる川。「千曲川」があります。千曲川は、もう一つの名前をもっています。それは、新潟県を流れている「信濃川」です。「信濃川」が長野県に入って「千曲川」となり、日本一長い川になっているそうです。私はこのことを三年生の時に知って、日本一になっている川が、こんなに近くにあるなんて、すばらしい事だと思いました。
 私のおばあちゃんは、福井に住んでいて、千曲川のように大きな川は、そんなに見たことがないので、こちらに来た時に
「大きな千曲川とあの赤い橋が印象的だね。千曲川は、ゆったりゆったりと、流れてそのまわりのイネや作物を育てているんだと思ったよ。人間も千曲川のようにゆったりゆったり生きていけたらいいなぁ。」
と話してくれました。
 私は、そこまで思いもしませんでした。いつも見ているから、たぶんそこまで思いませんでした。そんなに、見たことのない人はいろんな事を考えるんだなぁと思いました。
 でも、いくら、日本一長い川だと言っても、それだけが、日本一だと思います。なぜなら、川がきれいとはいえないのです。大雨の時は、自然の現象なので、仕方ないけれど、ごみがいっしょに流れているというのは、どうでしょうか。ごみが流れているということは、人間が流していたりしませんか。そのごみが、川魚に影響し、そのまま流れ海にも影響していきます。ですから、私が大人になったら、川の清掃に協力して、川を、海を、助けていきたいと思います。
 千曲川は、流れが速いので、そんなに遊んだ事はありません。だけど、少しだけ千曲の水が流れこんでいるため川でつりをしたことがあります。魚は、少ししかつれなかったけど汗をいっぱいかいて楽しかったです。でも水はこわいです。千曲川も台風、大雨でそのまわりのイネや作物を、いっぺんにのみこんでしまいました。水があふれだしそうになり、消ぼうの人やけいさつの人が一日じゅうずっとずっと見はっていました。私も、そのどっと流れていく千曲川を見ましたが、見ただけでこわくて足がふるえてしまいました。川に近い道路は、けずりとられてひびが入り少し曲がる位の強い力です。人間なんてのみこまれたらと想像しただけで、こわいです。
 もう一つ、水害とは少しはなれますが、空気より水温の方が温度が高くなる時に起こる現象。霧です。お母さんは言いました。
「霧で見えなくなると運てんが少しこわいなぁ。」
と。確かに、千曲川から霧が出ている時に出かけると、周りはよく見えないし、信号で止まると私まで右足を出してブレーキをかけてしまうほどです。
 千曲川は、新潟にむかって流れて行き、信濃川と名前をかえ、日本海へ流れていきます。ですから、長野の人が流したごみ、あるいは、長野で流したごみは、信濃川を通じて新潟の人に、見られてしまいます。そしたら新潟の人は
「長野の人は、なんてだらしないんだろう。」
と思ってしまいます。私は、長野県民としてそう思われたくないです。ですから、清掃にも心がけていきたいと思います。
 このように、千曲川は県を結ぶ川です。ですから、一人ひとりが清掃に心がけて、千曲川を、日本海をきれいにしていけたらいいなぁと思っています。ふだんは、そういう事を考えないで生活しているけど、そういう事を考えながら生活していきたいと思います。
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