中学生の部 銀賞作品 「川と私たち」 田村 こころ 東御市立北御牧中学校
 
 私が住んでいる東御市北御牧地区には、千曲川に合流する、鹿曲川と番屋川があります。私達北御牧中学校三年二組では、中学校三年間を通して総合的な学習の時間を使い、この二つの川の浄化に取り組んできました。
 最初は川遊びでした。私達は中学校初めての総合的な学習の時間に、中学校のすぐわきを流れる鹿曲川と番屋川で川遊びをしました。みんな楽しく遊んでいました。私も楽しかったけど、石をどかしてみるたびにごみがあったり、流れのゆるやかなところに白や茶色の泡がたくさんたまっているのを見て、泳いでいる人もいるけどこの川きれいなのかなぁ、と思うようになりました。クラスのみんなも同じことを感じて、この川は本当にきれいなのか、汚れてしまっているんじゃないか、という疑問が次々とでてきました。と同時に、今まで北御牧地区に住んでいながら、こんな身近な川のことを全然気にしていなかったことに気付きました。
 そこで、いくつかのグループに分かれて鹿曲川と番屋川の水質調査が始まりました。水生生物を採取して、きれいな水に住む生物と汚い水に住む生物の数から考えたり、CODパックテストという科学的酸素要求量を調べる実験をしたりしました。CODパックテストは、水の汚れの目安となり、水中の有機物の量を示します。 1ppm以下はきれいな渓流などで、10ppm以上になると下水、汚水であるということがわかります。
 調査の結果、私達が川遊びをした学校のすぐ近くの部分は、少し汚いことがわかりました。結果から、汚れの原因は一体何なのだろうと考え、私はここより上流に何かあるんじゃないかと予想しました。
 ところどころCODパックテストをしながらどんどん上流へと調査していくと、 川は途中で二つにわかれていて、片方は2〜4ppmときれいで、もう片方は40〜50ppmと、とても汚いことがわかりました。きれいな川が汚い川と合流することによって下流も汚くなっている。これは、鹿曲川・番屋川全体でもいえることで、 上流を汚してしまうと下流の千曲川まで汚くなってしまいます。自分達の地区の川には責任を持たなくてはいけないと思いました。どうしてこんなに汚いのだろうと調査を重ねていくうちに、原因は主に生活雑排水であることがわかりました。私達はすぐに浄化活動に取り組みました。
 インターネットや図書館で浄化方法を調べたところ、竹炭による浄化・EM菌・廃油せっけん・火山灰ロック・ごみ拾いといった、五つの方法を知りました。
 例えば竹炭による浄化は、竹の導管・師管で水の汚れをこしてきれいにするしくみです。自分達で炭焼きの窯を作るところから始まり、自作の竹炭を使うというとても大がかりなものになりました。自然環境を変えてしまって、それを元に戻すのは本当に大変なことなんだなぁ、と思いました。
 そして今年の秋いよいよ、竹炭・EM菌・火山灰ロックを川に投入することが決まりました。結果を見るのが本当に楽しみです。みんなが三年間一生懸命やって来たので、きっと川はきれいになると思います。
 私はこれからも、総合的な学習の時間に学んだことを忘れずに、身近な河川のことや環境のことに気を配っていきたいです。
 暑い日に泳ぎたくなる川、ごみなんか気にしないで思い切り遊べる川、たくさんの生き物が住む豊かな川を未来に残したいと思います。
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