小学生の部 金賞作品 「川と私達」 水出 悠斗 長門町立長門小学校

 「おーい、 飛びこむぞー。」
 「つめてぇー。」
ぼくは、このごろサッカーの練習の後、仲間達と川に飛びこむ。練習で、体が汗だくになっているので、川の水がとても気持ちいい。深い所は、二メートル以上あって足がつかないけど、そこがおもしろい。みんなで大声を出して遊ぶ。ぼくの住む所に流れている川は、依田川の支流の五十鈴川で、依田川は、千曲川に流れている。五十鈴川は、あまり広くなくて流れもそんなに速くない。だから、サッカーの練習の後は、こうしてみんなと川に入って遊ぶのだ。川には、カジカがたくさんいるので、魚取りもできる。だれかが魚を見つけると、みんなで取りに行く。この前友だちが、ヤスで魚をつかまえた。ヤスを借りてぼくもやったけど、一匹もつかまえられなかった。魚をとることは、なかなか難しいと思う。
 そういえば去年、友達のおじいさんが、大きな石をどかして川の流れを変えて、 手づかみで二十センチメートルぐらいのニジマスをつかまえたことがあった。ぼくは、すごいと思った。それは、おじいさんが工夫をして魚を取ったからだ。おじいさんは、
「昔の子供は、みんなこんなふうにして魚を取ったもんだ。」
と、言っていた。家に帰ってから、夜、お父さんにその事を話した。すると、お父さんも、
「子供のころ、おじいちゃんと、十五センチメートルのカジカを取って、おばあちゃんに焼いてもらって食べたらおいしかった。」
と、話してくれた。ぼくは、うらやましかった。今度、お父さんと一緒に魚取りに行きたいと思った。でも、その前に、ぼくも一匹ぐらい魚を取れるように練習しなくちゃ、と思った。
 あれから一年たったけど、ぼくは、いまだに一匹も取れていない。この次川に入った時は、今度こそ魚を取りたい。
 それまでせっせと川に通うぞ。
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