中学生の部 銅賞作品「総合的な学習の時間で分かったこと」山口 秀輝 明科町立明科中学校
僕は総合的な学習の時間で「明科町の自然環境」というコースを選びました。自然環境のコースは大きく分けると2つあり、僕は水生昆虫をとるグループに入りました。水生昆虫をとるグループの目的は、川に住んでいる水生昆虫をとり、その昆虫がどのような川に住むのかということを調べて川の汚染度を調査することです。

僕は友達三人とグループを組み、犀川流域の「会田川」について詳しく調べることにしました。僕たちが会田川に初めて行ったのは二年生の総合的な学習の時間でした。会田川のまわりには民家や道路、線路がありました。僕の会田川に対する第一印象は「まわりに人工のものがたくさんある割にはなかなかきれいな川だ」ということでした。川にはテレビで見るようなもの―浮いている油やゴミなど―がほとんどなかったからです。河原には空缶が捨ててあったりもしましたが、川の方には特にこれといって汚染の原因になりそうなものはありませんでした。

僕たちが会田川に行ったのは、先にも言った通り水生昆虫をつかまえるためです。というわけで虫とりを始めました。運動着のすそをまくり、サンダルをはいて川に入りました。そのころは暑くて、川の水もヒンヤリとした感じがとても良かったです。
 会田川ではヒラタカゲロウなどのカゲロウ類が多くとれました。他にも多くの生物がいましたが、カゲロウ類が一番多いようでした。とれた虫はカメラのフィルムケースに入れ、学校に持ち帰り、ホルマリン漬けにしました。その後にそのフィルムケースをもち、図書館へ行きました。虫の住む川がどの程度汚染されているのかを調べるためです。本によると、どうやらカゲロウ類はきれいな川に好んで住むらしいぞという事が分かりました。また、顧問の先生によると多くの種類の虫が住む川にはえさとなるものが多く、状態としてはかなり良い状態の川であるということも分かりました。
 この二点から僕たちは結論を出すことができました。「会田川には多くの虫が住み、特にカゲロウ類が多いため、川の水は非常にきれいである。」というのがその結論です。

その次の機会に僕たちはもっと上流に行こうと思うようになりました。というわけで会田川の上流にある大足橋という橋の近くの川を調べることにしました。そこには、僕が三年生になってもこのコースを続けようと思う動機になる昆虫がいました。後の調査で分かったことですが、その昆虫の名は「ヘビトンボ」というそうです。
 大足橋の近くの川にはサワガニやヘビトンボなどの昆虫がたくさんいました。この日もやはりフィルムケースに昆虫を入れ、ホルマリン漬けにした後、昆虫の特徴を図書館で調べました。サワガニとヘビトンボのどちらもきれいな川に住むということが分かり、僕は内心ほっとしました。上流が汚れていると下流も汚れることになります。あんなにきれいな会田川が汚れるのは嫌だと思っていたので、ほっとしたのです。

この回の調査では、「会田川の上流もきれいである。」という結果が得られました。この結果と前回の結果をあわせ、二年生の段階では「会田川とその上流は水質が良い」ということが分かりました。
 先ほども言った通り、僕は三年生になってからも水生昆虫グループに入りました。またヘビトンボをつかまえて水質の良さを実証してみたいと思ったからです。

三年生の第一回目の水質調査はどちらの川を先に調べるか迷いました。僕は会田川を調べることにしました。結果は昨年と同じでした。安心しました。
 その次の回には大足橋の方へ行きました。しかしそこには予想外の結果が待っていました。昨年はすぐに見つかったヘビトンボが少なくなっていたのです。ということはえさが減ったと考えられます。苦心の末、やっと一匹のヘビトンボを見つけることができました。また、サワガニも昨年と変わらずこの川に生息していました。他にもカゲロウ類がいたので、結論としては水質はきれいだということになります。

昨年の結果とあわせてみると、三年生の段階では水質は変わらずにきれいなままだということになります。しかしこれから先はどうなっていくか分かりません。まだ昆虫採集は続けていこうと思いますが、その結果に驚いてしまうかもしれません。

近年、テレビや新聞で環境破壊という言葉をよく聞いたり見たりするようになりました。明科は水郷の里です。会田川だけではなく、他の川もずっときれいでいて欲しいと思います。

このウインドウを閉じる ×