中学生の部 銀賞作品「やさしい川」碓井 香 長野市立更北中学校
私は水が大好きです。もちろん海やプールも好きですが川は大好きです。しかし川には小さい川から大きい川があります。その中には人の命をうばってしまうような川もあります。しかし私の知っている川は大切な命を守っている川です。

私の母親は教員をやっていて長野市の小学校をまわっています。私がまだ小学生だった頃、夏休みにその頃母親が勤めていた小学校に連れて行ってもらいました。その小学校はかなり山の中でとても涼しくまだ自然の多く残った所にありました。その小学校に行くまでに小さな川がありました。その川は聖川という川でした。聖川は田んぼに囲まれていて水もきれいで、小さい子が安全に入れるくらいゆっくり水が流れていました。私はすぐに川に行きました。中に入ってみると魚が小さな橋の下に二・三匹いるのが見えました。石の近くには小さいカニや大きいカニがたくさんいました。カニは石の下や川の端の方へ行ってしまいました。私は自然の魚やカニを直接見た事がなかったのですごくはしゃぎました。それにこんなきれいで住みやすそうな川を魚やカニは好きなんだろうなと思いました。そして一番私が思ったのが、聖川が魚やカニ、他にも聖川に住んでいる生き物を守っているように見えました。それも、住みやすい環境を作ってあげているとてもやさいし存在に見えました。人間の命をうばってしまう川もあります。私もそういった悲しいニュースをたまに見ます。しかし聖川はたくさんの小さな命を守っていました。その時、私はカニがどうしても飼いたくて五・六匹家に持ってかえってきてしまいました。なるべく聖川の環境にちかづくように水槽にたくさん石を入れたりもしましたが一週間位すると一・二匹死んでしまいました。ちゃんとエサもあげました。聖川のように石も入れました。なのに死んでしまいました。
 私には小さな命を守ってあげられませんでした。
 私は他のカニも死んでしまうと思ったので聖川にかえしに行きました。聖川は普通の川に比べてかなり小さい川です。でもどこよりも水がきれいで私たちのようにふだん川の音も聞こえないような場所に居るとかなり心があらわれる所でした。それから少したって私と母親は夜に聖川に出かけました。それは聖川の近くでホタルを見ることができると聞いたからでした。川の近くに車を止めライトを消してホタルを待ちました。その時、真っ暗な視界に黄色と黄緑色の混ざったような光が見えました。
 ホタルです。
 二・三匹から七・八匹とどんどん増えていきました。私は一生のうちにホタルが見れるなんて思ってもいなかったのと初めて見たのでかなり感動したし、時間を忘れて見入ってしまいました。そのホタルも聖川にやさしさを求めて来ました。私達はその自然の生き物や心の休まる場所を求めて来ます。でもそれを自分達のためにも消してはいけないものだと感じました。そして聖川や自然の残った川を守れるのは人間だと思います。

この作文は地球環境の事を書いたようになってしまいましたが、私は環境や自然と聞いたら聖川の事を思い出します。そして聖川の事が出たら私は自然や環境の事も考えると思います。その位聖川は自然にとても近いものです。なので私は聖川のような自然の残った川、そこに住む生き物を失いたくないと思いました。しかし、このままでは確実に失われてしまうと思います。私たちの住んでいるこの地球も同じことです。できる事なら一人一人、ゴミやアイドリングを止めればできる事ですが簡単な事ではありません。そういった事も、もちろん大切です。でも私がみんなにしてほしいのは、一度でもいいから、川の音、自然の音を耳をすませて聞いてほしいという事です。本当の大切なものが聞こえてくるはずです。

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