本事業は、登川流域の土砂流出抑制を目的とした砂防えん堤工事です。新潟県南魚沼郡塩沢町清水地先において、平成14年に着手し、平成16年に完成しました。
登川は信濃川水系魚野川の右支川で、新潟・群馬県境の朝日岳・巻機山などを水源とする急流河川です。この流域は日本有数の豪雪地帯であることに加え、上流域の地質が脆く、多量の土砂が川に流れ込んでいます。下流域は扇状地になっており、古くから氾濫の常襲域でした。
この砂防堰堤には、環境対策に配慮して、鋼製セルとダブルウォールを組み合わせた複合構造が採用され、国内唯一の試みとなっています。掘削残土をセルやダブルウォールの中詰めなどに有効利用し、建設残土の発生をゼロに抑えました。また、コンクリート量を削減したことに加え、緑化工・玉石張り工・巨石張り工を行い、堰堤周辺の景観へも配慮しています。