野中沢は流域のほとんどを深成岩類に属する斑れい岩が占め、風化が著しく非常に脆弱な地質になっており、河床堆積層も幅広く堆積しています。野中沢砂防堰堤は、昭和44年に野中沢において発生した大規模な土砂災害を踏まえて、下流の野中地区の人家や耕作地等を保全し、三国川、魚野川への洪水時における土砂流出を抑制するため設置しました。
砂防堰堤は上流からの有害な土砂を食い止めることが主な目的ですが、完全に土砂の流れを止めてしまうことは自然のサイクルを壊すことになります。この堰堤では、平常時には土砂が下流に移動できるようにスリット(隙間)が設けられています。もちろん、出水時に一気に押し寄せてくる土砂に対しては確実に食い止めるように設計されています。
竣工年 | 高さ H | 長さ L | 型式 |
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平成3年 | 14.0m | 47.0m | 重力式コンクリートスリット型 |
撮影: 平成10年
砂防設備台帳より