ダム本体工事のながれ

転流工

工事の場所で作業をやりやすくするために、ダムサイト(ダムを造る場所)をう回するトンネル(仮排水トンネル)を掘って川の流れを変えました。

ダム全体図

写真:仮排水トンネル1

1仮排水トンネル

写真:仮排水トンネル2

コンクリート打設のための仮設備

ダム本体では、約24万m3のコンクリートを使いました。コンクリートの製造から打設まで効率的に工事を行うためにさまざまな仮設備を設置しました。

これらの仮設備は、ダム本体工事完了後には撤去しました。

写真:骨材貯蔵設備

2骨材貯蔵設備

骨材貯蔵設備は5日分の骨材を貯蔵できる規模でした。横川ダムでは原石山を持たず、骨材を購入しました。

写真:コンクリート製造設備・セメントサイロ

3コンクリート製造設備・セメントサイロ

横川ダム本体工事のコンクリート製造設備は、二軸強制連型(2.25m3×2台)を使用しました。横にあるセメントサイロには、600tのセメントを貯蔵できました。

写真:コンクリート製造設備・セメントサイロ

4コンクリート運搬設備

横川ダム本体工事では、14.5t軌索式ケーブルクレーンを使用しました。

写真:濁水処理設備

5濁水処理設備

工事で出た水は、この設備で浄化して川に流しました。

ダム本体工事

1. 基礎堀削

写真:基礎堀削

機械やダイナマイトを使って土砂や表面の岩盤を取り除き、ダムの重さを受け止めるために必要な硬い岩盤を掘り出しました。

2. 本体コンクリート打設

コンクリート製造、運搬、打設、締固め、養生を繰り返し、ダムを造りました。コンクリートの打設では、「拡張レヤ工法」と言って段差を設けずに複数のブロックを同時に打設する工法を採用し、継目を設けずに大きな範囲を一度に打設し効率を上げました。

写真:本体コンクリート打設

写真:本体コンクリート打設

3. 基礎処理

ダムの基礎をさらに強くして地盤との一体化を図り、また岩盤のすきまから水がもれてしまわないようにするために、セメントと水を混ぜ合わせたものを岩盤の割れ目に流し込みました。

写真:基礎処理

写真:基礎処理

4. 放流設備

図:選択取水設備

選択取水設備

ダムから放流する水の量を調節するための設備で、「オリフィスゲート」と「クレストゲート」、「利水放流管」などがあります。オリフィスゲートとクレストゲートは主に洪水調節のために使用します。利水放流管は、選択取水設備により水温・水の濁り状況などにより水位を変えて取水した水を下流に流します。この選択取水を行うことによって、下流の農作物や魚などへの影響が少なくなります。

図:オリフィスゲート

オリフィスゲート

図:クレストゲート

クレストゲート

管理設備

ダムを管理するための建物やダムから水を流すことを下流の人たちに知らせる警報設備などを設置しました。

  • ダム管理所
  • ゲート制御装置
  • 警報設備
  • 監視カメラ

など

試験湛水

仮排水トンネルをふさぎ、ダムの貯水池に設計上の水位まで水を貯め、ダム本体や貯水池の機能、周辺の様子に異常がないかを確認しました。

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