中部山地の活火山、焼山に源を発する関川は、上流域には、妙高山、火打山等の秀麗な山々が連なり、清冽な流れや豊かな湖面を有し、中下流域は豊富な水量に支えられた広大な穀倉地帯や工業地帯、市街地が広がる、新潟県上越地方を支える母なる川です。
 しかし、有史以来度々氾濫を繰り返す暴れ川であり、多大な被害を被ってきました。そのため、古くは17世紀はじめの高田城築城に伴う関川の流路切り替えをはじめとして幾多の改修・災害復旧等が繰り返し実施されてきました。昭和39年の河川法の制定をうけて関川水系は昭和44年に一級河川に指定され、「関川水系工事実施基本計画」を決定しました。その後、大出水が相次いだため昭和46年に第1回改定を、昭和62年には第2回の改定を経ながら河川の整備を実施してきました。また、平成7年7月には観測史上最大規模の大出水が発生し、関川や保倉川で甚大な被害を被ったため、これに対応できる河川整備を実施しています。
 洪水に対して安全な川づくりを進める一方で、平成11年度より「関川川づくりワークショップ」を開催し、住民の意見を反映しながら川づくりを進める取り組みも始めています。こうした取り組みの中から川と親しみ、川を通して人と人、人と自然が触れ合う川づくりを目指す市民活動も生まれています。
 平成9年には人と河川の豊かなふれあいを目指し河川法が改正され、その目的に「治水」「利水」のほか、新たに「環境の整備と保全」が加えられるとともに、従来の「工事実施基本計画」に代わり、河川整備の長期的な方向を示す「河川整備基本方針」と具体的な河川整備の実施に関する事項を定める「河川整備計画」を策定することとなりました。
 また、「河川整備計画」の策定に際しましては、河川環境の整備と保全を求める国民のニーズに的確に応え、河川の特性と地域の風土・文化などの実情に応じた河川整備を推進するために、地域との連携が不可欠との観点から、関係地方公共団体の長、学識経験を有する者、地域住民の意見を聴き、計画に反映する手続きが導入されました。
 関川水系においても、早期に「関川水系河川整備基本方針」を定め、引き続き高田工事事務所が管理する区間を対象とした「関川水系河川整備計画(直轄管理区間)」を策定すべく、鋭意検討を実施いたしております。
 「関川流域委員会」は、「関川水系河川整備計画(直轄管理区間)」の原案の策定を進める中で、学識経験者等、地域の有識者の意見を頂くことを目的に、国土交通省北陸地方整備局が設置するものです。