関川モニターさん(男性 70代) 上越市在住


平成31年1月報告

【活動報告】

 ○行動日:1月24日(木)  時間14:30〜16:10  
 ○場 所:高田河川国道事務所 高田出張所
 ○目 的:関川の概要説明と新装の高田出張所の訪問


 9月巡回時に高田出張所脇を通過しました。その際、機会があったら出張所を訪問したと思いました。 降雪期になったのを機に出張所を訪問して、関川に関する全般と河川に関する話をお聞きしました。 私は、モニターとして活動して6ケ月が経過しました。この間、受け持ち区域を全て巡回して、疑問に思っていた事に対する見解をお聞きしました。

  主な質問事項として
@ 同じ川でも管理区間が設定されている事について。(国有林区域内は営林署・新潟県・国交省の関係)
A 川底が上がり(水深が浅い)シラサギが中央に立っている。また、島が出来ている場所もあります。
B 河口左岸の砂付について。
C モニターの活動範囲等諸々。

 対応していただいたのは、伊藤河川課長・前原出張所長・真島保全対策官の3氏 @ 川の形態が異なっているので、それぞれの専門性を生かした管理を行っている。 A 水深が浅くなっていることは事実。 改修により堤防を構築し川幅が広くなっているので、増水時の対応が出来ている。 説明をお聞きして理解しましたが、土砂採取を行い昔の様な川の姿を戻すように検討をお願いしたい。
B 私も現地に行き解説板を見ていますが、内容を理解していませんでした。

 現地には海からの波を防ぐ突堤の様な仮設の構築物を3本設置してあるとのことです。
この構築物は水面都同じ高さなので、目につきにくいのですね。
 写真はかわこくライブカメラから
以前、直江津の祗園になると、荒川橋下流で浚渫を行っている光景をよく目にしていましたが、最近は、見かけなくなりました。また、荒川橋〜直江津橋間の砂付も少なって来ました。砂は上流から海に流れ下るのに、構築物を設置すると逆に砂が付きそうです。冬、海からの波の力は、想像つかない威力があるのですね。 もしかして、海から砂が運ばれるのですか?
C 活動範囲については、意見交換を行いました。
 質問に対して全項目に渡り、丁寧に回答・説明して頂きました。
その後、出張所内のライブカメラモニターの説明をお聞きしました。 ライブカメラはホームページやJCVで部分的に見ていますが、カメラは固定と思っていましたので、出張所から遠隔操作ができる事を知りました。
 また、高田公園外堀に関川の水を流入していることは知っていましたが、流水状況を監視していることも知りました。 関川の水はお堀の水より水温が高いので、お堀内の消雪に効果があるとの事です。 これからも注視したいと思いました。



 併設の車庫に移動し、緊急車両車庫で排水ポンプ車・照明車の説明をお聞きしました。 
 外は吹雪、シャッターが閉まった状態で撮影しました 排水ポンプ車の能力は4基の水中ポンプを稼働すると、小中学校にある25mプールの水を約10分間で排出可能との事。 照明車は、水害だけでなく多発する各種災害(土砂崩れ・雪崩)発生時には現地に出動して、威力を発揮するとの事です。(両車両には赤色灯が装備され緊急車両扱いになっていました。)
 ○排水ポンプ車

 排水ポンプ車の出動事例として、昨年、8月28日上越市からの要請により出動した。


(上)春日新田第二排水樋門 
(中)下源入向屋敷樋門 
(下)木田3丁目魚市場付近

上記3箇所の出動実績の説明を受けました。

関川・保倉川の水位上昇により、樋門を閉めた地域の排水に威力を発揮する能力に安心しました。県外で発生した災害(鬼怒川堤防決壊災害等)にも出動したとの事です。

○照明車
 出張所倉庫出張所車庫前から対岸(約200m)に向けライトを伸ばし照らすと、対岸では新聞を読める明るさを確保できる能力を有しているそうです。
 主に排水ポンプ車とセットで出動しますが、要請により単独でも出動するとの事です。
出動事例として平成30年北海道胆振東部地震災害派遣の説明をお聞きしました。

 排水ポンプ車・照明車を4台づつ備えているとお聞きしました。
  車庫内全車は緊急車両の特性から、いつでも素早く出動できるように、車庫内ではバッテリー上がりを防止するために、常時充電が行われておりました。清掃も完璧で即応体制が整っていました。

  今回の訪問に際し、業務ご多忙の中、丁寧に説明していただき感謝申し上げます。


【事務所からのコメント】
 
 
1月分のモニター報告、ありがとうございました。
 また先日はご足労頂きまして、ありがとうございました。

 関川の土砂の堆積に関してご質問をいただきました。  
 下のグラフは、縦軸に源流部の標高、横軸に源流部から河口までの距離を表し、北陸地方整備局管内の主な河川と、暴れ川の一・坂東太郎こと利根川と、暴れ川の代表格・木曽川とを比較したものです(高田かわこく事業概要より)。

 

 ご覧のとおり、関川は、約1200m(1.2km)の標高を、およそ60kmの河川延長で流れ下ることになります。一方、この急な流れが、河口から約20qの平野部に入ると急に緩やかになります。このように、流れが大きく変化することが関川の特長といえます。  
 流れが急に緩やかになれば、水の流れる速度が大きく減り、一緒に流れてきた土砂も大きく速度を減じることになり、そこで堆積します。  
 また、土砂の堆積にとって、見逃すことができないのが、潮の満ち引きです。関川の場合、高田工業用水取水堰でスズキが連れるという話もありますことから、満潮時にはそこまで海水がさかのぼっています。この海水の遡上とともに運ばれてくる土砂もあります。さらに、冬場は、日本海から吹き付ける季節風や波浪によっても、土砂がもたらされます。  
 土砂の堆積は、関川にとっては自然の営みといえます。しかし一方で、自然のなすがままにしておいては、出水の時に川からあふれ出してしまうかもしれません。そのため、自然を生かしつつ、様々な対策を検討して安全を確保することが私たち高田かわこくの使命と考えています。

 2月26日現在、上越市内で既に積雪が0pとなりましたが、寒さはまだしばらく続きます。 この時期、油の流出事故が心配です。先日も関川の支川で油流出事故がありました。幸い、流出した量が少なかったので影響はほとんどありませんでした。

  時期的に暖房器具に要する灯油等に携わる機会が多くなります。関川の自然を守るため、また火災防止のため、ホームタンクからポリタンクに、あるいはポリタンクからストーブのタンクに給油する際には目を離さないなど、皆様のご理解とご協力をお願いします。
平成31年2月
高田出張所