高田河川国道事務所

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あんぜんニュース高田

 
 
高田かわこく第26回技術研究発表会開催される
 3月9日(木)、高田河川国道事務所工事安全対策協議会主催の「第26回技術研究発表会」が糸魚川市の「ビーチホールまがたま」で、約180名の参加で開催されました。
 本技術研究発表会は、現場を担当する技術者の皆さんが、日頃の業務を通じて得た新しい建設技術の活用や改良及び、施工管理の工夫や安全対策の取り組み事例などを情報発信することで、建設事業に携わる現場技術者の技術力の向上を図るとともに、良質な社会資本整備に寄与することを目的として平成元年度から行われています。
 
村下工事安全協議会長あいさつ
 開会の挨拶に立った村下工事安全対策協議会長は、はじめに昨年12月22日に発生した糸魚川市駅北大火に触れ、被災された方々並びに関係者に対するお見舞いと、糸魚川市建設業協会をはじめとした建設業者による消火活動支援やがれきの撤去など復旧作業への協力に対して感謝の言葉がありました。
 次に、今冬の降雪状況に触れ「昨年より降雪量は多いものの、小雪傾向の年であった。大学入試センター試験(1月14日〜15日)前後には厳しい寒波の来襲があり、妙高観測所では1月14日〜16日の3日間で過去3番目の累計降雪量を記録した。このような状況にもかかわらず、大きな交通障害が発生しなかったことは、県道、市道を担当する受注者も含め、除雪業者の作業のおかげである。」とお礼の言葉がありました。
 続いて、「国土交通省では、今年を『生産性革命前進の年』と位置付け、昨年から実施しているi-Constructionの取り組みを、更に推進する計画としている。技術の研鑽に努め、生産性の向上、働き方の改革等に関する各種施策に積極的に取り組んでいただきたい。」とお願いがありました。
 「今回の発表会では、39社から45編の論文の応募があり、取り組みが優れている10編について事例を発表いただくもので、応募のあった他の35編の事例も含め、施工の参考としていただくとともに、工事が無事故で完了することを祈念します。」と挨拶がありました。
 

論文3編が優秀賞に輝く
 45編の応募論文に対し、評価項目は、独創性(現場における「課題・問題点」に対し新たな視点(手法等)で対応しているか)、有効性(「課題・問題点」を解決するために実施した内容の効果はどうか)、発展性(本提案が他工事にも活用でき、効果が見込まれるか)を工事安全対策協議会幹事等13名で一次審査を実施、10編を発表論文として選出しました。
 発表された10編の中から論文・プレゼン内容について二次審査委員による審査の結果、優秀賞3編、奨励賞7編が選ばれました。

 優秀賞
ICT活用工事について  
  上沼道下野田地区改良その3工事  武江・大陽経常建設共同企業体 吉原 悟 氏
   
プレキャストセグメント工法を用いたPC橋の現場施工時の塩害対策 
  国道8号歌高架橋(第2工区)上部工事  極東興和(株) 森山 実 氏 
   
横締めPC鋼材中間定着工法を用いた既設橋部分撤去について 
  歌高架橋切替改良工事  (株)笠原建設 中村 良一 氏 

 応募論文45編のテーマ別内訳は下記の通りです。
 応募論文の内訳
  新技術・ICT   施工事例   創意工夫  12
  施工計画・施工管理 10   設計・計画    
  安全計画・安全管理 11   コミュニケーション   合計 45
 
発表論文一覧

 
 国道18号妙高大橋の維持管理
高田河川国道事務所から道路管理課 岩井技官が発表
 国道18 号妙高大橋は橋長300m の4 径間連続PC 箱桁橋です。
 当時の最新技術であるプレキャストセグメントカンチレバー工法によって架設、約45 年間に亘り、主要幹線道路として供用されてきました。
 2009 年度の補修工事の際に、第1 径間中央で9 本のPC ケーブル破断が確認され、詳細調査で全ケーブル504本中、計22 本の破断が確認されました。
 破断の要因は,橋面等からの漏水がシース内に侵入し、PC 鋼材が腐食したためと考えられます。架替えまで現橋を安全に供用するため、外ケーブル補強等の緊急対策、定期的なモニタリング監視や載荷試験による安全性確認、維持管理マニュアルに基づく日常管理を行っており、これまでに得られたモニタリング計測や試験の結果等について報告がありました。
 
 今後の工事で役立つ事例など大いに参考に
吉越安全協議副会長の講評
 プレゼンテーション終了後、吉越副会長は次のように発表会の講評を行いました。
 「新技術・ICT」のテーマでは、道路改築工事、河川改修工事でのICT施工の先進事例の報告があり、今後の課題も整理され、効率化に向けた取り組みは、他の現場でも参考となり、今後の方向性を示すものと思います。
 「施工計画・施工管理」のテーマでは、PC橋施工における塩害対策、PC鋼材緊張時の施工管理、河川水制の元付工の施工について、3編の発表がありました。いずれも、現場の特性を把握し、課題を明確にすることで、きめ細やかな対策がよくまとめられていました。
 「安全計画・安全管理」のテーマでは、法面対策工事において、現場特性を把握し、既存設備とセンサーを組み合わせた検知システムによる安全対策は、同種工事の参考になる事例と思います。
 「施工事例」のテーマでは、道路標識取付金具の腐食対策とPC鋼材の中間定着を活用した旧橋部分撤去について、2編の発表がありました。異種金属接触による腐食対策は、道路標識の延命化や落下事故防止に、また、PC鋼材の中間定着工法は、独自試験により安全性を確認した新たな工法ということで、同種工事または同種以外の工事への発展性も見込まれます。
 「創意工夫」のテーマでは、側溝土砂の除去方法の工夫、杭鉄筋かごにおける鉄筋連結の工夫について、2編の発表がありました。創意工夫により、現場での施工の効率が格段に向上することが示された内容でした。
 いずれの発表も、図、写真等を用い、わかりやすく説明いただきました。また、課題解決に十分な効果が得られ、実施内容は同種工事への汎用性につながるものと思われます。
 質の高い社会資本を整備していくためには、本日お集まりの皆様方の技術力の研鑽、向上が大変重要です。
 皆様におかれましては、今日発表されなかった論文にも、目を通していただき、今後の工事で役立つ事例などは、大いに参考としていただきたい。
 
 予算確保による担い手不足対策、若手入職者確保を
 荊木安全対策協議会副会長((株)上越商会取締役社長)は、「建設産業を取り巻く環境は、大変難しい課題を抱えています。
 安定した予算確保により、中長期にわたる見通しがもてる「地域の建設産業」を育てていただくことが、喫緊の課題である担い手不足対策や、若手入職者の確保に寄与するものと信じています。皆様の一層のご活躍を祈念します。」と閉会の挨拶を行いました
 
 糸魚川大火義援金ありがとうございました
 会場でご協力をお願いしました「糸魚川駅北大火」の義援金は、『14,940円』のご協力を頂きました。3月10日に「糸魚川市災害義援金口座」に送金いたしました。報告とお礼を申し上げます。
 

 
 

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