掲載日:2019年10月16日

令和元年度建設労働災害防止大会開催

高田河川国道事務所工事安全対策協議会は、9月26日、糸魚川市マリンドリーム能生で、「建設労働災害防止大会」を開催しました。

この大会は、毎年9月第4週の北陸地方整備局「建設労働災害防止週間」活動の一環として、発注者・受注者が一堂に会し、工事現場における労働災害の撲滅を図ることを目的に行っているものです。

受注者の工事担当者、安全協議会役員、監督支援業務担当技術者、事務所職員など、約130人が参加、安全への意識を再確認するとともに、労働災害のない安全で安心して働ける職場環境の形成を目指して邁進することを確認しました。

緊張感をもって安全管理を

開会の挨拶は、遠藤会長が所用のため、長谷川副会長(高田河川国道事務副所長)が代理で行いました。「当事務所の今年の工事事故は、現時点では公衆災害1件が発生しており、昨年度同時期の3件に比べて少ない状況となっている。北陸地方整備局全体では、工事事故件数が昨年より少ない件数で推移しているが、一方で3件の死亡事故が発生している。

私たちは、引き続き緊張感をもって安全管理に努める必要がある。」と呼びかけました。

来賓ご挨拶

上越労働基準監督署 松本署長
糸魚川警察署 齊藤主任

上越労働基準監督署の松本署長からは、上越労働基準監督署管内は建設業の労働災害のうち、公共工事の占める発生割合は県内9労働基準監督署の中で一番高いとの指摘がありました。その上で、「労働災害を減少させるためには、労働安全衛生関係法令を遵守することだけではなく、法令違反とならなくても災害発生の状況から現に存在する危険を伴う作業を廃止したり、危険の少ない作業に変更することを積極的に取組んでいただきたい。」と話されました。

糸魚川警察署からは、公務のご都合により交通課長の代理でご出席いただいた交通課の齊藤主任より、ご挨拶をいただきました。「作業事故、交通事故が発生した場合は、とにかく現場から第一報をしてほしい。また、事故防止の観点から、早めに車のライトをつけて上向きで走ってもらいたい。下向きではライトの照射距離が50m程度、上向きにして目の前の危険を察知してもらいたい。」と話されました。

講演「建設業における労働災害防止に向けて」上越労働基準監督署 松本署長

上越労働基準監督署の松本署長には、ご挨拶に引き続き、「建設業における労働災害防止に向けて」と題してご講演をいただきました。

建設業における三大災害の墜落・転倒、崩壊、建設機械・クレーンに関する災害防止についてお話しがありました。「墜落に関しては、はしご、脚立からの事故が減っていない。便利であるが、不安全性があり、安全に使いこなすのが難しい。可能であれば、使用を避けてローリングタワーや高所作業車に変更できないか検討してほしい」とお話がありました。

また、全国労働衛生週間に関連して、「化学物質にはSDS(安全データシート)で管理しなければならないものの他にも、健康にどう影響するかわかっていない、素性のわからない物質がある。わからないので安全だろうと使ってあとあと影響がでるものであったということもある。」と注意がありました。

安全優良受注者表彰の取組事例報告

9月17日に令和元年度の北陸地方整備局安全管理優良受注者表彰があり、北陸地方整備局管内で17者が表彰されました。

高田河川国道事務所安全協議会員からは、「平成29・30年度糸魚川管内橋梁補修工事」を施工した(株)笠原建設と「平成29・30年度直江津管内橋梁補修工事」を施工した(株)野本組の2者が受賞されました。大会では受賞披露と、安全管理に対する取組事例報告をしていただきました。

株式会社笠原建設 中村さん
株式会社野本組 長嶺さん

安全十訓唱和、安全宣言を採択

(株)谷村建設の高橋さんの発声により参加者全員が「安全十訓」を唱和、本間道路(株)の玉井さんから、「一人の被災者も出さないため、本大会を契機として安全管理の原点に立ち返り、労働災害のない安全で安心して働ける職場環境の形成を目指す」と、安全宣言を提案、採択しました。

安全宣言の提案
安全十訓の唱和

閉会挨拶

閉会にあたり、西田副会長より、「上越労働基準監督署長から、脚立、はしご、それは避けられませんかという問いかけがありました。表彰された二つの企業の方々からは、足場を変更することによって安全を確保するといった仮設の工法の変更による安全確保の報告がありました。こういった工法の部分から含めて安全への取り組みができるのだと改めて感じたところです。

北陸地方整備局の資料で工事初期の段階で事故が多発している傾向の紹介がありましたが、いかにこれから作業する人たちにこれからやろうとすること、毎日やらなければいけないことを意識させるか、それで事故が避けられるのではないかと感じたところです。

これからもう6か月、除雪の時期も含まれてきますが無事故を目指して、皆さんで良い春を迎えられるよう頑張っていただきたいと思います。」と挨拶があり、本大会を終了しました。