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宮中取水ダム試験放流検証委員会

第5回委員会

以下の3点について審議していただきました。

  • 平成25年度(4年目)調査等結果の概要(中間報告)
  • 試験放流に伴う調査結果の評価(中間報告)
  • 今後の取りまとめ、調査計画等について

平成25年度(4年目)調査等結果の概要(中間報告)


【資料説明】

平成25年度(4年目)調査等結果の概要(中間報告)については東日本旅客鉄道(株)が説明


【議事】

委員:
平成25年度の調査結果を見る限り、変動放流の特徴はあまりみうけられないが、何か特徴はあるのか。

事務局:
数値で表す明確な差がないため、変動放流に係る評価はできていない。

委員:
十日町(姿)地点の水位の変化をみると、H24とH25では明らかに異なっている。調査結果では、クロロフィルa等のデータに違いがでていると思われることから変動放流による差が出ている印象を受けた。自然の流況に近づいていると考えられるのではないか。。

委員:
2時間で約10cm水位が下がっている。ゲート操作10m3/sくらいの放流量の調整は難しいように思うが、ゲート操作として、時間をかけて放流量を変化させることは可能なのか。

東日本旅客鉄道(株):
下流の水位変動が30分で30cm以内になるようゲート操作している。

委員:
10m3/sだと、どの程度のゲート操作(開度)となるのか。

東日本旅客鉄道(株):
7〜8㎝程度である。

委員:
実際のゲート操作はかなり難しいようなので、具体的なゲート操作の内容についてはあとで教えてほしい。

委員:
H25年のBODは、H24に比較すると低いように感じた。

委員:
変動放流としたのはH25年度1年のみであり、初めて実施したのでよくわからないことも多い。試験放流量の計画値を「40m3/s以上」に下げてもよいので、何とか来年度も変動放流をやって頂けるとありがたい。

事務局:
クロロフィルaの違いについては、今後検討したい。水質(BOD等)は、調査時の河川流量だけではなく、流域の負荷量等によっても影響されるため、分析結果の差異の要因は変動流量だけではないと考える。変動放流実施の有無については、意見をふまえて今後検討したい。

委員:
平成25年度の魚類の確認種数はこれまでよりも多いように感じるが。

委員:
魚類は採捕されたり、採捕されなかったり変化するものなので、今回のデータのみから増減を判断することはできない。

委員:
水際環境調査における水域から水際、陸域にかけての連続した底生動物、付着藻類等の調査データは重要である。付着藻類の夏季調査では、水域(常時)→水位変動域→陸域の方向でデータを見ると、種類数は29〜32種類であまり変わっていない。一般に、陸域に近い方が乾燥しやすいので、珪藻類が多くなるはずである。今回のまとめは種類数だけでまとめているが、種構成についても見た方が良い。調査方法が、クロロフィルの値に影響していることも考えられる。

東日本旅客鉄道(株):
種構成を含めたまとめ方、及び調査手法に関しては再度検討する。

委員:
調査実施前の出水の有無等の流況を踏まえた調査と取りまとめが必要である。付着藻類に関しては、アユの餌としての観点からの取りまとめも考えてほしい。


試験放流に伴う調査結果の評価(中間報告)

【資料説明】

事務局より試験放流に伴う調査結果の評価(中間報告)について説明


【議事】

委員:
河川水温に関しては多くのデータが取れているので、客観的な評価ができるように、統計的なデータの整理等も考えていくべきではないか。

委員:
河川形態は試験放流実施前後できれいに分かれている。このことは、生物の「入れ物」としての川が変化してきており、そのような状況の中で付着藻類、底生動物、魚類相が変化してきていることがうかがえる。これまでの調査結果を踏まえながら個々のデータを整理するとともに、河川生態系といった観点から総合的に評価することが大事であり、調査と取りまとめは既にその段階にあると考えられる。今後は全体的な考察、計画をたてるべきである。

委員:
今後、水文データと照らし合わせて調査・取りまとめを進めていくことが重要である。

委員:
川は常に変化しているものであり、生物はある程度の水位変動には対応できる。これまで得られたデータから何が考えられるか検討することも重要である。

事務局:
信濃川中流域のあるべき姿については、放流量を40m3/sと決める際に委員会の中で整理されたものであると認識しており、改めてご意見をお伺いしたい。水文量と関係づけた取りまとめ・評価は必要であると考えている。

委員:
大事なのは撹乱をふまえた生物相や他の評価項目に関連した環境の内容である。

委員:
漁業者の立場から見ると、川は日々変化しているものであり、4年間で魚類相が変化したかどうかといったことを直ちに結論づけることはできないと考える。つまり、試験放流の結果と無理に結び付けることは困難であると考える。

委員:
舟下りの調査データは、すべて1艇分なのか。調査方法を教えてほしい。

東日本旅客鉄道(株):
測定は原則1艇分について実施したが、調査員等の関係で複数艇で実施したこともあった。

委員:
データを計測しているのは1艇のみか。また、40〜80m3/s放流時で「ボートが底をついて降りて通過する」との記載があるが、この記載方法だと何回調査を実施して、何回底をついたのかがわからない。今の記載方法だと、40m3/sでも十分舟下りが可能であると誤解を与える可能性があるので、何艇で何回の調査といった、すべてのデータを出して頂いた方がよいと思う。

東日本旅客鉄道(株):
計測しているのは1艇である。底をついたことと、底をついて船から降りたことは別と考えており、底をついて降りた回数のみをカウントしている。


今後の取りまとめ、調査計画等について

【議事】

委員:
今後の進め方等について、事務局に考えを説明して頂きたい。

事務局:
次年度の試験放流計画を考える上でも、いろいろと意見を頂きたい。

委員:
今後の進め方等について、事務局に考えを説明して頂きたい。

委員:
次年度の試験放流計画を考える上でも、いろいろと意見を頂きたい。

委員:
船下り調査では、「川底についた箇所がある」との記載がある。来年度はどのくらい放流すればボートからあまり降りないで済むのか調査してほしい。修学旅行や田舎体験などの取り組んでいるが、より親しみのもてる川にしたいので、ラフティング等の川遊び等の楽しさを子供に伝えるためにもぜひいろいろ調べてもらいたい。

委員:
28℃という水温の持つ学術的な意味はよく分からないが、冷水性魚類等が関係している大事なポイントであると考えている。

事務局:

委員:
放流量と水温の相関だが、40m3/s、50m3/sでどうなのかわからないし、90m3/sでも28℃超えはある。来年度は、何m3/s放流すれば28℃を下回るようになるかについても調査してほしい。

事務局:
河川水温は気象条件等の要因にもよるため、意見を踏まえて検討したい。

委員:
降水量、流量等様々な要因があるので決めるのは難しいが、宿題として検討してほしい。

委員:
河川水温については、28℃を超えている箇所もあるが、周辺には28℃を下回る低水温箇所もあり、魚は移動するものという認識で取りまとめを行ってきた。そういうことも整理して頂きたい。

委員:
魚は水温によって移動するため、湧水の箇所や水温の低いところもあるということを把握することが必要である。

委員:
平成25年の8月22日、23日の付着藻類の異常繁茂割合が急速に減少しているが、どの時点の出水で剥がれたかを知りたいので、この時の放流量のデータを教えてほしい。

委員:
流速によって藻類が剥がれると、クロロフィルの値にも関連するため、調査では流速を測定しておくことが望ましい。

委員:
変動放流の実施にあたっては、ダム操作の頻度がかなり多くなっており、その分ダム操作にかかわる人手も多くなっている。なお、融雪出水期には自然と変動放流になっている。こうしたことから、仮に変動放流を実施する場合でも、有効な時期を定めて、期限を絞って実施することもあるのではないかと考えている。

委員:
融雪出水の時期は水生昆虫類の羽化時期でもあるので、これらも念頭において調査検討するとよい。

事務局:
今回の委員会で出された御意見を踏まえて調査計画案・放流計画案をつくりたいと考えている。




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