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信濃川中流域水環境改善検討協議会

第17回協議会

第17回協議会では、以下の3点について協議が行われました

  • 平成19年度調査結果の報告
  • 望ましい流量の総合的な検討
  • 宮中取水ダム及び西大滝ダムの堆砂状況

平成19年度調査結果の報告

【事務局説明】

[景観]

  • 景観から見た望ましい流量はどの程度なのかを把握するためにアンケートを実施した。
  • 沿川の住民を対象に1,500通のアンケート用紙を郵送し、1,006通の回答を得た。
  • 望ましい流量の回答は、宮野原橋では概ね60〜90m3/sにピークが認められた。その他の地点は流量が増加するとともに回答数が増加する傾向がある一方、宮中橋と妻有大橋では、40m3/s〜70m3/sの流量にピークが見られた。
  • 半数の人が賛同できる流量は、50〜70m3/s程度であった。


 


 


 


 


 


 


 


[魚類]

  • すみ場別、水温別に魚類の確認状況を整理した。冷水性の種は多くが26度以下で確認され、優占種は30℃を超えても確認された。
  • 流量が増加した際にすみ場がどのように変化するかについて、十日町、栄橋、川井大橋の3区間で検討した。その結果、冷水性種では、3区間とも流量が増加するに伴い「生息困難」のすみ場が減少した。特に十日町橋及び川井大橋では流量が40m3/sで「生息可能」のすみ場が大きく増加すると予測された。ただし、流量が100m3/sまで増加しても「生息適」のすみ場は出現しないと予測された。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 

[水温]

  • 水温シミュレーションについて、流量が多い場合にも適用できるようモデル式を補正した。
  • 平面に展開した場合に、縦断方向の水温予測との整合が図れない部分があるため、今後、精度の向上を図る必要がある。


 

 



[付着藻類]

  • 付着藻類の異常繁茂を防ぐための流量を検討した。
  • 平常時の流量が増加した場合の滞留部の変化について、十日町橋では常時7m3/sを放流すると水域の14%程度が滞留部となり、この範囲で異常繁茂が生じる可能性がある。さらに、放流量を増加させると滞留部の面積は減少するが、100m3/s以上の流量では面積が減少する割合が小さくなる。
  • 一時的な流量増加による藻類の剥離状況について、常時40m3/sを放流している場合は、300m3/s程度を放流しても異常繁茂面積を減少させる効果は少ない。


     


     


     


【質疑応答】

委員:
付着藻類について、フラッシュは必要ないという結論になるのか。

事務局:
現状の7m3/s放流であれば、人為的な小さなフラッシュでもある程度効果があるが、常時40m3/s放流した際には、発電を一時的に止めた程度では効果がない。 自然の中小洪水を待つしかない。

委員:
好ましくない藻類の繁茂とはどういう状況かということをイメージしないと議論がうまくいかない。モヤモヤした藻類が一面に繁茂し腐敗する状況が良くない。この溜まっているものが、どういう場所に溜まって、どの程度の流量で掃流されるのかが問題になる。

事務局:
常時7m3/s放流の場合に異常繁茂が生じることは現実としてあるので、異常繁茂を発生させないためにはどうすれば良いのかを検討する。

委員:
付着藻類について再検討を行う際には、どのような藻類の繁茂が問題になるのかを把握する必要がある。また、水質変化についても念頭に置く必要がある。

委員:
緩流部があると藻類が繁茂して困るのであれば滞留部分がない断面構造にするという考えをするのであれば、それは間違いである。滞留部は稚魚等の生息場として重要である。

委員:
藻類が繁茂している滞留部は甲殻類(ヨコエビ等)の生息環境となっている。滞留部が全て良くないということではない。

事務局:
滞留部はどの河川にもあることが自然であるが、25%も占めている状況は普通の状況ではないと考えている。異常繁茂による問題が生じない状態を探したい。

委員:
景観のアンケート結果について、対象河川の水域内にどのようなハビタットがあると総合的に良いかを示していると思われる。白波がたつ早瀬があるなど、様々なハビタットが見られる景観が支持の変曲点やピークになっている。


望ましい流量の総合的な検討

【事務局説明】

[宮中ダム減水区間]

  • 望ましい流量を検討するにあたって、過年度の検討資料を精査した結果、幾つかの検討が必要であると考えられた。
  • 宮中ダム減水区間では、以下に示す点については検討が十分ではないと考えられる。

    1 魚  類 : 冬季における魚類の生息環境の観点から必要とされる流量についての検討
    2付着藻類 : 異常繁茂する滞留部の面積の一般的な価値基準がなく、流量を判断するための根拠が十分ではない
    3サ  ケ : 必要とされた流量の根拠についての検証、遡上阻害箇所が解消される流量の検討
    4景  観 : 冬季の景観についてもアンケート結果が適用できるかの検証


 


 


 



 


 

[西大滝ダム減水区間]

  • 西大滝ダム減水区間では、以下に示す点については検討が十分ではないと考えられる。

    1 魚  類 : 冬季における魚類の生息環境の観点から必要とされる流量についての検討
    2サ  ケ : 必要とされた流量の根拠についての検証、遡上阻害箇所が解消される流量の検討
    3景  観 : 冬季の景観についてもアンケート結果が適用できるかの検証


 


 


 



 


 

【質疑応答】

委員:
魚類の冬期における生息状況について、西大滝ダム減水区間の冬季における環境の影響が少ないと思われる流量が6m3/sとなっているが、問題はないのか。

委員:
上流はカジカ、イワナ、ヤマメ等の冷水性種が生息していることから、5、6℃程度までは問題ないと思われる。

事務局:
冬季の魚類については基本的な検討が不足していると考えている。今後の検討結果を見ていただきたい。

委員:
サケの70m3/sについて、根拠が薄いという判断になっている。

委員:
魚野川では60〜70m3/s程度が流れていることから、それと同程度の流量が必要であるという理由であった。再検討すると良い。

事務局:
既往のテレメーション調査により判明している遡上速度が低下する場所について、その箇所での遡上を改善するためにはどの程度の流量が必要なのかを検討することを考えている。

委員:
水量だけではなく、宮中ダム・西大滝ダム魚道の改修についても提言に盛り込む必要がある。

事務局:
サケの稚魚が降下する時期における適切な水温や流量の検討を行っていただきたい。

委員:
中魚沼漁協が実施している孵化事業の水温データを検証することによりわかるだろう。

委員:
宮中ダム魚道のみでなく西大滝ダム魚道についても改修し、遡上降下が可能になるとよい。


宮中取水ダム水及び西大滝ダムの堆砂状況

【事務局説明】

[宮中取水ダム及び西大滝ダムの堆砂状況]

  • 平成18年調査結果によると、宮中ダム、西大滝ダムともに洗掘傾向を示している。

【質疑応答】

委員:
堆砂量について、平成17年より平成18年が減少している理由はなぜか。

事務局:
理由については、把握していない。

委員:
中越地震により平成16年後半から平成17年にかけてダムが開放された。その時期に堆砂していた土砂が流下したと想像していたが、結果を見るとその逆である。

事務局:
平成16年のデータがあれば、推定できるかもしれないが、このデータでは詳細は不明である。堆砂量を計測した時期を明確にしないとわからないが、出水が関連している可能性がある。データを入手して、整理する。



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