平成22年度水害速報
 平成22年度も全国各地で水害が発生しました。6月九州地方、7月西日本から東日本、そして10月の鹿児島県奄美地方。これらの集中豪雨の影響で浸水や土砂災害などの被害が生じ、尊い生命が犠牲となってしまいました。
 平成22年度の水害と近年の水害の状況を紹介します。

6月九州地方
 梅雨前線が北上し、低気圧に近い九州南部は大雨となりました。鹿児島県大隈町佐多では1時間雨量116mmを記録。九州地方を中心に関東、中部、東海地方でも土石流やがけ崩れ等の土砂災害が発生しました。
【被害状況】
鹿児島県薩摩郡さつま町広瀬地区 鹿児島県鹿屋市平戸地区
出典:国土交通省砂防部HP 

7月西日本から東日本
 本州付近に停滞した梅雨前線の影響により広範囲にわたり大雨。1時間雨量は徳島県美波町で108.5mm、岐阜県多治見市で83.5mmとなる猛烈な雨を記録し、各地で浸水被害や土砂災害が発生しました。

7月15日岐阜県可児市土田(可児川)

出典:7.15豪雨災害検証報告書(岐阜県)
7月16日 広島県庄原市川北町(篠堂川)
出典:国土交通省中国地方整備局HP
【気象状況】
 平成22年6月から7月にかけて停滞した梅雨前線により、西日本からが東日本の広範囲にわたり非常に激しい雨(滝のように降る)が降り、特に九州南部ではこの間の総雨量が1,500mmから2,000mm(年間雨量相当)に達しました。
この雨により各地で浸水被害や土砂災害が発生し、浸水家屋約7,488棟、死者・行方不明者は21名にのぼりました。
【7月10日〜16日の期間降水量分布図】
出典:気象庁HP
【6月から7月の大雨による被害状況等】
出典:総務省HP

10月鹿児島県奄美地方
 停滞した前線に湿った空気が流れ込み、奄美地方は大雨となりました。鹿児島県奄美市名瀬では24時間降水量の記録を更新。奄美地方の各地で家屋の浸水や土砂災害、また停電、断水が多数発生しました。
【被害状況】
鹿児島県奄美市住用町 濁流に乗用車が流される 鹿児島県大和村大和浜 トンネルに大量の土砂が流入
出典:鹿児島県HP 

【気象状況】
 平成22年10月18日から21日にかけて、停滞した前線に台風第13号の影響で非常に湿った空気が流れ込み、奄美地方では20日の24時間降水量が622mm(10月の平年値の約2.6倍)となりました。
 
この雨により各地で浸水被害や土砂災害が発生し、浸水家屋約886棟、死者・行方不明者は3名にのぼりました。

【10月19日・20日の1時間降水量(奄美市名瀬)】

出典:気象庁HP
【10月18日からの大雨による被害状況等】
出典:総務省HP

近年の主な水害
平成21年7月山口県防府市 土石流

平成18年7月島根県出雲市 斐伊川

出典:水害レポート2009 出典:国土交通省出雲河川事務所HP

平成17年9月宮崎県延岡市 五ヶ瀬川

平成16年10月兵庫県豊岡市 円山川

出典:水害レポート2005

出典:水害レポート2004

【近年の水害被害額の推移(平成12年価格】

※一般資産等は宅地や事業所等、公共土木施設は河川や道路等、公益事業等は電力・上水道等をそれぞれ示す。
※平成12年価格に基づく数値

出典:国土交通省HP
【平成16年の風水害による被害状況等】
出典:総務省HP
 平成16年は観測史上最多の10個の台風が上陸したほか、新潟県をはじめとする各地で集中豪雨が頻発し、水害被害額は昭和36年の統計調査開始以降最大となりました。これらの水害により215人の方が亡くなられたほか、浸水家屋は約17万棟に上りました。その後も水害被害額は3,000億円前後を推移しており、私たちの安全安心の確保のために水害の解消が喫緊の課題となっています。


※著作権・リンクについて(信濃川大河津資料館HP準拠)

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