利用される信濃川
 生活用水や農業用水など、信濃川の水は様々な形で多くの人びとに利用されており、安定した水供給が必要とされています。そのため信濃川の各地で、河道の安定化や堰等による流水管理が行われており、安定した水供給の確保が図られています。
【妙見堰と福島江用水・長岡上水(長岡市)】
 長岡市と小千谷市の境界に位置する妙見堰は平成2年に完成しました。水量調節により山間部から平野部へと流れ込む信濃川の流路を安定させるとともに、福島江用水、長岡上水の安定取水を確保して、長岡地域の発展を支えています。
妙見堰と福島江用水・長岡上水取水口(長岡市)(※2)

【蒲原大堰・中ノ口川水門と道金浄水場(燕市】
 昭和54年に完成した中ノ口川水門、昭和59年に完成した蒲原大堰は、信濃川と中ノ口川が分派する地点に設置されています。水量を調節し、下流の地域を洪水から守ることはもちろん、浄水場での取水を確保し、沿川の農業用水を適正に供給し、日本有数の金属加工集積地と米どころを支えています。
蒲原大堰・中ノ口川水門と道金浄水場(燕市)

【堀之内地区消流雪導入設備(魚沼市)】
 市街地の排雪の要となる与越川及び旧与越川に消流雪用の十分な水量がないために、排雪した雪が溜まり、治水上の支障となっていました。そこで、魚野川からポンプを用いて消流雪用水を供給し、円滑に除雪作業ができるようにしています。
消流雪導入前 消流雪導入後 魚野川と消流雪導入設備(魚沼市)(※2)

信濃川に親しめる空間
 流れる水の冷たさ、植物や水生生物、川から眺める街並みの再発見など、川に入らなければわからないことはたくさんあります。実際に川に触れることができる親水空間は私たちの身近にもたくさんあります。
【信濃川水辺の楽校「つまりっ子ひろば(十日町市)】
 河川敷内に散策路やワンド、生息する植物の案内看板等が整備され、信濃川の環境を様々な観点から体験することができます。
 また、植物や水生生物の観察会、外来種の駆除活動も実施されており、刻々と変化する河川環境をより詳しく実体験できます。

 
信濃川水辺の楽校「つまりっ子ひろば」の場所を確認する。
つまりっ子ひろばの全景(※1)
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【やすらぎ堤(新潟市)】
 堤防の強化や老朽化対策として整備された堤防で、緩やかな傾斜が特徴です。防災面はもちろん、人びとが集い、憩える街なかのやすらぎの場として、都市の中の貴重な水辺空間となっています。この広々としたオープンスペースは優れた都市景観と認められ、平成10年には「新潟市都市景観賞」を受賞しました。

 やすらぎ堤の場所を確認する。
多くの人びとで賑わうやすらぎ堤(※3)

【大河津分水公園(燕市)】
 大河津洗堰の改築に伴い整備された公園内には、人工水路「体験水路」が整備され、洪水の危険を気にすることなく川の中に入ったり、水辺の生物を観察したりできます。
 
 大河津分水公園の場所を確認する。
体験水路での水生生物観察会


 これまでに川は、人びとに大きな恵みを与え、自然との触れ合いの場を与えてきました。しかし、近年は集中豪雨が多く、特に中小河川では短時間での増水による被害が発生しています。堤防や護岸の整備により川の安全性は向上した一方で、川の水は速く流れ、流域の市街地化が進んでコンクリートやアスファルトに降った雨がすぐに川へ流れ込み、あっという間に川の水かさが増える川が多くなってきています。
 平成20年7月28日 兵庫県の都賀川では、集中豪雨に伴い10分間で1.3m水位が上昇。河川公園で遊んでいた人びとが流され、子供を含む5人の方が亡くなってしまいました。(右写真)。
 身近な川の利水や親水を通じ、身近にできる防災を考えていきましょう。
出典:「水害レポート2008」※4

■参考資料
 ※1 「しなのがわ」 信濃川河川事務所
 ※2 信濃川河川事務所HP
 ※3 「大河津分水ものがたり」 信濃川河川事務所・信濃川下流河川事務所HP
 ※4 「水害レポート2008」 国土交通省


※著作権・リンクについて(信濃川大河津資料館HP準拠)

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