平成21年の水害 7月中国地方・九州北部
 7月19日から26日にかけ、西日本で梅雨前線の活動が活発になり、中国地方および九州北部を中心に記録的な大雨となりました。これにより各地で土石流や浸水被害が発生。広島県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県において30名の方が亡くなられました。また、山口県、福岡県を中心に住家の浸水が10,000棟を超えたほか、停電、断水が発生し、交通機関にも影響が出ました。

【天気図と日雨量降雨分布】
 梅雨前線に向って湿った空気が流れ込み山口県美祢市桜山で1時間に90.5mmの猛烈な雨を観測。ところにより1日で7月の月間降水量平年値を超える雨が降りました。
 梅雨前線と低気圧に向って湿った空気が流れ込み、福岡県福岡市博多で1時間に116.0mmの雨量を観測するなど、中国地方の一部と九州北部の広い範囲で、日雨量が100mmを超える大雨となりました。
 
出典:気象庁HP「災害時気象速報 平成21年7月中国・九州北部豪雨」(※2)


【被害状況】
山口県防府市真尾地区で発生した土石流。 福岡県篠栗町篠栗地内で発生した土石流。
出典:国土交通省HP 「H21年の土砂災害発生状況」(※3)

平成21年の水害 8月近畿地方・四国地方
 台風第9号周辺の湿った空気の影響で、8日から11日にかけて西日本および東日本の太平洋側と東北地方の一部で大雨となりました。この大雨の被害により、徳島県、岡山県、兵庫県、長野県で25名が亡くなられました。また、岡山県、兵庫県、埼玉県など西日本から東日本の広い範囲で浸水被害や土砂災害が発生し、住家の浸水は6,700棟を超えました。

【天気図と日雨量降雨分布】
 熱帯低気圧およびそれから変わった台風第9号周辺の湿った空気が西日本を中心に流れ込み、大気の状態が不安定となりました。兵庫県佐用町作用で1時間に89.0mmの猛烈な雨が降ったほか、四国、近畿でところにより日雨量が300mmを超えました。
出典:気象庁HP「災害時気象速報 平成21年台風9号による8月8日から11日にかけての大雨」(※1)
【被害状況】
兵庫県佐用町下石井で発生した土石流。 岡山県美作市田原地区で発生したがけ崩れ。
出典:国土交通省HP H21年の土砂災害発生状況(※3)

平成21年の信濃川の洪水状況
 信濃川の最高水位は10月8日に記録した45.02mで台風18号の接近に伴う降雨によるものでした。一時水防団待機水位(※4)にせまる水位となりましたが、その後は減少し、新潟県では大きな被害は発生しませんでした。
出典:国土交通省 水文水質データベースHP(※5)

 このとき、大河津分水では可動堰を全開し、上流から流れてくる洪水を分水路へと流し、新潟市を始めとする越後平野を洪水から守っていました。
ゲート全開の可動堰。(撮影:平成21年10月9日) 固定堰を越流しています。(撮影:平成21年10月9日)
 可動堰を全開にしても流しきれない洪水は固定堰を越えて分水路へと流します。
 →堰操作のしくみを見る

日本における水害被害額の推移
 大河津分水のような治水施設が設置されている地域は限られています。また、近年は集中豪雨の発生が多く、大量の雨水を貯留できない中小河川の氾濫とその被害が目立っています。水害はなくなっていません。
出典:国土交通省HP 「H11年〜H20年水害被害額」(※6)

災害に備える
 水害をはじめ、地震、津波、台風など自然災害は思わぬときにやってきます。このような災害をなくすことはできませんが、被害を少しでも減らすことは今からでも取り組むことができます。内閣府では、私たちが日頃からできる災害への備えを紹介しています。「普段できることから取り組んでみよう」この小さな取組が災害からあなたを守ります。
 →減災のてびきを見る(※7)

■参考資料
※1「災害時気象速報 平成21年台風9号による8月8日から11日にかけての大雨」気象庁HP
※2「災害時気象速報 平成21年7月中国・九州北部豪雨」気象庁HP
※3「H21年7月末土砂災害」国土交通省HP
※4「洪水予報の発表形式の改善について」国土交通省HP
※5国土交通省 水文水質データベースHP
※6「H11年〜H20年水害被害額」国土交通省HP
※7「減災のてびき」内閣府HP




※著作権・リンクについて(信濃川大河津資料館HP準拠)

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