| 聞き手 |
粗朶工法は新潟県で盛んだそうですが、他の都道府県で採用されているのですか。 |
| 志田氏 |
現在、粗朶工法を受け継いでいる所は全国でもきわめて少なく、新潟県はむろんのこと、茨城県と岐阜県、東北地方、九州地方の一部にあるくらいです。全国の中で新潟県が一番多いのです。新潟県に粗朶工法が残ったのは、河川が多いことと、信濃川や阿賀野川などの河川の地形や土質が粗朶工法を採用するのに適していたこと、そして生産している人たちが一生懸命粗朶づくりに取り組んだことからだと思います。
歴史をふり返ると、昭和30年代から50年代の初め頃までは鉄やコンクリートを使用した工法が全盛の時代で、粗朶工法は危機的状況にありました。しかし平成9年になって河川法が改定されると、世の中の環境に対する関心が高まり、環境にやさしい粗朶工法が再び注目されるようになりました。 |
| 聞き手 |
海外においても実績があるそうですね。 |
| 志田氏 |
平成11年に国際建設技術協会より、東南アジアのラオス国を流れるメコン川の護岸の浸食防止に協力してほしいという依頼がありました。現地に調査団を派遣し調査をしたところ、現地で粗朶を調達できるという見通しがついたので工事をすることになりました。平成12年11月から粗朶を集めて組み立てを始めました。平成13年1月には粗朶職人を現地に派遣して特別指導を行い、同年2月には船上クレーンによる水上施工で粗朶沈床の沈設を完了しました。
このあと、施工した沈床に砂が入り込んで、粗朶沈床と河床が一体化していることが確認されました。また、そこには魚が寄ってくるため、子どもたちが毎日この場所で魚釣りをしているそうです。
このように試験施工が成功したため、今度はODA(政府開発援助)の資金が投入され、ラオス国内の3カ所に粗朶沈床を施工することになっています。 |
| 聞き手 |
国内での事例をご紹介いただけますか。 |
| 志田氏 |
国内では、歴史的に粗朶工法は実証済みのため、その効果の程は当たり前の事実になっています。事例を1つ紹介すると、以前信濃川河畔の花火の打ち上げ場所が決壊したことがありました。ここに粗朶沈床工法を取り入れたところ、崩れた場所付近の川の流れが変わりました。結果的に危険な護岸を修復することになり、粗朶沈床の効果を実証することができました。 |