国土交通省北陸地方整備局信濃川下流河川事務所 やすらぎのしなのがわ

モニタリング調査

目的

 金衛町海岸では、海岸の防護のためヘッドランドおよび人工リーフの整備を行っていますが、豊かな自然環境への配慮も大切です。
 そこで、自然環境の状況を調べ、また工事による影響や対応の必要性を確認することを目的として、環境モニタリング調査を実施しています。

環境モニタリング調査

案内図

 金衛町海岸は、信濃川河口と関屋分水路に挟まれた浜長2.8kmのヘッドランドに囲まれた海岸です。

金衛町海岸

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項目

 金衛町海岸の自然環境は、大きく陸域・海域の環境に分けられます。
 そこで、環境の区分ごとに調査項目を設定して環境調査を実施しました。

区分 調査項目 調査の目的
陸域 植物 浜辺の美しい景観の要素であり、飛砂防止にも役立つ海浜植物等をはじめとした植物の生育状況を把握します。
鳥類 綺麗で広い砂浜を好むシギ・チドリ類をはじめとした鳥類の生息状況を把握します。
昆虫類 海浜植物群落や漂着海藻などの周辺にみられる昆虫類の生息状況を把握します。
両生類・
爬虫類・
哺乳類
海浜における爬虫類などの生物の生息状況を把握します。
海域

汀線

付着
基盤
底生動物 魚類の餌となるほか、環境の状況をよく表す生物です。海底上や海底中に生息する生物の生息状況を把握します。
魚類 水産対象となるものも多く、海の豊かさを解りやすく把握できます。ここでは汀線際や沖合の魚類の生息状況を把握します。
海藻・
海草類
稚魚の隠れ家や餌場となるため、豊かな海を支える役目を果たしています。ここでは護岸部や海底等の海藻・海草類の生育状況を把握します。
付着生物 新設したヘッドランドを対象として、魚類の餌ともなる付着生物の生息・成育状況を把握します。
プランクトン 水質の状況を反映する生物の代表として、海の基礎的な生物であるプランクトンの生息状況を把握します。


 平成24年度のモニタリング調査のでは、大きな影響は生じていないという結果になっています。
 また、ヘッドランドや人工リーフといった構造物は、海藻や貝類、岩場を好む魚たちの新しい棲家になっていることがわかり、生きものにとって良い効果も確認されています。
 ここではモニタリング調査結果の一例を紹介します。

■水質変化の事例

 水質調査の結果、工事中の観測値は工事前の観測範囲内であることが確認されました。

水質変化の事例

■工事による良い効果の事例

 海岸保全施設整備事業により、生きものたちの新しい棲家が増え、様々な種類の生きものが確認されました。

潜水観察状況 構造物に集まるキュウセンの群れ
構造物についたワカメ 左上:潜水観察状況
上 :構造物に集まるキュウセンの群れ
左 :構造物についたワカメ


 工事による大きな影響は見られませんでした。また、新しい環境創出(岩礁)が確認されました。