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いまも隆起が活発な北アルプスの山々
大町市の西側は北アルプスの山岳地帯で、北は五竜岳(2,814m)から南は槍ヶ岳(3,180m)まで、たくさんの高い山々が大町市に含まれています。北アルプスは標高3,190mの奥穂高岳を筆頭に3,000m級の高山が10峰ありますが、これらの山々は、ここ200万年の間に1,700mも隆起(山が盛り上がる活動のこと)したといわれ、現在、日本アルプスでは年に4mm程度隆起が見られるところがあります。
この割合で隆起し続けると、あと200万年たてば北アルプスの山々はさらに高い山に成長する計算になります。しかし、山が無制限に高くならないのは、浸食されてけずり取られていくからです。


フォッサ・マグナと日本列島の二大構造線
「フォッサ・マグナ」とは“大きな割れ目”という意味で、幅約50km・長さ約300kmもの広い大地溝帯(大陥没帯)です。約2250万年前は海でしたが、まわりの陸地から石や砂、泥が運び込まれ、さらに地殻変動によって隆起して陸地になり今は低い山地になっています。
そしてその西側の境の、日本海側の糸魚川市から太平洋側の静岡市に至る断層を「糸魚川-静岡構造線」といい、東北日本と西南日本を地質的に二分しています。「フォッサ・マグナ」と「糸魚川-静岡構造線」はよく混同されていますので、両者の違いに注意が必要です。一方、西南日本を太平洋側(西南日本外帯)と日本海側(西南日本内帯)に二分しているのが「中央構造線」です。諏訪湖の南から始まり、南アルプスと伊那山地の間を走り、紀伊半島を横断し、四国の吉野川の谷を通り、九州の中央部まで延びて西南日本を横断してます。総延長1,000kmに及び、糸魚川-静岡構造線とともに世界的に見ても第一級の大断層です。
 注1.構造線=特に大規模な断層のこと。
 注2.断層=地盤の割れ目に沿って、岩盤がずれている現象。



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