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第3章  高瀬渓谷の成り立ち


龍神湖周辺の地形を観察しよう


龍神湖の展望台から周辺の地形を観察してみよう。高瀬渓谷や龍神湖の周辺には深い切り込みの谷(V字谷)や山の崩壊地が多く、一方大町市街は渓谷の出口から扇型に広がった形(扇状地)をしているのが見える。これらを実際に観察しながら、高瀬渓谷周辺の地形ができるまでを想像してみよう。

●龍神湖上流のV字谷
高瀬川は北アルプスから急勾配で流れ出ます。この流れによって川底が盛んにけずられ、川底が深くなるにつれて川岸の岩がくずれ、両岸のガケがそそり立つ川幅の狭い谷川ができます。谷の横断面がアルファベットの「V」に似ていることから、このような谷を「V字谷」と呼びます。

●高瀬川源流部のU字谷
川の流れで渓谷がけずられて川幅が狭く深い谷になるV字谷に対して、氷河の浸食によって横断面がU字形になる谷を「U字谷」と呼びます。
天上沢や槍沢などがU字谷の形を残しています。

●大町市街の扇状地
北アルプスの山々の侵食によってできた大量の砂や石は、高瀬川をはじめとする河川の流れによって下流に運ばれます。やがて勾配のゆるい松本盆地へ出ると、運搬力が弱まって大規模な扇状地ををつくります。松本盆地の北側に位置する大町市街は、高瀬川やその支流の鹿島川の扇状地の上にあり、表土の下は川原の砂礫ばかりです。

●山の崩壊地
高瀬渓谷周辺は花崗岩が広く分布しており、花崗岩の崩壊地がよく見られます。花崗岩は風化に対して弱く、くずれて裸地をつくり、なかなか緑が戻りません。


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