アルプスSABO NEWS

Date:
2015/2/19
こんな面白い仕事はなかった
松本市景観賞を受賞した「金原砂防堰堤魚道」の施工業者さんに聞きました
 平成27年2月7日(土)に表彰式が行われた「松本市景観賞」。この賞を受賞した「金原砂防堰堤魚道」を施工した川瀬建設()に話を伺いました。
○日時:2月13日(金)10:00
○話を伺った方 川瀬建設()
            代表取締役 川瀬雄一さん
            常務取締役 斉藤安司さん
            土木部 水沢 智さん(金原砂防堰堤魚道その2工事:現場代理人)
            土木部 藤崎太郎さん(金原砂防堰堤魚道その2工事:監理技術者)
○聞き手 松本砂防事務所 ()副所長 渡辺政信
            梓川出張所 技術係長 渡辺信二


            

    
○技術者たちの思い
 こんなに面白い仕事をさせてもらって、しかも賞までもらって良いのか。という感想です。
 魚道工事にあたり建設業である川瀬建設()が最初に取り組んだことは「魚」のことを知ることで、そのために漁協をはじめ地元の方から話を聞くことでした。人のためではなく魚のためにいろいろ考えて試行錯誤の繰り返しでしたが苦労というよりむしろ楽しい仕事でした。もう一つ造れと言われれば喜んでお受けしたい。
 本魚道はフレームストーン工法といって、玉石の一つ一つをアンカーで固定し、かつ目地がみえないよう施工し自然の石積みのような仕上がりになっています。また、石の配置や水の流れを考えて、魚が遡上しやすいよう工夫されています。
 エピソードとしては、完成した魚道で小学生が魚の遡上を自由研究の題材にしていたのが印象的でした。
 自分たちの仕事が評価され、結果がついてきたというのは土木屋冥利に尽きるというものです。

○若手技術者へのメッセージ
 土木の仕事は、自分たちが作ったものがちゃんと機能して皆さんに使っていただけることが楽しいと感じます。
 本魚道も冬期の施工が中心で、自然が相手の厳しい環境ですが完成したときは大きな達成感があります。

○その他
 この魚道工事は、平成25年度に優良工事事務所長表彰「金原砂防堰堤魚道工事」、平成26年度に優良工事局長表彰及び優良技術者事務所長表彰「金原砂防堰堤魚道その2工事」を受賞し、さらに安曇漁業協同組合から川瀬建設()及び松本砂防事務所に対して感謝状が授与されています。
 金原砂防堰堤魚道は、地域連携による協力体制と高い技術力で造り上げた機能と景観が融合した砂防施設と言えます。
 この時期(2月)は、1m近い雪に阻まれて現地までたどり着くことはできませんが、雪解けと共に新緑の中から魚道が姿を現すことでしょう。



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